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古い映画を中心に、本、仕事・・・etc. 驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「タワーリング・インフェルノ(1974)」~パニック映画の超有名大ヒット作~

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題名 タワーリング・インフェルノ
監督 ジョン・ギラーミン
制作 アーウィン・アレン
出演 スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、フレッド・アステア、フェイ・ダナウェイ、ロバート・ヴォーン、O・J・シンプソン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
上映時間 165分
制作年 1974年
制作会社 ワーナー・ブラザース/20世紀フォックス 共同制作
制作国 アメリカ
ジャンル パニック、オールスター

「今は神に祈るのみだ。惨事を繰り返さんように」

 ビルのオーナー、ダンカンの台詞

 

・・・神に祈ってんじゃないよ。あんたが利益優先で建築費をケチったからでしょ。反省するとこだよー。


超高層ビルで大火災が起こり、高層階に閉じ込められた人々と、消火に挑むビル責任者や消防士の奮闘を描く大ヒット作。70年代のパニック映画ブームのけん引役を担った作品で、制作費の十倍くらいの金額を世界中で稼ぎだし、経営が傾いていた20世紀フォックスを立て直しちゃったくらいヒットした。パニック映画といえば『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』か『タワーリング・インフェルノ(1974)』か、というくらいの超有名作品。

CGがどうのこうのという時代ではもちろんないから、もちろん実写。超高層ビルの火災シーンは30mの巨大ミニチュアを建てて撮影したらしい。

「巨大ミニチュア」ってなんかヘン(笑)巨大なのかミニチュアなのか、どっちなんだ。でも実際、形容矛盾では全然なくて、550m138階建ての超高層ビルというのがこの映画の設定で、30mのミニチュアを作って撮影したということなので「巨大ミニチュア」で合ってる。

しかし550mってすごい。「東京スカイツリー」が634mだからそれよりはだいぶ低いけど、映画公開当時、日本で一番高かった建物が「新宿三井ビル」で225m55階建て、次が「新宿住友ビル」で210m52階建て、そして「新宿京王プラザホテル」が178m47階建て。2倍から3倍ある。

私は20代のころ、新宿京王プラザホテルで配膳会のアルバイトをしていて、三井ビルへも派遣されていたから、京プラの高層階の宴会場とか、三井ビルの54階にある三井クラブで結構働いてる。

40階以上は風が強いと揺れるんですよ! ゆーらゆーらと! 動いていると分からないけど、クロークとかで座っていると分かるんですよ! 本物の地震がきても分かんないんじゃないかな(幸いその頃は大きな地震もなく、大丈夫だった)。

その3倍の高さでしょう。その後、NYの貿易センタービル崩壊(ひきこもっていた頃だから、TVでライブでおののきながらずっと見てた)や、東日本大震災(45階建ての2階で働いていた)を経た現在となっては、そんなとこで働いたり、住んだりしたくない。怖いし、昇りたくないし、下りたくない。

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とにかくそんな超高層ビルの、最上階の138階で、「パアティ」をするんですって。ビルが完成したから。偉い人とか有名人とかが沢山来て、お祝いです。

そんなお披露目の大事な日にボヤ騒ぎが起きて、このビルを設計した主人公のダグは、自分は「高級な配線」を指示してたのに、実際は建築許可ギリギリの安い配線が使われていたことに気がついてしまう。ピンハネですよ。社長と義理の息子(社長の娘の旦那)が、経費を浮かせて ”ぽっぽ” に入れていた、と。

”ぽっぽ” って分かりますか? ふところの事です(昨日、割と若い人が読んでくれていることに気づいたので説明してみました)。

激怒したダグは「火災が起きたらどうするんだ!」って社長に詰め寄るけど、「大丈夫だよ。そんなことにはならないさ」って社長は聞き入れず、そのまま最上階でパーティが行われてしまう。誰も気がつかないでいたけど、その頃にはもう81階で本格的な火災が起きていた。

でも配線だけでなく、監視システム自体が働いていないし、消防署への自動通報システムも作動していない。スプリンクラーすら動かない始末。

気づいた時にはもう手遅れ。81階から上は刻々と火の手がまわり、徐々に徐々に最上階へ向けて昇っていく。

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その後は、迫力のある火災シーン、バックドラフトの連続、あちらこちらで逃げ損ねる人々、火だるまのスタントマン、窓から落ちる人々、大ヒットの必須アイテムと言わんばかりの猫と子供の登場、活躍する主人公ダグ、消防士たちの奮闘、愚かで傲慢なヤツには罰もくだる、という、息もつかせぬ展開。

3時間弱ある長めの映画だけど、昔の(50年代とかね)のハリウッド映画みたいなインターミッションももちろん無しで、一気に突っ走ります。迫力の映像と説得力のある演出で、グイグイ引き込んで全く飽きずに一気に見られる(絶対)。

