エムログ

古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

映画 年代別

【映画】「サムソンとデリラ(1949)」悪女が好きになる映画。聖書の映画化作品としても必見。

サムソンとデリラといえば、旧約聖書に出てくる話の中でも「バベルの塔」とか「モーセの十戒」とか「ノアの方舟」ほどではないにしてもかなり有名な話で、キリスト教圏の映画や本などを見ていると台詞なんかで時々出てくるので、知っていて損はない聖書の逸…

【映画】「メトロポリス(1927)」まさに今こそ見るべき映画~フリッツ・ラングの代表作~

すばらしく良かった。テーマもストーリーも美術も演出も、アンドロイドの造形も。そして今の私達の話でもあると思った。名作の名に恥じぬ、普遍的な作品。 近未来ディストピアSFの代表作。フリッツ・ラング監督の代表作で、『スター・ウォーズ』のC-3POのデ…

【映画】「金星ロケット発射す(1960)」~平和を祈る東ドイツ制作のレアものSF~

「もしや行かなければよかったのでは」というオチが光る東ドイツとポーランドが合作した珍品SF。火星ではなく、金星に行くというのもレア。ハリウッド制作の古いSFに飽きた、マニア向け。 60年頃のSF映画であればセットや特撮はまあ、こんなもん。役者陣も華…

【映画】「ノートルダムのせむし男(1939)」~こちらも傑作だった~チャールズ・ロートン版カジモド

以前、ロン・チェイニー版「ノートルダムのせむし男(1923)」を見たが、同じ原作でありながら全く違う切り口で、全然別の作品のように感じた。ロン・チェイニー版の方は相当コミカルに演出されていて、悲壮感というよりユーモラスですらあったが、今作の方…

【映画】「踊る海賊(1948)」~ジュディ・ガーランドとジーン・ケリーが楽しそうで、こっちまで楽しくなってくる映画~詳しいあらすじ付き

ジーン・ケリーにジュディ・ガーランドという、ミュージカル界のスーパー・スターのふたりが繰り広げるコメディ・タッチのミュージカル。面白いというより、楽しい映画。話が面白いとかではなくて、二人が楽しそうだから見てるとこっちも楽しくなってくるよ…

【映画】「タワーリング・インフェルノ(1974)」~パニック映画の超有名大ヒット作~

「今は神に祈るのみだ。惨事を繰り返さんように」 ビルのオーナー、ダンカンの台詞 ・・・神に祈ってんじゃないよ。あんたが利益優先で建築費をケチったからでしょ。反省するとこだよー。 超高層ビルで大火災が起こり、高層階に閉じ込められた人々と、消火に…

【映画】「現金に体を張れ(1956)」~スタンリー・キューブリックのハリウッド・デビュー作~

写真家から映画監督に転向して、自主制作映画のような低予算映画を数本撮ったあと、スタンリー・キューブリックにとってハリウッド映画監督デビュー作となったのが今作『現金に体を張れ』。”現金”と書いて”げんなま”と読む。 ドライな演出が光る作品。後半に…

【映画】「殺したいほど愛されて(1984)」~スタージェス監督へのリスペクトが感じられる、甲乙つけがたい良作~

プレストン・スタージェス監督の『殺人幻想曲(1948)』のリメイク。リメイク作品を見ると「オリジナルの方が良かった」と思うことも多いけど、今作はスタージェス監督へのリスペクトが感じられる、甲乙つけがたい良作。 スタージェス監督のオリジナルをリア…

【映画】「レディホーク(1985)」~RPG好きにおすすめの、中世ロマンティック・ファンタジー~

最近、ルトガー・ハウアー死去のニュースを見てこの作品を思い出した(2019年7月19日死去)。一般的にルトガー・ハウアーといえば『ブレードランナー(1982)』なんだろうと思うが、私にとってはこの映画。10代のころ大好きだった、思い出の作品。 めちゃく…

【映画】「さらばベルリンの灯(1966)」~いぶし銀のスパイ映画。リアルな演出がじわじわとしみる~あらすじ付き

戦勝国であるアメリカ・イギリス・フランス・ソ連に、敗戦国ドイツが分割統治されていた時代。ソ連管轄地域の真ん中に、離れ小島のように存在したベルリンを東西にわける壁(ベルリンの壁)ができて5年後の作品。 ****** あらすじ ****** 戦勝国であるアメリ…

