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【映画】「スーパーマンⅡ 冒険編(1980)」 クラーク、割と軽い男だったことが発覚


おすすめ度 ★★★

題名 スーパーマンⅡ 冒険編(Superman II)
監督 リチャード・レスター
脚本 マリオ・プーゾほか
原案 マリオ・プーゾ
出演 クリストファー・リーヴ、ジーン・ハックマン、テレンス・トランプ、マーゴット・キダー
音楽 ジョン・ウィリアムズ(テーマ曲)
上映時間 127分
制作年 1980年
制作国 アメリカ
ジャンル アメコミ、ヒーロー

※邦題が、Wikipediaだと「冒険篇」ってなっていますが、DVDのパッケージは「冒険編」になっていました。なのでここではパッケージに倣って「冒険編」にしています。



今作を一言で言うと、ネタが盛りだくさんの楽しい展開。

まず映画冒頭に、第一作目のおさらい的な映像がオープニング・クレジット中に流れるという親切設計。「あー、そうそう、そうだった」と思いだせる観客に優しいオープニング。私のような記憶喪失者にはありがたい。

そして始まるパート2の見所は、クラーク・ケントが自分をスーパーならしめている能力を「ボクは愛に生きる!」と言って意外とあっさり放棄して、母ちゃんを「え、あなたマジで? 困惑~」みたいに驚かせていたことと、そのお相手ロイス・レインとラブラブしちゃうところ。

さらにコミック版で見られる様々な、漫画ならではのスーパー能力を披露してくれるところ。

その上宿敵レックス・ルーサーのみならず、前作で追放されていたゾッド将軍までもがお目見えするし、クラークが街中で人々の前で「ガバア!」と服を脱いでしまうシーンも見られて、スーパーマン・ファンならかなり楽しめる作品です。
 
 

あらすじ

スーパーマンことクラーク・ケント(カル=エル)はクリプトン星のクリプトン星人。地球で大人になったクラークは、相変わらずデイリー・プラネット社で冴えない新聞記者を演じつつ世界を救う二重生活をおこなっていた。

そんなある日、テロリストが水爆を自作し、パリのエッフェル塔に立てこもってしまう。クラークが一途に思いを寄せる同僚で、ピューリッツァ賞を狙う女性ジャーナリスト、ロイス・レインはコンコルドでパリへ飛び、エッフェル塔のエレベーターにつかまって現場に潜入。慌てたクラークはロイスを救うためにスーパーマンになってパリへ急行、テロリストから水爆を奪い宇宙空間へ捨て去る。

ところがその水爆の爆発が、かつてクリプトン星を征服しようと企んでクラークの父であるジョー=エルに宇宙に封印されていたゾッド将軍を解放してしまう。突如宇宙空間に投げ出されたゾッド将軍らは、そばにあった月にいる宇宙飛行士たちを襲ってひと暴れ。自分たちに不思議な超人的能力が備わっていることに気づき、それが太陽から得たパワーであることを直感する。それならば目の前にある地球を征服しようじゃないかと、早速アメリカに向かって大暴れを開始する。

一方、前回スーパーマンに捕まり服役していたレックス・ルーサーは刑務所から脱走。スーパーマンへの復讐を誓うレックスは、北へ向かいスーパーマンの基地を発見してスーパーマンの正体を知る。

スーパーマンと同等の能力を持つゾッド将軍に取り入ったレックスは、自分が知った情報と引き換えにオーストラリアの支配権を要求。そしてゾッド将軍と誘拐したロイス・レインを連れて、北極にあるスーパーマンの基地に行く。そこでゾッド将軍は、レックスの言うスーパーマンが自分を破滅させた宿敵ジョー=エルの息子であることを知り、復讐を決意する。

そんな悪の計画が着々と進められていた最中、肝心のクラークはロイスと共に新婚夫婦を装い、ぼったくりホテルの潜入取材をおこなっていた。そこでひょんなことから自分がスーパーマンであることがロイスにばれてしまう。知られるべきではないけれど、でも本当は知られたいクラークはすべてをロイスに打ち明け、北極の基地へ連れて行く。そこでホログラムの母ラーラ=エルに「スーパー能力を捨てて地球人としてロイスと生きるか、ロイスをあきらめスーパーマンとして生きるか」の二択を迫られ、スーパーマンとしてのあらゆる能力を放棄し、ロイスと生きることを選択する。

すべての超人的能力を失ったクラークにゾッド将軍が襲い掛かる。危うしクラーク。危うしスーパーマン。
 
 

クラーク・ケントが意外と軽かった

しかしそれにしても驚いたのは、クラーク・ケントが割とライト感覚でスーパーマンをやっていたことが発覚した事w

あまりにもあっさりと、ロイスに「うん、そうなんだ。ずっと黙ってたけど実はね」的に自分がスーパーマンであることを告白し、北極の秘密基地にまで連れて行き、散々イチャイチャしたあげくに、迷うことなく「ぼく一般人になってロイスと幸せになります!」と母親に告げてた。その軽さは「アイドル歌手かよ!」とこっちがキョドるほど。


え、え、い、いいの? なんかすごく簡単に決めちゃってるような気がするけど大丈夫?

