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古い映画を中心に、本、仕事・・・etc. 驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「リトルショップオブホラーズ(1986)」~ジュニア、すごく可愛げがなくなる~

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題名 リトルショップオブホラーズ
監督 フランク・オズ
脚本 ハワード・アッシュマン
出演 リック・モラニス、エレン・グリーン、スティーヴ・マーティン、ヴィンセント・ガーデニア、ビル・マーレイ
上映時間 94分
制作年 1986年
制作国 アメリカ
ジャンル コメディ、ブロードウェイ、ミュージカル、80's、エンドロール長い(3曲6分)

 

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****** あらすじ *******
花屋で働くシーモアはまったく冴えないダメ男。みなしごだったシーモアは花屋のムシュニクさんに拾われて、彼の花屋で働いている。ある日空が怪しく光りぴかっと光ると、突然小さな鉢植えが現れる。植物大好きシーモアが偶然買って帰って育てるが、そいつは宇宙から来た人食い宇宙植物だった。冴えないシーモアとおバカな彼女、食虫植物オードリーⅡ。彼らを取り巻く人々と騒動を描くブラック・コメディ。
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日本版の題名は「・」がなくて一連。なぜー。

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全編、キャッチーでいかにも80年代ポップスなミュージカル映画。1960年のオリジナル映画から、1982年のミュージカル化を経て、1986年にリメイクされた本作は、映画のリメイクというよりもミュージカルの映画化という感じなのかな。曲は「いかにもブロードウェイ・ミュジーカルっぽい定番」って感じ。黒人3人娘のコーラスで始まり、ヒロインのオードリーの頭の弱い感じは強調され、ジュニアはオードリーⅡという名前になり、舞台となる街スキッド・ロウも貧民街(スラム)という設定。歌の内容も貧しさを嘆くような内容になっていたりする。オリジナルはそういう「主張」とかは一切ない純粋かつ単純な娯楽作だった。今作ではシーモアやオードリーだけでなく、オードリーⅡも歌いまくります。シーモアはLIFEの表紙を飾ったりして、有名人にもなる。オードリーⅡに食べられる人もちょっと違う。オードリーⅡの最期は、調子に乗りすぎて自滅するという、終わり方。オリジナルとは違ってハッピーエンド。最も違うのは、オードリーⅡが皆既日食の日に、地球を征服しに宇宙から来た異星人の設定になっていることかな。SFテイストになってる。


シーモアのダメさ加減は相変わらず。ニック・モラニスって可愛いよねー。好きです。彼の映画では「スペースボール(1987)」が好き。パロディ映画はあんまり好まないけど、これは面白かった。

途中、ラジオのパーソナリティ役でジョン・キャンディが出てた。短い時間で彼らしい芸達者ぶりを発揮。ノリノリ(笑)。

ミュージカルシーンが多めで途中ちょっとダレてきたかなー、というところでスティーブ・マーチン投入。俄然盛り上がる。オードリーの恋人で歯医者のオリン役。超サディスト。スティーブ・マーチン、イキイキ。やりたい放題。最高にテンポが良くて爆笑。

そしてマゾの患者役には、ビル・マーレイ。

80年代コメディアンの代表格が続々。みんなそれぞれ持ち味を生かしていて「ぽい」感じ。ニック・モラニスはニック・モラニスっぽいし、ジョン・キャンディはジョン・キャンディっぽく、スティーブ・マーチンはスティーブ・マーチンぽく、ビル・マーレイはビル・マーレイっぽい。

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オリジナルと比較してみる。

www.mlog1971.com

 
当り前なことなんだけど、ジュニアの「ハリボテ」感に対して、オードリーⅡの80年代らしい特撮&クリーチャーのリアルさはパンパない。

なんというか、オリジナルの方は「いい意味で」適当なんだけど、リメイクの方はいろいろとちゃんとしちゃってて、逆にエグい。歯医者を食べさせるところとか、オリジナルはただジュニアに放り込むだけだったけど、リメイクの方は「ちゃんと」切り刻んで食べさせたりして、このきちんとした感じがすごくグロい。オリジナルを見ているせいか、「そこ、描かなくてよくない?やりすぎじゃない?」って思うところが多い。


あと心理面も、オリジナルのシーモアはジュニアの為に次々と死体を調達してきたけど、殺害の理由は特になかった。ただ偶然のように死んじゃっただけと言っていい。歯医者の時も、ただ歯が痛くて歯医者に行って、行きがかりから決闘みたいになって、なんか知んないけど簡単に死んじゃったからジュニアのエサにしたっていう感じ。でもリメイクのシーモアは歯医者の死体を調達する際、「オードリーにひどいことをするから」という明らかな動機を持って殺しにいってる(結果的に勝手に死んじゃったけど)。

シーモアとかオードリーの生い立ち的なバックストーリーとか、生きるのがつらいとか、そういうのも生々しくってやっぱりエグい。いらない。

そして・・・オードリーⅡが、可愛げが全くない。オリジナルも別に可愛くはなかったが、少なくとも憎たらしくはなかった(「食わせろ」以外喋らなかった)。オードリーとのくだり以降なんて、手が付けられないクソ男のクソぶりと同じで全然笑えない。

植物に全く関心がないのに、食虫植物だけは仏花を買うため入った花屋で超絶ちいちゃいのを見て「かわいい(ほっこり)」としたことのある私。平たくて、ふちにとげみたいなのがたくさん付いていて、パカパカと開いたり閉じたりして、コバエみたいな小さい虫がくっついてた。今回調べてみるとたぶん「ハエトリジゴク」だと思う。それを見て「かわいい」と思う私。そんな私でもオードリーⅡはダメ。可愛くなかった。きらい ( `ー´)ノ

見どころも多いけど、不愉快なところも多い。そういう、面倒なことは一切ないオリジナルの方が、私は好きだな。 

 

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