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【映画】「2300年未来への旅(1976)」~ファラ・フォーセットがチョイ役で出ている管理社会SF~



おすすめ度 ★★★

題名 2300年未来への旅(Logan's Run)
監督 マイケル・アンダーソン
出演 マイケル・ヨーク、リチャード・ジョーダン、ジェニー・アガター、ピーター・ユスティノフ、ファラ・フォーセット
上映時間 118分
制作年 1976年
制作会社 MGM
制作国 アメリカ
ジャンル SF、ディストピア、ユートピア、管理社会
 
 
「2001年宇宙の旅」にあやかりすぎな、未来には全く行かないという、邦題に偽りありな作品(コレドーナノ)。

とはいえ私の好きな「近未来ディストピア&管理社会からの脱出もの」。この手の映画が好きになるきっかけになった、個人的には記念碑的な作品。別に管理されたい訳じゃなくて、そこからの脱出のカタルシスが好きなのです。

でも残念なことに今作は、その解放のカタルシスはあんまり感じられないのでした (*´з`)ザンネン なのでこの映画の悪口ばかりを書いているように思えるでしょうが、私はこの映画は好きな映画です。
 
 

あらすじ

23世紀。戦争、人口過剰、汚染などで地上に住めなくなった人類はドーム状の建物 ”シティ” に住み、外の世界を忘れていた。コンピューターに管理され、飢えや恐怖とは無縁に快楽を追求する人々の唯一の制約は30歳までしか生きられないこと。手のひらに埋め込まれたクリスタルが透明から赤く点滅すると死のしらせだが、ほとんどの人々はそのことに疑問を抱かない。しかし中には管理されるのを拒否し、30歳以降も生きられるという伝説の ”サンクチュアリ(聖域)” を探す人々も少なからずいた。

シティからの逃亡者を粛正する役目の未来警察(サンドマン)のひとりであるローガン5(ファイブ)は、ある日外の世界にあるという ”サンクチュアリ” の調査と破壊をコンピューターに命じられる。その際コンピューターによって4年も寿命を短くされてしまう。クリスタルが点滅しているのを見たローガン5は、「任務が終われば元の寿命に戻してくれるのか」とコンピューターに尋ねるがコンピューターは答えてくれなかった。

ローガン5は自分の寿命を守るため、シティから逃亡することを決意。デート回路で出会った女ジェシカ6(シックス)と共に外の世界へ向かう。外はローガン5が聞いてきた世界とは全く違う世界が広がっていた。しかもクリスタルの光も消えていた。シティの管理範囲から逃れたのだ。シティの外は過酷な環境で人間は生きられないと聞いてきたローガン5だったが、外で暮らす老人と出会い、それが嘘であったことを知る。外でも暮らせること、30歳以上生きられることを知ったローガン5は、人々に真実を伝えるべくシティに戻り、コンピューターと対峙する。
 

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Di Killb94 - screenshot catturato da me, Copyrighted, https://it.wikipedia.org/w/index.php?curid=8286614
 
 

さすがにセンスが古くて時代遅れな感じがしなくもない

監督のマイケル・アンダーソンは『80日間世界一周(1956)』とか『1984(1956)』とか『さらばベルリンの灯(1966)』など、色々なタイプの作品を監督してきた人で、私は意外と見ているのだった。

良い映画撮ってる。だけど今作がターニング・ポイントだったのかもしれない。今作以降の作品は未見ながら、やや作品のランクががくっと落ちているような気がする。50~60年代がピークだったか。

なぜならこの『2300年未来の旅』は、いかにも60~70年代ぽいヒラヒラの衣装と、大阪万博のパビリオンみたいなセットがちゃっちくて、今見るとかなりのB級テイストを感じるのだった(初見時の80年代でも感じたけど)。

この映画の翌年の1977年には『スターウォーズ』と『未知との遭遇』が公開され、SF特撮は次のステージに入って行くから、今作はその時代の変わり目に古い感覚で作られてしまった感は否めないかな(とはいえ今作以降もこのセンスで作られたSF映画は割とあるけれども)。

でもそこがまた味わい深くて好きなんですけどね。
 
 

コンピューターを制御している人間がいない設定

セットとか衣装以外でも、設定と脚本もイマイチ甘い。

まず「シティのコンピューターを誰が制御しているのか分からない問題」がある。コンピューターを使って人々を洗脳して支配することで得をするような存在が、全然見当たらないのね。「外は怖いんだよ~、だから出ちゃダメだよ。俺の言うことを聞いていれば幸せなんだよ」って言っている人がいない。

ビッグ・ブラザー的な権力者がいないから支配されている感が薄くて、そのために脱出した時のカタルシスも弱い。

でもこれに関しては、
① 最初は戦争とか汚染などで地上に住めなくなった人類が、自然環境と隔離するドームを作ってその中で生活するようになった。
② その頃は外に出るのは極めて危険だから誰も出ない。
③ そして世代を重ねるうちに、ドームに住む元々の理由や、外の環境が住めるように復活したら外へ出ていくといった目的も忘れられていく。
④ その頃にはシステムの維持がコンピューターに任されていて、システムの維持だけが目的になってしまう。
⑤ コンピューターは疑問を持たないので改善をしないから、淡々とシステムを維持し続ける。
⑥ 人々もコンピューターに頼りっぱなしで思考を停止しているから、従順にシステムに乗って、自らの意思で未来を切り開くという発想を失っていた。

