題名 世紀の女王
監督 ジョージ・シドニー
出演 エスター・ウィリアムズ、レッド・スケルトン、バジル・ラスボーン、ハリー・ジェイムス
音楽 ハリー・ジェイムス楽団、ザビエル・クガート楽団
上映時間 101分
制作年 1944年
制作会社 MGM
制作国 アメリカ
ジャンル ラブ・コメディ、ミュージカル、水中レビュー
主演のエスター・ウィリアムズが「笑顔全開&カメラ目線」で泳ぎまくる!! 最盛期のMGMスタジオが、歌って踊るミュージカルに飽き足らず、泳ぐシンクロナイズド・ミュージカルを編み出してしまった、その記念すべき第一作。
映画の内容はいたって単純な、安心のラブ・コメディ。エスター扮する大学の先生と、レッド・スケルトン扮する人気作曲家のドタバタ恋愛騒動。スケルトンはエスターと仲直りをするために彼女が働く「女子大」に、初の「男子生徒」として潜入し、そこの女子大生を巻き込んでドタバタバタドタして、最後はもちろんハッピー・エンドです。
スケルトンが女子大へ潜入!といってもお色気映画ではありませんよ。残念でしたね。MGMのミュージカル映画ですからね、そこのところはご了承ください。
見どころはなんと言ってもエスター・ウィリアムズの水中レビュー!!(それとハリー・ジェイムス楽団のジャズ演奏)。
カテゴリ的にはミュージカルなのだろうけど、主演のエスター・ウィリアムズは歌わないし踊らない。なぜなら彼女はミュージカル・スターではなく、水泳選手だからです!!! ワー!パチパチパチ。
エスター・ウィリアムズは10代で世界記録を出すほどの才能のある水泳選手で、1940年に開催予定であった東京オリンピックの候補だったのに、本人が辞退。で、水泳ショーに出演している所がMGMの目に留まって、大スターの道を駆け上る。
「水中ショー>>>>>>>>オリンピック」 ですよねー。(*´з`)デショオネー
オリンピックを蹴ってショーに出ているあたり、最初からスターダムに駆け上がる気満々な感じが察せられて、いいよー、エスター。おまけに、あなたが蹴った東京オリンピックは第二次世界大戦の影響で中止になってるものー、エスター、持ってるわ。
エスター・ウィリアムズは面白いから好きなんだけど、正確に言えば彼女が好きというより、エスター・ウィリアムズのような存在に目を付けて、巨大プールを作って泳がせて、大スターにしてしまおうとする40~50年代のハリウッドの勢いみたいなものが面白くて好きです。そういうことを大の大人が考えて平気でやっちゃう、みたいなところ。こう・・・インチキ臭いというかムチャ振りというか、業界全体が調子に乗って、ノリに乗っていないと出来ないでしょう。
「大谷翔平をスカウトしてきて「ROOKIES ルーキーズ」にピッチャーで出演させちゃおうぜー!」みたいな。このノリは日本じゃまあ、無理でしょ(バブル期が続いていれば調子に乗ってできたかもしれない)。
今作がエスターの初主演作なのだけど、エスター初登場シーンはもちろんプールで泳ぐシーン。普通の小さなプールで、飛び込みとシンクロナイズド・スイミングを披露してくれる。新人だからさすがにしょっぱなは地味なのね。
でもラストはしっかり、巨大プールで壁の花女優をバックに、笑顔全開、カメラ目線バッチリで華やかに泳ぎまくります。いよっ、エスター!よっ!大統領!!
あと随所にしっかり流れるハリー・ジェイムス楽団のジャズ演奏も、しっかり一曲フルで演奏する豪華さ。慌てずゆったり時間を使うあたりがゴージャス。
途中、バレエのドタバタあたりが私好みでなくて、ちょっとテンションが下がってしまったが、後半のエスターの水中レビューですっかり機嫌を直し、最後は拍手喝さいを送って気持ちよく見終えたのでありました。メデタシメデタシ。
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