【映画】「殺人幻想曲(1948)」~プレストン・スタージェス監督のドタバタ・コメディ~

この作品をリメイクした『殺したいほど愛されて(1984)』をかなり前に見てもの凄く面白かったので、そのオリジナルの方を見てみた。 主人公は妻の浮気を疑い殺害しようと完全犯罪をもくろむのだが、あまりにも自分に都合よく考えすぎていて全然うまくいかず…

【映画】「失われた航海(1979)」~事実に基づいて作られた群像劇タイタニック~

本作は1979年の英米合作のTV映画。タイタニックが主題の映画では初のカラー作品で、制作費は500万ドル。日本では劇場公開もされているらしい。 DVDのパッケージを見ると「セミ・ドキュメンタリー」として制作されたとある。映画冒頭で「事実と関係者の談話に…

【映画】「ガス燈(1944)」~自分で自分を信じられなくなる恐怖。テーマは心理虐待。~あらすじ付き

観ると精神的苦痛で顔が歪む。わたしは終始、沈痛な面持ちでしかめっつらで観てしまった。と言ってもそれは、心理面で非常によく出来た映画だからであって、駄作だからじゃない。 ああー、こんな風に扱われたら鬱になって気が狂ってしまうよ。 ****** あらす…

【映画】「ディーバ(1981)」~おしゃれな映画は、時を経てもやはりおしゃれ~

引用:「オペラ座?」「お尻よ」 ジュールとアルバの台詞より 青が印象的な映画。 冒頭いきなり始まる「ラ・ワリー」の導入から一気に映画に引き込まれる、80年代青春映画の傑作。 『ベティ・ブルー(1986)』も話題になった、ジャン=ジャック・ベネックス…

【映画】「夢のチョコレート工場(1971)」 ~2005年「チャーリーとチョコレート工場」の元映画~あらすじつき

主人公チャーリーの健気な優しさが心に響く、コメディタッチでミュージカル仕立てのファンタジー。良くも悪くもいかにも70年代的セットで、けばけばしくも摩訶不思議な世界を表現しています。 原作は児童文学『チョコレート工場の秘密』、本作をリメイクした…

【映画】「雨に唄えば(1952)」 ~ジーン・ケリーを見てるとほんと元気になる(笑)~

のっけから笑わせてくれる、MGMミュージカルの名作コメディ。映画がサイレントからトーキーへと移り変わるはざまの騒動を描いた作品というだけでも期待できるが、その上ジーン・ケーリーやジーン・ヘイゲン、ドナルド・オコナーら芸達者な出演陣が、畳み掛け…

【映画】「さらば青春の光(1979)」 ~邦題に偽りなし。そう、光はないのだ~カルト青春映画の傑作

「俺は同じなんて真っ平だね。だからモッズさ。大物になりたいんだ」 ジミーの台詞より バイク、ドラッグ、パーティ、ケンカ。つまらない両親につまらない仕事、希望のない未来。60年代の若者が、精一杯背伸びしてイキがって、そして絶望していく、ジリジリ…

【映画】「透明人間(1933)」 ~グリフィン、いますっぽんぽんなんだなあ、と思うこと請け合い~

「血と肉と骨が消えてしまう薬品を作ったのだよ。それを1か月間毎日注射した。これで世界を征服する」 グリフィンの台詞より ううん、ちょっと傲慢すぎて主人公に感情移入できなかった・・・。世界征服って言われてもなあ。そういえばポール・バーホーベン監…

【映画】「カジノロワイヤル(1967)」 ~ジェームズ・ボンドのおバカ版~ おバカ映画の傑作カルト作品~

はははー(笑)、この映画大好き。大好きな映画だけど、どんなストーリーなのか全然わからん(笑) わからなくても楽しい、いや楽しいからこそストーリーなんかそっちのけになってしまう尊いおバカ映画の傑作。終始ニヤニヤしながら楽しめる。 そして美女が…

【映画】「80日間世界一周(1956)」 ~見どころはフォッグとパスパルトゥとエンディング~

風呂の水は40センチでなければいけません。ピッタリにです。 朝食のトーストの温度は28度です。ピッタリに。 ~フォッグの執事、退職の理由より~ 大好きなジュール・ヴェルヌ原作「八十日間世界一周」の雰囲気をそのままに、フォッグとパスパルトゥの魅力を…