という具合で私の中では理解されているので問題ない。「システムの維持だけが目的」になっちゃってるんだろうな、みたいな。未来がルーチン作業。それはそれでつまらなくて怖い。
 
 
 

コンピューターの失策が目立つ

私にとっての疑問は、そのコンピューターがなぜローガン5を外に行かせたのかがよく分からないところ。

確かにシステムに従順なものばかりではなくて、シティのはずれにある寺院には不良少年たちが住みついているし、「30歳以上生きたい!」と思う者が反抗者となって外に出て行こうとしたりはしているけど、まだそこまで切羽詰まった状況でもなさそうに見えるんだけど・・・

自分で事を荒立ててしまっているような。寝た子を起こしちゃった感があるのだが。

『2001年宇宙の旅』のHAL9000みたいに、自己保存本能ってことなのかなあ。

実際、外は人も残っていなくて荒廃していて聖域なんてどこにもなかったし、動物もほとんど生息していない様子だったから脱走組なんて放っておけばよかったのに。ローガン5を行かせたことで彼に疑問を与えてしまった。


だいたいローガン5の手のひらのタイマーの時間を4年ほど進めてしまったのがよくありませんでしたな。

ローガン5はこれがきっかけで急に死が身近になって、本当に脱走をもくろむようになってしまうのだ。

それまではモラトリアム的に呑気な感じで脱走者狩りをスポーツのように楽しんでいただけのローガン5だったのに・・・やはり寝た子を起こしてしまった感じが。
 
コンピューターさん、判断ミスでしたな。
 
 

つくづく惜しい、、、のよ

他にも、シティから外界へ出る途中で出会う銀色の人型ロボット(ボックスだったかな?)の存在がなんなのかイマイチよく分からないとか、食事のシーンが皆無なので何を食べているのかよく分からなかったり(飲み物を飲んでいるシーンが多いから、あれで栄養をとっているのかな?)。

最期コンピューターが自己崩壊するあたりも、なんでかよく分からなかった。


でも、個人的にもっとも「ああもったいない」と思ったのは、外の世界で出会う「老人(Old Man)」の取り扱い。

出てきた時は「は! ソイレント・グリーンのブックマンぽい役割かな!」と思って身を乗り出したのだが、まったく意味のない人物設定だった (´Д⊂ヽトホホー。

リンカーン記念館に住んでるのかな? 図書館みたいに本がいっぱいあるのに、まったく何にも知らない役立たずぶり。あれもこれもどれもそれも、何にも知らないの。それに本がいっぱいあるのに、誰もそのことにひと言も触れないのー ヒャー。

ここは『タイムマシン(1960)』みたいに、失われた知識を嘆くとか、読みたいんだけど風化しちゃってどんどん読めなくなっちゃってさーとか、なんかひと言欲しかった。

『ソイレント・グリーン(1973)』のブックマンみたいに超絶物知りとして登場してさ、知恵も知識も失った人類の一縷の望み的な立場を与えてさ、未来はこの一人の老人と大勢の無知な若者に託されました、みたいな展開でいいじゃない。

それを・・・すべてドブに捨てる展開に・・・(; ・`д・´)ドユコトー。爺さん、ただの雰囲気づくり。賢者風のたたずまいで、たたずまいが賢者なだけ。

無知な老人と数千人の無知な若者の集団って、このメンツでは人類の未来は暗いじゃないですかー。滅亡だな。


ラスト、洗脳から解き放たれた人類!って感じでハッピーエンドみたくなってたけど、確実に滅亡だな。ローガン5、とんでもないことをやらかしましたな。
 
 

でも好きな作品

いろいろ悪く書いちゃったけど、10代の頃にTVで見て、題名を覚えていなくて、「近未来で管理社会もので、そこから脱出する映画」「手のひらにガラス玉がはまっている映画」「氷河期みたいなシーンがあった」程度の情報で、足でDVDを探し当てたという、私にとっては愛すべき思い出の作品なのは変わらないのでした。

なんか最近ハリウッドでリメイクの話もあるみたいだし、改善されることを期待してます。できれば私好みにお願いします(デキネーヨ)。


ところで、ファラ・フォーセットなんか出てるんだよね。それもちょい役で。チャーリーズ・エンジェルで大ブレイクする、ちょっと前なのかな。美容整形外科医の助手かなんかの役で、頭が悪そうな女の役で、すぐに死んでいた。そして英語だから何を喋っているのか皆目わからない私でも分かるほどの大根女優ぶりでした。


それから気になったのは、ローガン5の友人フランシス7。ゲイなのかなー。ローガン5を追い詰めていく執拗さは尋常じゃあないし、ジェシカ6を「こんな女!」って言ってたし、ローガン5を風呂に誘ってたし。

でもローガン5がデート回路でセックス相手を探していて、ジェシカ6が引っかかるんだけど、拒否るジェシカ6にローガン5は「女が良かった?」って言っているから、この社会では同性愛は普通のことなのかもしれない。

ローガン5が好きだったんだね。


じゃね! 

 

 

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