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古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「80日間世界一周(1956)」 ~見どころはフォッグとパスパルトゥとエンディング~

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題名 80日間世界一周
監督 マイケル・アンダーソン
制作 マイケル・トッド
脚本 S・J・ペレルマン、ジェームズ・ポー、ジョン・ファロー
原作 ジュール・ヴェルヌ「八十日間世界一周」1872年
出演 デヴィッド・ニーヴン、カンティンフラス
音楽 ヴィクター・ヤング
タイトル・デザイン ソール・バス
上映時間 169分
制作年 1956年
制作会社 ユナイテッド・アーチスツ
制作国 アメリカ
ジャンル 冒険、観光、タイトルバック


風呂の水は40センチでなければいけません。ピッタリにです。
朝食のトーストの温度は28度です。ピッタリに。
   ~フォッグの執事、退職の理由より~


大好きなジュール・ヴェルヌ原作「八十日間世界一周」の雰囲気をそのままに、フォッグとパスパルトゥの魅力を強化した傑作。ヴィクター・ヤングの主題曲も有名。


「海底2万マイル(1954)」「地球の危機(1961)」「M(1931)」と紹介してきたピーター・ローレがちょい役で出ているし、前回取り上げた「2300年未来への旅(1976)」を監督したマイケル・アンダーソン監督作品でもある。最高に楽しい大好きな作品です。

80日間で世界を一周できるかどうかを友人と賭けた主人公フォッグが、執事と二人で世界一周の旅に出る、というストーリー。フォッグは全財産をかけて世界を一周するのだが、映画の方は原作にはない気球も使っている。

観光映画とも言えるかな。

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****** おはなし ******
1872年、主人公フィリアス・フォッグはクラブの友人らとホイストの最中、友人の「3か月で世界一周できる」との言葉に「いや80日間でできる」と言い出し、できるできないの議論を経て、20,000ポンドを賭けて80日間で世界一周するべく、執事のパスパルトゥと共に旅に出る、という話。フォッグが旅立つ直前におこった銀行強盗の首謀者がフォッグであると睨んだ刑事フィックスが、旅の間中執拗に張り付いて邪魔をしてきたりもする。

英国ロンドンをでてまずはパリへ行き、そこから気球でうっかりスペインへ、高速艇に乗り換えて南仏へ、船でスエズ運河を通ってインドのボンベイへ、そこからインド横断鉄道で香港へ向かうが線路が途中までしかなくて象に乗り換え、インドのお姫様を悪習から救って一緒に香港へ、船で横浜を経てサンフランシスコに到着、鉄道でアメリカを横断する最中にひょんなことから決闘を受ける事になり、インディアンにさらわれたパスパルトゥを救出し、トロッコでNYへ向かい、船でロンドンへ戻ろうとするが船に乗れず、仕方なく間に合わせの蒸気船で大西洋を渡るが燃料が足りなくなり、船にあるあらゆる木材を燃やしてなんとかリバプールへ到着、約束の時間に間に合うと思われたのだが、フォッグが逮捕されてしまい、ロンドンへ到着したときは約束の時間を過ぎていた。
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物語もさることながら、なんといっても主人公フィリアス・フォッグとその執事パスパルトゥのキャラクター設定が魅力的。

フォッグは40代の独身主義の男で、寡黙で人嫌い、親戚もなければ妻も友人もなく、莫大な財産を持っているようだが仕事をしている様子はなく、その富がどこから来たものなのか誰も知らず、時計のように正確に行動し、極めて冷静沈着で鉄の意志を持った謎のような男。

とにかく自分が決めたルーチン通りに物事を行っていくため、あまりの厳格さに半年で5人もの執事がやめていくほど。冒頭のセリフを言った執事に「あの方はオニです」とまで言われていた。

実際、映画に登場したフォッグはのっけから几帳面。クラブに入る直前に足を止めて懐中時計を取り出し、街の時計台に目をやって、時報が鳴るのと同時にクラブに入っていくという正確さ。時計があっているかを確認するというよりも、自分に時計と時報が合っているかを確認しているんだと思う。

自分の新聞を自分より前に誰かが読んだと目ざとく見つけ、「私に古新聞を読めというのかね」と言って新品と取り返させたり。クラブの仲間からは「家柄も仕事も不明、狩りも釣りも女遊びもしない」と言われ、唯一の趣味はホイスト(カードゲーム)。

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「どこへ行っても外国でも自分の習慣を変えない」と言われている英国人だが、フォッグはさらにその上を行っている。