私、CGってあんま好きじゃない。やっぱり、やっぱ結局 ”絵” だもん。実物は違う。ラストの大量の水だって、本気で水を流してるんですよ。もちろんCGだって凄いんだけど、どんどん凄くなってるんだけど、良い映画も一杯あるし、技術的なことと物語やテーマは別だし、CG映画だって素晴らしい映画が沢山あるのは分かってる。分かってるけど、でもやっぱり本物使って撮影している映画も、大勢の若い人にたくさん見てもらいたい。だからこのブログは、アクセスが集まらないのは分かってるけど、でも ”80年代まで” って決めてる。90年代以降だって面白い映画はたくさんあるけど、でも ”80年代一杯” って決めてるんだ。

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閑話休題。

ちょっと熱くなっちゃったけど、元に戻って俳優陣のことも。

ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンという2大スターの共演も話題で、二人の出演時間を同じにしたという噂もあった(あくまでも噂です)。

それでそういう目でも見てみたが、映画開始からずっとポール・ニューマンが出ずっぱりで、40分経過くらいからスティーブ・マックイーンが登場してきて活躍し、しばらくポール・ニューマンの出番がなくて、最後の方でまたポール・ニューマンが活躍し始め、最後は二人が合流、みたいな流れだった。

出番の時間が同じくらいだったか・・・うーん。同じではなかったような。

さすがに計ってみたりはしていないのだが、印象ではポール・ニューマンの方に分があったかな。アクション・シーンが多かったし、フェイ・ダナウェイとのラブ・シーンもあったし、子供を助けたり、ビルの設計者として責任感とリーダーシップを発揮するという人間性も描かれていたし、人物像が立体的に描かれていた。

スティーブ・マックイーンの方は消防士役でしかないから、それ以外のプライベートな表情はゼロ。職業的に義務を果たす社会人の側面しかなくて、分が悪かった。

ポール・ニューマンは「俳優」だけど、スティーブ・マックイーンはやっぱり「アクション俳優」の側面が強いから、それがそのまま役柄の難しさにスライドしてる印象だった。ポール・ニューマンは俳優だから色々な演技ができる役を、スティーブ・マックイーンはアクション俳優だから演じやすい一面的な役を、っていう感じ(で、アクション自体は控えめに、と)。

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あと配役で面白かったのは、年相応のカップルばかりが出てくる点。

別の記事で2回くらいかな、揶揄してるんだけど、昔の50年代とか60年代とかのハリウッド映画って、熟年(初老くらい)の男と若い女のカップルって、すごく多いんですよ。55歳と25歳みたいな。それを私は「男のファンタジー」って呼んで、内心ちょっとバカにしてるんだけど(昔の男の人をね)、この作品はその要素がゼロだった。

ポール・ニューマンの妻が出てくるんだけど、この妻の登場の仕方がすごく勿体つけていて、椅子に座って向こう側を向いていて顔が見えないの。ポール・ニューマンが帽子をとってあげると彼女が立ち上がって、やっとお顔が拝めるんだけど、それがフェイ・ダナウェイなの!

「うわー、若い女だったらどうしよう。キター!年の差ファンタジー!って思っちゃうよw」って思ったら、フェイ・ダナウェイだった(別にこの映画を今回初めて見た訳じゃあ全然ないけど、ほんとに忘れちゃうのね)。

実際の年齢は49歳くらいと33歳くらい。年の差と言えば年の差なんだけど、見ればわかるけどフェイ・ダナウエイって渋いのね。大人。悪く言えば老けてる。だから見た目そんなに年の差があるなんて、絵面では全く思わない(はず)。49歳と43歳くらいには見える(はず)。だから熟年カップルに見えて安心感があってよかった。


他にも、あのフレッド・アステアが割と大きな役で出てくるけど、こちらも熟年カップルだった。御年75歳と55歳くらい。まあ年の差だけど、この年齢だと大人同士だから「男のファンタジー」ではないでしょ。

アステアの演技力は・・・まあ、うん、こんなもんでしょ。大丈夫、いいのよ、ミュージカル・スターなんだし。アカデミー助演男優賞にノミネートされたらしいけど、それはご祝儀だと思う。

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もう一つ特記しておきたいのは、最初にも書いた通り、パニック映画といえば『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』か『タワーリング・インフェルノ(1974)』かという双璧なのだけど、この両方をプロデュースしたのが、アーウィン・アレンというお方。

アーウィン・アレンは、『原子力潜水艦シービュー号』とか『宇宙家族ロビンソン』とか『タイムトンネル』とか、60年代の超有名SFテレビドラマ・シリーズを手掛けた、SF界ではものすごく有名なお方で、映画の『失われた世界(1960)』とか『地球の危機(1961)』などでは監督も務めている。

ちなみに『地球の危機』は当ブログですでに紹介済み。

 

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監督としての才能は私には良く分からないけど、プロデューサーとしてはすごい実績の数々。近々『失われた世界』も『ポセイドン・アドベンチャー』も紹介したいと思ってる。

じゃねー。

あ、ちなみにパニック映画ブームの直前に作られた『大空港(1970)』は、ブームのはしりとも言える作品。『タワーリング・インフェルノ』や『ポセイドン・アドベンチャー』と比べるとやや地味だけど、しっかり脚本が練られた佳作なので、よかったらぜひ(訳あってテキストしかないけどご了承ください)。
 

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じゃねー。


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