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古い映画を中心に、本、仕事・・・etc. 驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「雨に唄えば(1952)」 ~ジーン・ケリーを見てるとほんと元気になる(笑)~

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のっけから笑わせてくれる、MGMミュージカルの名作コメディ。映画がサイレントからトーキーへと移り変わるはざまの騒動を描いた作品というだけでも期待できるが、その上ジーン・ケーリーやジーン・ヘイゲン、ドナルド・オコナーら芸達者な出演陣が、畳み掛けるように笑わせてくる。

主題歌「雨に唄えば」も有名、ジーン・ケリーが雨の中、傘を差して唄いながら踊るシーンも有名。ハリウッド・ミュージカルといえば「これ」的な、あまりにも有名すぎる名作。

恋をするってこういう気持になることなんだなって思う(このシーン自体が好きかと言われれば、実はそうでもないんだけどw)。


Singin' in the Rain (雨に唄えば , Singin' in the Rain Theme song)


****** あらすじ ******
時は、サイレント映画時代のハリウッド。ドンとリナは世紀のカップル的にもてはやされる大スターで、特にドンの周りにはいつもファンが群がり、気絶する女の子もいるほどの人気ぶり。10作もの映画でコンビを組んでいる人気女優のリナとは結婚が噂される公認のカップルだけど、実際は事実無根、話題作りにスタジオが噂を流しているだけだった。なのにどういうわけかリナはゴシップ誌に載っている記事を信じ込み、自分たちは婚約する熱い仲だと思い込んでいる。

そんななか偶然出会った売れない女優キャシーに、「あなたの映画なんて1本みたらあとは全部同じよ。それに役者は実際に喋らなきゃ。サイレントなんて大げさな身振り手振りだけで、役者とは言えないわ」とボロクソに言われたドンは、そんな彼女が気になって仕方がない。

いよいよドンの主演作にもトーキーの波が押し寄せてくる。しかし慣れないトーキーに制作は難航。その上相棒のリナは、育ちが悪く教養のないしゃべり方で、しかも声は素っ頓狂、とても映画でしゃべれる代物ではないのだ。しかも鈍感な彼女は、自分のしゃべりが映画スター向きではない自覚がまったくない。そして迎えた試写会は、あまりの出来の悪さに笑いが起こるほど惨憺たる結果だった。

頭を抱えたドンらは、キャシーにリナの声のアテレコをさせることを思いつく。
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リナじゃないけど、実際に当時この映画ばりにトーキーの波に乗れずに消えていったスターが沢山いたらしい。

たとえどんなに声が悪かろうと、田舎っぺ丸出しでなまりがきつかろうと、サイレント映画なら声が収録されないから顔さえ良ければなんとかなる。ファンはみんな、自分の都合の良いように、好みの声を勝手にあててくれる。小説や漫画みたいなもんだ。

ところがトーキーになると、声の良さやしゃべり方だけででなく、演技力までがばれてしまいますからね・・・現在もITだのAIだのと、大きな変化の波に洗われている私たちも他人事じゃない。時代の変化は残酷です。

とはいえ、本作は別にそういう時代の変化を生真面目一本、重たく描く歴史ドラマではぜんぜんない。ジーン・ケリーらしい、明るく楽しいミュージカル・コメディに仕上がっている。映画制作の舞台裏をみせながら時代の変わり目を軽快に見せてくれる。

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で、そういった設定やストーリーも面白いんだけど、とにかくなにが面白いって、まずジーン・ケリー自体が面白い。登場した途端に笑わせにくる。もう漫画ですよ、彼は。

映画開始早々、ドンとリナの新作映画のプレミアがおこなわれてるけど、そのレッドカーペットに現れるスターたちから爆笑できる。絶対バカにしてるよね。大げさに笑顔を振りまいて歩くスターとか、自意識過剰のミステリアス演出やりすぎの、意識高すぎ系スターとか。「でもいるよね、こういうスター。っていうかスターってこういう人たちだよね」っていうデフォルメが面白い。

そこへ満を持して登場するジーン・ケリーがまた輪をかけてわざとらしい(笑)  インタビュー中、これ見よがしに「ニカッ」と笑ってカメラ目線になり、真面目な話はまたわざとらしく真面目な顔でカメラ目線になり、すぐさま観客に笑顔をふりまくといった塩梅。くるくる表情がかわって、営業感丸出し。わたし好きだなー。

ジーン・ケリーのいいところは、こういうおバカなことを嬉々と楽しそーにやるところ。そこがミュージカル・スターの双璧をなすフレッド・アステアとは全く違う(私はもちろんどっちも好き)。

私は演じていない時のトム・クルーズをみると「なんか現代のジーン・ケリーみたいだなあ」と思うのだが、トムは自分のことを劇画的にはとらえてないと思うんだよね。二枚目だから。で、素で変な人に、変なスターになっちゃってる。

でもジーン・ケリーは違う。自分で自分をカリカチュアライズしてると思う。すべてわかってて、計算でやってると思う。なんかすごくクレバーな感じがする(本当の意味で素のジーン・ケリーを見てみたい、と思っている)。

歌って踊る松岡修三。人を楽しませたくって仕方ないんだろうなあ。すごいなあ。好きだなあ。

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他の共演者も。

この映画は友人役のドナルド・オコナーも見どころ。
序盤過ぎに彼ひとりで見せ場がたっぷりあるんだけど、そのマンガチックな動きもさることながら、顔が・・・顔が・・・っていうか鼻が曲がるんですよ! あんなことある? 後半の顔芸もすごいのよ。「雨に唄えば」の「顔の人」として、見たら一生忘れないと思う。


そして素っ頓狂なリナを演じたジーン・ヘイゲンが面白すぎる。彼女ぜんぜん美人じゃないし、この役ほんとバカなんだけど、見てるとだんだん愛おしく思えてくる。そしてリナが心配すぎるw 

とはいえ実際のジーン・ヘイゲンは全然素っ頓狂な声でもなんでもなくて、わずかなシーンだけどちゃんと地声も披露してる。ドンとリナが撮影している劇中映画「闘う騎士」がミュージカル化して「歌う騎士」になってからの試写会で、少しだけリナが台詞を喋るシーンがあって、そこは彼女の地声。

ジーン・ヘイゲンはこの映画でアカデミー助演女優賞にノミネートされてる。
サイコー。

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題名 雨に唄えば
監督 ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
制作 アーサー・フリード
出演 ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナー、ジーン・ヘイゲン
上映時間 103分
制作年 1952年
制作会社 MGM
制作国 アメリカ
ジャンル ミュージカル、コメディ、映画音楽、50's