【映画】「2300年未来への旅(1976)」~ファラ・フォーセットがチョイ役で出ている管理社会SF~

「2001年宇宙の旅」にあやかりすぎな、全然未来にはいかないという、邦題に偽りありな作品(コレドーナノ)。 私の好きな近未来&管理社会もの。この手の映画が好きになるきっかけになった、個人的には記念碑的な作品。別に管理されたい訳じゃなくて、そこからの…

【映画】「ノートルダムのせむし男(1923)」 ~傑作~ ロン・チェイニー版カジモド 詳しいあらすじ付き

何度も映画化されてディズニー版もつくられた、ヴィクトル・ユゴー原作「ノートルダム・ド・パリ」の初映画化作品。ストーリーもさることながら、登場人物たちが生き生きキラキラしていて映画を引っ張る。 せむし男の名前は一般に「カジモド」だけど、この映…

【映画】「喰いついたら放すな(1960)」 ~出世しない男の出世しない理由がよくわかる映画~

ダメ男のセールスマン、ジョニーは売り上げを伸ばそうと無理して車を購入するが、一週間足らずで盗まれてしまう。車が無ければ成果をあげられないと、妻の反対も押し切って執拗に車の行方を探し続ける。その一念が、車を盗んだ街のチンピラや、車泥棒の親玉…

【映画】「宇宙戦争(1953)」~かの有名なH・G・ウェルズの小説「宇宙戦争」の映画化作品~

火星人=タコ型のイメージを私たちに植え付けた小説、の映画化。地球人よりもずっとずっと進んだ文明を持つ火星人が、地球人を滅ぼしにやってくる。 火星が住めなくなって、太陽系の惑星に移住しようとあちこちリサーチしたけどあんまりいい星がなくて、それ…

【映画】「ミニミニ大作戦(1969)」 ~いいかげんなのはどっち? 車が主役の痛快作~

原題は「The Italian Job」直訳すれば「イタリア人の仕事」。でもGoogle翻訳をかけたら「いいかげんな仕事内容」とでたよ。おーい、イタリア人いわれてるよー、って思ったが、当時イタリア人はこの題名なのに気持ちよく撮影を許したらしい。すてき。 まあイ…

【映画】「キング・ソロモン(1950)」~アフリカの大地、動物、民族の美が炸裂するサファリ・ムービー~

全編、財宝目指して歩いているだけと侮るなかれ、野生動物たちの躍動感あふれる映像は圧巻! そしてラストの原住民のダンスが超絶美しい。 キング・ソロモンの秘宝とやらが出てくるが、それを探す冒険映画というよりもエリザベスの旦那を探すことが目的で、…

【映画】「M(1931)」 ~頭おかしいと無罪ですか。法の矛盾を問いただす~

サントラのない本作。流れる音楽は「口笛」。SF映画の金字塔「メトロポリス」を撮影した監督フリッツ・ラング初のトーキー作品。サイコ・サスペンスのはしり。 まだ若かりしコンセイユが、じゃなかった、ピーター・ローレが27歳で主演した出世作。特徴的なギ…

【映画】「地球の危機(1961)」 ~TVシリーズ『原子力潜水艦シービュー号』の元ネタ~

このタイミングで巨大タコ登場 (; ・`д・´) はオドロキ。そして意外な真犯人。そうきましたかあ。科学的なのかなんなのか良く分からないところも多々ありながらも、娯楽作としては楽しめる。 「今日の無謀な夢も明日の現実」 ハリマン・ネルソン提督のセリフよ…

【映画】「ある日どこかで(1980)」 超ロマンティックなタイムトラベル・ラブ・ストーリーの傑作

70年前の女優に恋して、「こけの一念、岩をも通す」並みに気合でタイムトラベルする男性の話です。タイムトラベルと聞いて一般的に思い浮かべるのはドラえもん的なタイムマシンに乗って過去や未来に向かう方式ですが、この映画は違います。 そしてたいへんロ…

【映画】「赤い靴(1948)」 ~結婚したプリマなどどうでもいい~ バレエ映画の最高峰

「結婚したプリマなどどうでもいい。彼女は終わった」 レルモントフの台詞より その言葉をじっと聞くヴィッキー。 結婚を理由に解雇したボロンスカヤを見送る冷ややかなレルモントフ。その様子を汽車の窓からじっと見つめるヴィッキーのまなざし。 この映画…