エムログ

1999年までの映画しか取り上げないブログ

【映画】「スーパーマンⅢ 電子の要塞(1983)」見どころはクラークの浮気と、やさぐれるスーパーマン


おすすめ度 ★★★

題名 スーパーマンⅢ/電子の要塞
監督 リチャード・レスター
出演 クリストファー・リーヴ、リチャード・プライアー、アネット・オトゥール、マーゴット・キダー、ロバート・ヴォーン
上映時間 123分
制作年 1983年
制作国 アメリカ
ジャンル アメコミ、ヒーロー、コメディ



クリストファー・リーヴ版スーパーマン・シリーズの第3作目。

今回はⅠ、Ⅱとは打って変わって、クラーク以外のメンツが大分違くて、悪役も違えば、なんとヒロインも違う。

見どころはクラークがロイス以外の女にふらふらとしてしまい、なんと手作りダイヤモンドの指輪までくれてやるという展開と、自分同士で大喧嘩するところ。

クラークの人生の闇をうかがい知る事が出来る、深い作品となっています(おバカな所はちゃんとおバカです)。
 
 

あらすじ

36週間連続失業中のガス・ゴーマンは、とうとう失業保険を打ち切られてしまう。そこで情報処理スクールへ通うと、なんと自分に天才的なプログラマーの才能があったことに気づいてびっくり。その能力を生かして企業に就職する。しかしそこの給料が思ったよりはるかに少ないことに納得がいかなかったガスは、システムの穴を利用して、全職員から小銭をかき集めるコードを書くとそれがまんまと上手くいって大金をせしめる。

ところが早速、会社の社長ロス・ウェブスターに見抜かれ社長室へ呼び出されてしまう。大目玉をくらうと思いきや、なんとその才能が見込まれ、ロスの野望の片棒を担ぐよう任命される。手始めにコロンビアのコーヒーを手中に治めるべく人工衛星を制御し天候を操るミッションを引き受け、それが成功すると今度はスーパーマン唯一の弱点であるクリプトナイトを作り出すことを命じられる。ガスは今は亡きクリプトン星から放出されたクリプトナイトの成分を分析するが、0.57%が成分不明だったため、たまたま咥えていたタバコのタールで補うことにしてしまう。

そんなことが着々と進められているとは知らないクラークは、取材も兼ねて久しぶりに故郷スモールビルに戻っていた。そこで母校のパーティに参加して初恋の人ラナと再会し、いい感じに。さらに街を救った英雄として、スモールビルから表彰を受けていると、そこにガス・ゴーマンが乱入。スーパーマンに「タール入りクリプトナイト」をプレゼントすることに成功する。

「タール入りクリプトナイト」は肉体には影響を及ぼさないものの、徐々に精神をむしばんでいく。スーパーマンとしての使命に怠慢になり、すっかりヒーローの座から転落したクラークに、クラークの正義の心が立ちふさがる。激しい葛藤の末、正義の心を取り戻したスーパーマンはロス・ウェブスターが作り上げた要塞へ向かい、彼の野望を打ち砕く。

 

 
👆 ⅡとⅢのサントラ版(全世界3000枚限定なのだとか)

 

 

クラーク・ケントの女性関係が明らかに!

朗報! わたしの嫌いなマーゴット・キダー演ずるロイスがヒロインではなかった!

だから彼女をあまり見なくて済むのは良かったけど、私はロイス・レインが嫌いなわけではないし(別段好きでもないけど)、やっぱりクラーク・ケント(スーパーマン)の恋人役と言えばロイス・レインだから、ややフクザツな心境になった。


そんなことよりクラーク・・・いいの? 久しぶりに田舎に帰ったのはいいけど、それ浮気と違うの?