船の中で船長が「暑いので昼は特別メニューのカレーにしましょう」と言って、乗客たちも「いいねいいね」と言っているのに、フォッグは「予定通りで頼む。私の木曜の昼食は常にホット・スープと舌平目にロースト・ビーフ、ポテトに糖蜜だ」とブレずに言って、周りはシーンとしてたww  どうやら曜日ごとに食事が決められているらしい。

それだけではない。甲板で書き物をしながらするお茶の時間も決まっているようで、嵐の中、誰もいない甲板で、飛ばないようにシルクハット(?)をスカーフであごに巻き付けてお茶をしていた。徹底してる。



フォッグは服装も一分の隙もなくビシーッと決まってる。ダンディというより「粋」な感じ。貴族的。

私の好きなマイケル・ケインも粋だけど、ケインは「やや不良がかった粋」で、このフォッグを演じたデヴィッド・ニーヴンは「貴族的な粋」という感じでちょと違う。

二人とも格好いいよねえ。いかにも歴史に王族や貴族を持つヨーロッパ人って感じで(この二人はイギリス人)。根っから民主主義のアメリカには絶対に出てこないタイプ。


常に冷静で感情が表に出ないタイプだけど、インドのお姫様がピンチとなれば即決で救いに行くし、パスパルトゥがインディアンにさらわれたとあれば先頭を切って駆けつけるし、侮辱されれば決闘には応じるし、ばっさばっさと札束を切って迷いとは無縁の決断力と行動力。常に先を見通す洞察力。凡人とはスケールが段違いに違う。すてき。

最後は変人の自分を愛してくれる、ぴったりの女性がみつかってよかった。

相手のシャーリー・マクレーンは可愛いけど、インド人にはまるで見えなかったけどね(笑) ただインド風のメイクをしたシャーリー・マクレーンだった。そしてなんの見せ場もないという、ただいるだけの役w 映画デビューしたばかりだからしょうがないか。

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そんなフォッグに付き従うのが執事のパスパルトゥ。

彼は冒頭に引用したセリフを言って辞める執事の話を聞いたうえで立候補して、フォッグに雇われている。

パスパルトゥも、数々の職歴を誇るちょっとしたスーパーマンみたいに使える男。

発明されたばかりの自転車に乗って颯爽と登場し、気球のバルブが調子悪いとなれば上空であっても気球の上にのぼって直そうとするし、フラメンコは踊るわ、闘牛士デビューするわ、ダチョウにも器用に乗るし、異国日本ではぐれてひとりぼっちになった横浜では曲芸師のアルバイトをするし、言葉も達者でスペイン語もペラペラだし。

「昨日」雇われたばかりなのに極めて主人思いで、ご主人様のためなら何でもするが、失敗もしてしまうのが可愛い。

女に目がないのが弱点で、目の前を女性が通るだけでふらーっと付いて行っちゃうところが玉に瑕。だけど常に旦那様のために行動しようとしていて、すごくチャーミング。パスパルトゥー大好き。

無敵のコンビです。

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この映画は、「スターを探せ!」と言われただけあって、当時のスターがチョイ役で大勢出ていることでも有名。この映画以降、いわゆる「カメオ出演」という手法が一般的になりました。

みんなどのくらい分かった? 私はたいしてわからなかった。

最初の方のパリで、「舞踏会の手帖(1937)」でファビアン役をやっていたフランスの俳優フェルナンデルがでてたでしょう。
あと舞台がアメリカに移ってから、酒場の女にマレーネ・ディートリッヒ。「いるー」って感じで出てて、見過ごしようがない。
同じくレッド・スケルトン。
同じくフランク・シナトラ。こっちも「映るよ映るよ、あーやっと映った」みたいに、じらしてからのアップ!みたいな。
そして大陸横断鉄道の車掌にバスター・キートン。
それくらい。
顔は見たことあるけど誰だっけなー、なにで見たんだっけー、って感じで、やっぱり相当有名じゃないと分からなかった。

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パスパルトゥはこれ

でも大丈夫。この映画はエンディングが答え合わせみたいになっていて、イラストで映画の場面を振り返りながら、どこに誰がどんな役で出ていたかが分かるようになってる。

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フォッグはこれ 時計にシルクハット

しかもそのエンディングのタイトル・デザインが、あのソール・バスなのでした。わー、ぱちぱちぱち。

このブログでは今のところ「バニ・レークは行方不明(1965)」だけがソール・バスのタイトル・デザイン。

紙を破るとタイトルとかクレジットがでてくるオープニングが印象的。

 

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いつかこのブログで「ソール・バス特集」をするのが目標のひとつです。そのためにもたくさん映画を観て、ソール・バス探しをしなくっちゃ。

じゃねー。

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Victor Young 映画「80日間世界一周」 Around the world



 


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