題名 カジノロワイヤル
監督 ジョン・ヒューストン、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョセフ・マクグラス、ヴァル・ゲスト
制作 チャールズ・K・フェルドマン
脚本 ウォルフ・マンキウィッツ、ジョン・ロウ、マイケル・セイヤーズ
原作 イアン・フレミング 「カジノ・ロワイヤル」1953年
出演 デヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズ、ウディ・アレン、ウルスラ・アンドレス、デボラ・カー、ジャクリーン・ビセット、オーソン・ウェルズ
音楽 バート・バカラック
上映時間 131分
制作年 1967年
制作国 イギリス
ジャンル アクション、スパイ、コメディ、パロディ、おバカ
はははー(笑)、この映画大好き。大好きな映画だけど、どんなストーリーなのか全然わからん(笑) わからなくても楽しい、いや楽しいからこそストーリーなんかそっちのけになってしまう尊いおバカ映画の傑作。終始ニヤニヤしながら楽しめる。
そして美女が猛烈に出てくる。若いのから年増まで、はてはエキストラに至るまで、ぜーんいん美女。壁の花みたいなチラッと映るだけの女性でもみーんな美人。隅々まで美人。今までにこれほどまでに全員美人を集めた映画があっただろうかw
オースティン・パワーズ・シリーズに多大な影響を与えているから、あれが好きな人は絶対見た方がいい。最大の違いは、オースティン・パワーズは「お下劣」だけど、こっちは「お下劣じゃない」ところ。私はあんまり下ネタって好きじゃないから、個人的にはこっちの方がはるかに好き。
じゃあどんな話だったけ、ということで一生懸命考えてみる。
たぶん、なんか悪の組織みたいなのが暗躍していて、世界中のスパイが次々と行方不明になる事態が起きているのに各国の情報機関は手に負えなくて頭を抱えている。そこで今はすでに引退した伝説のスパイ、ジェームズ・ボンドに復帰してもらおうと、ボンドのところに英米仏露の情報機関のTOPがお願いにやってくる。
でもボンドに断られちゃう。おまけにそこを悪の組織に襲われて、Mは「人体の一部かは意見が分かれる部分」を残して死んでしまう。
それで結局復帰することになったボンドは、自分が直接出向くのではなくて、自分の代わりに大勢の情報部員全員に「ジェームズ・ボンド」を名乗らせて悪と戦わせることにする。
代わりのジェームズ・ボンドたちや、ボンドとマタ・ハリの娘の「マタ・ボンド」らが調査を開始。謎の組織スメルシとその幹部ル・シフルとカジノでバカラ対決をしたりしながら、悪の組織の親玉「ドクター・ノア」の正体とその動機を突き止めるが、その動機はバカバカしいものだった。
・・・こんな感じかな。
でも、はっきり言ってストーリーなんてどうでもよくて、ただただナンセンスな馬鹿馬鹿しさと、豪華な俳優陣のおバカ演技、スタイリッシュなファッションや映像を見ているだけで十分。ちょっとお酒入ってるともっと楽しいかも。
とにかく出演俳優が豪華すぎる。以下、各俳優の出演映画はこのブログで取り上げた作品名を優先しています。ご了承ください。
主演のジェームズ・ボンドには「80日間世界一周(1956)」のデヴィッド・ニーヴン。今作でも粋でダンディ、そしてかわいい。
もう一人のジェームズ・ボンドには「喰いついたら放すな(1960)」のピーター・セラーズ。ほんとに同じ人?っていうくらい別人に見える。あっちは悪人面のオッサンで、こっちは結構ハンサム。
悪の組織スメルシの幹部ル・シフル役には「第三の男(1949)」の怪優にして ”伝説いっぱい” オーソン・ウェルズ。
Mの妻で年増のミミ/マクタリ夫人役には「キング・ソロモン(1950)」でヒロイン、エリザベスを演じたデボラ・カー。年増になってもすごい美人なのに、真面目な顔しておバカな演技をたくさん見せてくれます。オスカーに何度もノミネートされてる大女優なのに・・・ありがとう。ますます好きになりました。
他にも、ジェームズ・ボンドの中のひとりにNY派名監督のウッディ・アレン、ジェームズ・ディーンとデートしてたことで有名な(わたしはあんま好きじゃない)ウルスラ・アンドレス、名作にいっぱい出ているウィリアム・ホールデン。
ウッディ・アレンてかわいいよね。今作では「ささいなことですぐに死んでしまう」役をやっていた。死ぬのに慣れてそうw
すごい超チョイ役で、私も大好きジャン=ポール・ベルモンド、私が世界一かつ歴代一美しい女性だと思っている「大空港(1970)」ジャクリーン・ビセット(”ミスふともも”役)、名優ピーター・オトゥールなんかが出ています。
そして数々の名作をモノにしていて、今作の監督であらせられるオスカー監督ジョン・ヒューストンがM役で出てます(笑) とぼけた顔して、ほんと笑わせる。俳優としてもバツグン(実際俳優としてもオスカーをとっている)。
そもそも今作は、イアン・フレミング原作の小説版ジェームズ・ボンド・シリーズの第一作目で、映画化権を押さえたのはいいけどなかなか映画化に漕ぎつけないうちに、今となっては主流になったイオン・プロ制作、ショーン・コネリーから始まる007シリーズが始まってしまうという、そういう経緯のなかパロディとして制作されたらしい。
いいよ。よかったよ。私は本家よりもこっちの方が断然好みです。
わたし本家ニガテなの。なんか男臭すぎて、いまひとつ興味が持てないの。本家は「強い男とおもちゃの女」というイメージで、男の少女マンガって感じがする。わかってもらえるかなあ。男のファンタジー、男が男らしくて見てる男がうっとり、みたいな。私は典型的な少女マンガも全然好きじゃないし。
こっちはそういう思想とか美学的なことは全然ない。頭を空っぽにして、にやにや楽しめる良作です。
見てほしいなあ。必見なんだけどなあ。