たまたま田舎に帰ったら初恋の人に会って、そしたらなんか向こうがやたらと自分に優しくしてくれるからついフラフラとした気持ちになってしまいました、・・・って感じじゃ、ないよね。なんか最初っから、自分から思いっきり口説く気満々に見えたけど。

これ浮気ですよね。

私の中ではクラーク・ケントといえば「オクテ」のイメージなんですよ。その正体はスーパーマンで、それはもうスーパーな活躍をするんだけど、そんなスーパー・ヒーローなくせにひたすら一途にロイスが好きで、なのにロイスはスーパーマンに夢中で、彼女はクラークがスーパーマンだとは知らないから恋愛対象として見てくれない。それでもロイスが好きで陰ながら見守っているという、そのギャップが好きなのにー ( `ー´)ノ ブーブー。


そういえばクラークって、どうしてロイスが好きなんだろう。その辺があんまり・・・。

たしか第一作目で、スーパーマンとしての自覚が芽生えていない頃のまだ田舎に住む高校生クラークが、力を発揮できないフラストレーションを解消するかのように列車と競争して勝って「わーい」って喜んでいるシーンで、その列車の窓から「あのお兄ちゃんすごーい」みたいになっているのが、まだ幼い少女のロイス・レインだったっていうくだりがあったから、ロイスがスーパーマンに憧れる気持ちは、分かる。

だけどクラークがロイスに執着する気持ちは分からないんだなあ。ただ同僚として出会って、一目惚れした程度でしょう。

ま、今作では別の女性にも関心を持つ、健康的な普通の男性の一面を見せるってことなのかもしれないけれど。
 
 

スーパーマンが2人になる不思議

しかし今回の映画の見どころは、決してクラークの浮気?ではなくて、もう一人の悪いスーパーマンが登場してしまうところ。

そもそも今作の題名はⅠ、ⅡときてⅢに、ではなくて「スーパーマンvsスーパーマン」になる予定で、番外編みたいな企画だったらしい。


スーパーマンの衣装も、いつもの水色+赤+黄色 という色使いが、ブラック・スーパーマンとでも言うか、悪いスーパーマンになってからは 濃紺+どす黒い赤+汚れた黄色 とかなりダークな暗い色合いになっている(こっちの方がカッコいい)。

でも結果的にはナンバリング作品になり、「電子の要塞」という副題ももらえたから、正典ということでいいのかな。


映画はかなりコメディ・タッチで始まるし、要所要所で笑わせようとしてくるが、全編を通して見てみれば結構シリアスなテーマが隠されている。

今回のスーパーマンは相変わらずのナイス・ガイぶりを発揮して登場するが、途中からガス・ゴーマンが用意した「クリプトナイトもどき」の影響を受けて、やさぐれて悪いスーパーマンになってしまう。

それが無精ひげなんか生やしてなかなかの顔つき。とはいえクレたスーパーマンがやっていることと言えば「ピサの斜塔をまっすぐにする」とか「オリンピックの聖火ランナーのトーチの火を吹き消す」とかで、割と中学生のいたずらレベル。

というかむしろ「何もしなくなっちゃったところ」が問題なのだ。事件が起こっても関心を見せず、無精ひげで目の下にクマなんかつくっちゃって、バーで酒を飲んだくれているというやさぐれ感。これはいけません。

どうした、スーパーマン。
 
 

グレるスーパーマン

万年さわやか青年でも、実は内面奥深くにはいろいろと葛藤があって、「クリプトナイトもどき」の影響で本心がでちゃったのかしら。「正義の味方なんてやってらんねえよ」的な。

ガスの「クリプトナイトもどき」に触れたスーパーマンは、すっかり目的を失ってしまったかのように、バーで酒を飲みながらピーナッツを指ではじいて酒瓶を割っている。

故郷の星がはじけ飛び、この宇宙に同族のクリプトン星人が誰もいなくなってしまった今となっては、「なんで俺、こんなよくわかんない地球とかいう知らない星の正義を守ってなくっちゃいけないわけ? 恋も出来ない、名乗り上げることも出来ない、しかも善良なナイスガイで登場しちゃったからおっぱいのおっきな女を口説くこともできないし、ふざけんじゃないよ」という感じかしら。

そして今作のヒロインであるラナの幼い息子リッキーの「どうしたのスーパーマン! きっと病気なんだよ。早くよくなって!」という無邪気な声を聞き、苦しみながら空を飛び、雄たけびを上げる。するとスーパーマンはまるでジキルとハイド的に人格が二つに分かれてしまって、スーパーマンの中から善の象徴であるクラーク・ケントが分裂して出てきて、二人は大ゲンカして、そしてクラークが勝つ。


第一作目の記事で私はスーパーマンの孤独に触れて、でも映画からはそういった孤独感は感じられないと書いたけど、この三作目でその孤独が一気に噴き出した感じ。考えてみれば第二作目でも、結構あっさりとスーパーマンとしての役割を降りて、自分の個人の幸せ(ロイスと一緒になること)を選択していた。

