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【映画】「スーパーマンⅣ 最強の敵(1987)」 ひどく特撮がしょぼくなる


おすすめ度 ★★★★
 
題名 スーパーマンⅣ 最強の敵(Superman IV: The Quest for Peace)
監督 シドニー・J・フューリー
制作 メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス
脚本 ローレンス・コナー
出演 クリストファー・リーヴ、マーゴット・キダー、ジーン・ハックマン、マーク・ピロー
音楽 ジョン・ウィリアムズ(テーマ曲)
上映時間 93分
制作年 1987年
制作会社 キャノン・フィルムズ
制作国 アメリカ
ジャンル アメコミ、ヒーロー
 
 
どした、制作陣。

映画が始まってすぐ、スーパーマンがこっちに向かって飛んでくるシーンで早くも「ありゃ?」と思うこと請け合い。なんかバカに特撮がしょぼくなってるような・・・特撮と言っても「合成」で、光の当たり具合が不自然で偽物臭く見えるタイプのしょぼさだった。

背景が「背景でーす! 別々に撮影してマース!」って叫んでた。


どーしたの。Ⅰ~Ⅲまではそんなこと全くなくて、「この時代にしてはとても美しく自然でよくできてるなあ」と感心していたので、この落差に驚いた。Ⅰ~Ⅲまでは飛行中のスーパーマンの姿も、飛び立ったり着地したりする姿も自然だし、クリストファー・リーヴのスタイルの良さもあって、美しくて感動的でさえあった。

それがー、これはいったいどうしたことなの。(ノД`)・゜・。

でもおすすめ度は★4なのはなぜか。
 
 

あらすじ

スーパーマンことクラーク・ケントが働く新聞社「デイリー・プラネット」が、売れるためならなんでもやるタブロイド紙に買収されてオーナーが変わってしまう。どんどんゴシップ誌のようになっていく新聞に編集長やロイス・レインは怒り心頭で辞めるとまで言いだす始末。おまけにクラークは新オーナーの娘レイシーに惚れられるし、スーパーマンとしての任務もあるしで、クラークのまわりは相変わらず慌ただしい。
 
そんな中、冷戦が悪化し、せっかく核軍縮に乗り出していた世界は米ソの対立で一気に核戦争が現実味を帯びてくる。スーパーマンは国連で平和と核廃絶を訴え、世界中にある核爆弾を自分が確保し、太陽に向けて破棄する計画を発表。実行に移しはじめる。
 
一方、相変わらず服役中のレックス・ルーサーが甥っ子の助けで脱獄。あらためてスーパーマンへの復讐計画を練り始める。レックスはスーパーマンの髪の毛を入手し、そのDNAを利用してスーパーマンのクローンを作りはじめる。しかしクローン完成には太陽のエネルギーが必要だった。そこで核爆弾を太陽に捨てるミッション中のスーパーマンを利用して、クローンの種を核ミサイルに載せて飛ばしスーパーマンに拾わせて、まんまと太陽に捨てさせることに成功。そして莫大な太陽エネルギーを手に入れた「ニュークリアマン」が誕生した。
 
こうして史上最強のニュークリアマンとスーパーマンの対決がはじまる。


 

と、と、と、特撮のひどさ加減について

光の当たり方がおかしい。

特撮以外の、衣装とかデザインとかのチープさはアメコミ系映画の様式美みたいなもんだから、それは「むしろ楽しみ」みたいに楽しむ心の準備がこちらにもできている。でも特撮部分に関しては、Ⅰ~Ⅲの飛行姿や映像がきれいだったもんで、このスキルの差にはびっくりした。

一体何事かと思ったら、制作会社がB級感あふれる低予算映画ばかりを作る「キャノン・フィルムズ」に変更になっていた。私はアクション映画をあまり見ないので「キャノン・フィルムズ」の映画は縁がなくて詳しくないのだが、それでもチャック・ノリスは知ってる。スターだったもん。超有名。一本も見たことないけど。

その後抱えたスターがジャン=クロード・ヴァン・ダムとかドルフ・ラングレンだから、「なるほどな」っていう感じでしょ。わかるわかる。一本も見たことないけど。たぶん私は一生見ることはないだろうということも分かる。


そして本作にかけた予算は1700万ドルだったらしいのだが、パートⅠが5500万ドル、パートⅡも5400万ドル、パートⅢで3900万ドルらしいから、いくらなんでも急落すぎる。さすが低予算会社。そしてその弊害がスーパーマンの大事な飛行シーンにモロに反映されている。