だって地球は? なんか随分親身になって人類の平和の為に頑張ってくれてたと思ってたけど、そんなにあっさりやめちゃうの? あ、いや、いいよ、いいのよ、OKだよ。幸福を追求する権利は万人にあるんだから。でもさ、なんかずいぶん自主的に、しかも熱心にやってくれてたみたいに思ってたから、わたし勝手に期待しちゃってた。

いや、決めたんならいいんだよ、私もともとウルトラマンよりゴレンジャー派だから。ほらウルトラマンって宇宙人でしょう。なんかひっかかってたの。地球の事なのにさ、宇宙人に守ってもらうって、他力本願過ぎる気がして。その点ゴレンジャーは地球人だから。

だから内心、クリプトン星人に「正義よろしく」なんて丸投げするなんて良くないなってちょっと思ってたから、私の方は大丈夫。

それより心配だよー。これから普通の人になって生きていって、近所で強盗とかあって誰かが困ってても罪悪感とか湧かない? 「ああボクが個人的な愛を優先したばっかりに・・・ごめんなさい!」みたいな気持ちになって精神を病まない? 大丈夫?

宿命からは逃げられないんじゃないかなって思うんだけど・・・。なんか心配だなあ。


・・・と思ったら割とあっという間に考え直したみたいで、すぐ元に戻ってた(笑) 親の期待をも裏切る一大決断だった割には意外とすぐ変節するのね。

クラークったら、割と臨機応変というか融通が利くというか、柔軟性が高い。
 
 

父君、ジョー=エルまでもが無責任だった

そうそう、そういえばクラークのお父さまジョー=エルのお姿がなかったけれど、どうしちゃったのかしら。

スーパーマンが北極の基地にロイスを連れて行って、今後の方針みたいなことをホログラム映像に相談したとき、なぜか父ちゃんのジョー=エルではなく、母ちゃんのラーラ=エルが出てきていた。

第一作目ではあんなに圧のある「どアップの連続」で存在感ありまくりだったのに、今回は「嫁に任せる」みたいなのはどういう心境の変化だろう。教育方針が変わったのかしら。


メタ発言をしてしまえば、ジョー=エルの中身のお方(マーロン・ブランドですが)が、第一作目では「出演を熱望してノリノリだった」みたいなことがWikipediaに書いてあったけど、後続の作品にはお出になってないみたい。

まさか・・・飽きちゃったんじゃないでしょうね!  (*´Д`)アリソー
 
👇 20歳くらい若いけどマーロン・ブランド

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By None visible/Paramount Pictures - Publicity photo for the film One-Eyed Jacks (1961), Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=109203184



でもまあそのおかげでスーパーマンも再度思い直してくれたのかもしれない。

だって「やっぱり気が変わりましたあ!」とか言って基地に戻って行って、速攻で元通りになったところを見ると、ママは許してくれたんだね。よかったよー、やさしいママで。これがもしパパだったら・・・ああ怖い。

「バカモン!! お前はクリプトンの最後の生き残りなのに地球人としての人生を選んだんだぞ! コロコロとやっぱり気が変わりましたーとか、そんな軽いもんではないわ!」とか言って怒られて、シリーズが終わってたかも。

そう考えればこれで良かったのかもしれないな。
 
 

レックス・ルーサーは今回もおバカだった

今回、超人的な悪役ゾッド将軍が出てきたおかげで(前回も出てたけど)、私の好きなレックス・ルーサーは割と脇役に。でも相変わらずいい味出してた。

今回もまだ西海岸に固執していた(笑)でも今回はアメリカ西海岸ではなく、オーストラリア大陸を丸ごといただこうとしていたところを見ると、どうしても海岸地帯が欲しいらしい。スキューバ・ダイビングでもしたいのかしら。そういえば前作では地下の秘密基地に大きなプールを作って泳いでいた。マリン・スポーツが趣味なのかな。

相も変わらずおバカぶりも発揮してくれていて、自分に輪をかけておバカな部下のオーティスとの掛け合いがとても楽しい。緊迫した状況で、「ふっ」と気を抜くすっとぼけた振る舞いはコメディの基本。今回も笑わせてくれました。

ジーン・ハックマンに限らないけど、演技がうまい俳優ってすごいと思う。怖い役をやればものすごく怖い演技をするのに、今回の役みたいな「世界征服を目論むような悪役だから怖くてもいいのに全然怖くない役」も上手い。ちゃんと悪役に見えるのにぜんぜん怖くない演技というのをちゃんとやってる。才能があるってすごい。
 
 

例のコミック的スーパー能力のこと

もう一つ、コミック版に出て来るらしい、数々のスーパー能力について。

少し調べたところによると、昔のコミック版では他にも、超高速で計測や計算を行う「スーパー数学」や、即席でウェディング・ドレスを織る「スーパー機織り(はたおり)」、手から小さいスーパーマンを出す「タイニースーパーマン」といった技もあったらしい。

実に興味深い。しかもネーミングもすてき。

今作ではその中から、キスで相手の記憶を消す「スーパー健忘キス」と、胸のSのシンボルマークを投げて敵を捕縛する「スーパーセロファン」が見られます。
 
👇 1940年の表紙

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By Joseph Shuster / DC Comics - dc.fandom.com, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=61391113
 

総じての感想

映画の出来は、第一作目と比較して倍くらい面白い映画になってた。だけど最後まで見てもどこが「冒険編」なのかちょっと分からなかったw 

まあ冒険と言えば、もちろん冒険なのだけど、それを言うならシリーズ全作品が冒険だと思うし、この第二作目が特に冒険な理由は分からなかった。

精神的な冒険かなあ。自分探しの内向する冒険みたいな。愛とはなんぞや的な。


そして最後は例の「スーパー健忘キス」でまるく収まるという結末。

第三作目にも期待大です!

 

 

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