やっぱりスーパーマンの心の内には、シリーズを通して一貫した葛藤が渦巻いていたのかもしれないんだな(涙)。


そして自分を取り戻したスーパーマンは、ロス・ウェブスターをやっつけたあとでブラックだった時の自分がやったことの後始末として、ピサの斜塔をまた斜めにしに行って(笑)、いつものように宇宙を飛び回るのだ(感動)。

最後の笑顔がさわやかでステキだったよ。顔で笑って心で泣くっていうやつよね(クラークったらほんと泣ける)。
 
 

今回のクリストファー・リーヴは彼史上最高の演技だった

しかし毎度スーパーマンを演ずるクリストファー・リーヴだけれど、今回のやさぐれた役作りは良かった。

私はこの『スーパーマン・シリーズ』と、『ある日どこかで(1980)』『デストラップ 死の罠(1982)』しか見たことがないくせに「彼史上最高」とか言える立場ではないのだが、悪役も見てみたいなと思ったし、むしろ悪役の方が似合うんじゃないかと思った。

機会があったら他の作品も見てみたい。悪役、やってるかなあ(事故って役者としては短命だったから・・・)。
 
👇 クリストファー・リーヴ

f:id:msan1971:20211208222913j:plain

By Jbfrankel - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5731258
 
 

悪役が変わって、物足りなかった件

悪役のロバート・ヴォーンは、前作までのジーン・ハックマン(レックス・ルーサー)の存在感には足元にも及ばず。やっぱレックスでしょ。ロバート・ヴォーンは好きだけど、今回は分が悪かった。
 
👇 ロバート・ヴォーン

f:id:msan1971:20220209221324j:plain

By MGM-TV - Commons: File:Robert Vaughn David McCallum Man from UNCLE 1966.JPG, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=53229058


というのも、彼の会社のセットとか衣装とかがやたらとスタイリッシュになってしまっていて、それがロバート・ヴォーンの知的インテリジェントな雰囲気とマッチしていて、とにかくおしゃれなの。でもこれはスーパーマンだから、そんなにスタイリッシュじゃなくていいし、逆にそのスタイリッシュさが仇となって、破天荒さとかスケール感がなくなっちゃってる。

実際考えてることもせいぜい「市場を牛耳ろう」くらいでこじんまりとしてて、普通の悪人だった。それただのグローバル企業の社長じゃん。

その点レックス・ルーサーは、ファッションはおしゃれだけど考えてることがおバカだし、とかくインチキ臭い。そこが魅力で、なにかデカいことをやってくれそうなスケール感があった。例えば ”うっかり” 地球を破壊しちゃうとか。そこまでやると自分も死んじゃうからダメなんだけど、でもうっかりやっちゃいそうなのよ。

結局、今回の悪役はローバート・ヴォーンじゃなくて、ブラック・スーパーマンくんなのだということなんだろう。

自分の内面の悪と戦うという感じ。確かにそれが一番の強敵。
 
 

ロイス・レインの事と次回作の予想

今作ではちょっとだけ出てくるロイス・レインの髪型や化粧や服装なんかが、パートⅠ、パートⅡと比べるとかなり80年代風になっていて興味深かった。

でもほんとうに少し、冒頭とラストにちょっとだけしか出てこないから、マーゴット・キダーが好きでない私でさえ「もう少し見たかった(かも)」と思った。それくらいちょっとしか出てこなかった。
 
おまけに映画のラストでは、クラークの初恋の人ラナがデイリー・プラネットの編集長の秘書になっていて、しかも、クラークが石炭をぎゅっと握って作った超絶デカいダイヤの指輪をクラークからもらっていたことを知ったロイスが、「だいぶ面白くない」っていう嫉妬心むき出しの顔で映画は終わっていた。
 
こわい (*_*) 
 
パートⅣはどうなるのかしら。ドロドロの三角関係になんて・・・ならないよね。(*´з`)ヤメテネ

 

 

👇 Amazon Prime Video はこれ

スーパーマンⅢ 電子の要塞(字幕版)

スーパーマンⅢ 電子の要塞(字幕版)

  • クリストファー・リーヴ
Amazon

 

 

👇 Blu-ray はこちらから

 

 

【関連記事】スーパーマン・シリーズ

www.mlog1971.com

www.mlog1971.com

www.mlog1971.com