その影響はこのⅣを見るだけで分かる。なぜならⅣのラストはⅠ~Ⅲまでの飛行シーンが使われてるから、ラストだけいきなり美しい。興味ある方はⅣだけでもご覧ください。

クリストファー・リーヴの肉体美をもってしても、いかんともしがたいこの特撮ぶり。リーヴはどう思ったかな。かわいそうに。
 
 

映画自体は面白い

でも映画自体は結構面白い。パートⅢには出ていなかったレックス・ルーサーが復活していたのは率直にうれしい。

まず、ニュークリアマンがとても気に入った。”ニュー”クリアマンというくらいだから、普通の”クリアマン”もいるのかなと思って調べたけれど分からなかった。

基本的にはスーパーマンよりもずっと強いんだけど驚くほど間が抜けていて、「さすがレックス」と嬉しくなった。

だって太陽エネルギーを使ってパワーを生み出すから、太陽が出ていないとぜんぜん力が出ない体たらく。それも太陽光線があたっているところから、ちょっと日陰に入ったくらいで「しゅるるるる・・・」と力が抜けてしゃがみこむ始末。しゃがむというよりは「しおれる」という表現の方がいいかもしれない。

一秒も充電できないという ( *´艸`) 日陰に入っちゃ”しゅるるる”と萎んでしゃがみ込み、室内に入っちゃあ ”ひょろろろろろ”としゃがみ込む。

それに武器が長ーく伸びた爪なんだけどこれが超強力で、引っかかれただけのスーパーマンが死にかけるほど。その爪が長いところがなんともオカマっぽい。金髪のロン毛でマッチョなんだけど、80年代のビジュアル系ロック・シンガーみたいにやや化粧っ気があるからか、爪が長いだけで途端にオカマ。強いオカマ。

そして特撮や衣装が、「やや!( ゚Д゚) フラッシュ・ゴードンかな!」と見まごうほどで、例の ”ちゃっちい特撮” との相乗効果でかなり面白いことになっている。キャノン・フィルムズが『フラッシュ・ゴードン(1980)』をリスペクトしてるのかと思いましたよ(してるのかもしれないけど)。

さすがレックス、期待に応える男だなあ。痒いところに手がとどかない、おおざっぱで素晴らしい仕事だった。
 
 
 
 

不在キャラ多数なのは残念

残念だったのはレックスが誇るおバカ部下オーティスとイヴが出てこなかったこと。代わりにやはりおバカな甥っ子が助手のように活躍していたけど・・・クリストファー・リーヴ版ではやはりあの二人がお約束的に出てほしかった・・・

あと、前作パートⅢのヒロインで、最後にデイリー・プラネットの編集長秘書になっていたラナが出てこなかったこと・・・。ニュークリアマンみたいに私もしゅるるるる・・・ガッカリヨ(詳細はパートⅢの記事を参照してください)。

前作ではラストでラナの存在がロイス・レインの癇にさわって「これは女のバトル勃発か! こわい!!」と思って内心楽しみにしていたので残念でならない。ちょっとだけでも、ストーリーにぜんぜん絡まなくていいから、一瞬オフィスで座ってくれている遠景だけでいいので出てくれていたら「は!ラナまだ働いてたんだ! 映画では描かれていないが、その奥の描かれないところで女の戦いが繰り広げられているのかもしんない」と妄想を楽しむこともできたのに。ああもったいない。Ⅲでロイスは本当に本当に怖い顔してたんだから。
 
 

映画の評判

とまあ、私的には絶賛の映画ではあったが、興行成績は結局コケて(たぶん)、評価も悪かったっぽい。

なんと言っても、2006年のブランドン・ラウス版が作られる時にパートⅢとこのパートⅣはなかったことにされちゃって、「パートⅡの続き」という驚くべき設定にされてしまったことからも評価されなかったことがうかがえる。

でも個人的にはパートⅢもパートⅣも、そう悪くなかったと思うけど・・・

パートⅢは以前記事にも書いたけど、スーパーマンがやさぐれちゃってかなり苦悩する人間的な姿が見られたし、今作は特撮が驚くほど安っぽいけど「そこが味」と割り切れば十分楽しめると思う。

最近の2000年代に入ってからのスーパーマン・シリーズは、憎っくきデジタル映像&CGのせいでやけに格好良いちゃんとした映画になっちゃって、もうこの時代の味わい深いスーパーマンは見られそうもない。

私はクリストファー・リーヴ版のコミカルな部分が増幅された感じは悪くないと思ってる。

結局、私はやっぱりスーパーマンが好きなんだなと確信したシリーズ第4作目でした。

 

 

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