エムログ

古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「オーメン2/ダミアン(1978)」ダミアン覚醒。肖像画も成長。悪の自覚が芽生える回。

f:id:msan1971:20200528222258j:plain


題名 オーメン2/ダミアン
監督 ドン・テイラー
制作 ハーヴェイ・バーンハード、メイス・ニューフェルド
脚本 スタンリー・マン、マイク・ホッジス
出演 ウィリアム・ホールデン、ジョナサン・スコット・テイラー、リー・グラント、レオ・マッカーン
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
上映時間 107分
制作年 1978年
制作国 アメリカ
ジャンル ホラー、オカルト、アンチキリスト、キリスト教



いやー殺したねえ、今回。(*´з`)

ザコキャラも入れてざっと12人死んでた。

前作はそんなにたくさん死んでた感じがしなかったから、今回「ずいぶん殺ったなー」と思ったけど、ぱっと思い返してみると前回も6人は死んでいたのだった。乳母×2人でしょう、神父でしょう、ジャーナリストでしょう、そしてお父さんとお母さんの、6人(だったと思う)。最初の本物のダミアンを入れれば7人。

ざっと倍かあ。どうりで今回の方がずっとずっと殺してた(というより死んでいた)ように思ったわけだ。


f:id:msan1971:20200528222316j:plain

ブーゲンハーゲンでスタート!


****** あらすじ ******
ソーン大使夫妻が死んだことを新聞記事で知ったブーゲンハーゲンは、その新聞にでているダミアンの写真を見て、イスラエルの遺跡「イゲールの壁」に描かれた肖像画にそっくりであることを知る。ソーンが悪魔の子ダミアン抹殺に失敗したことを知ったブーゲンハーゲンは、友人の考古学者をたきつけ再び壁を見に行くが、二人は帰らぬ人となる。

7年後。ダミアンは叔父リチャードの元に引き取られ、いとこのマークと共に幸福に成長していた。しかし叔母であるマリオンはなぜかダミアンを毛嫌いし、マークとは別の中学校へ入れるようリチャードに働きかけ、そしてその晩に死んでしまう。

マークと共に軍学校へ進学したダミアンは、自分の周りで次々と起こる事件や死、周囲の大人たちの導きを通して、自分が何者なのかを知ることになる。運命を受け入れたダミアンは、悪の権化として着実に成長、覚醒していくのだった。
********************

f:id:msan1971:20200528222519j:plain



今作を見ていて「そういえばダミアンは前回ぜんぜん喋らなかったのかもしれない」と思った。パート1では5歳という設定だから喋っても良さそうだが、ぜんぜん喋っていなかったような気がする。ラストで「パパやめて」「ダディ、ノー」とかなんとか言っていたような気もするが、せいぜいその程度しか喋っていない。

今回のダミアンはあれから7年がたった13歳。登場したとき、思いがけず「普通の小生意気な中学生風」だったもので、「おや、意外と元気ハツラツ、楽しそう、幸せそう」と思ったが、それはどうやらダミアンは、自分がまさか「悪魔の子」だなんて全く思っていなかったからなのだった。いとこのマークと楽しそうにじゃれついたりして、幸せいっぱい、お金持ちの家だし、よかったね、という感じ。どうやらダミアンくんは完全に無自覚だったらしい。

前作のダミアンは、演じた子役のキャラクターもあってか「生まれながらの悪魔」という感じだったから、まさか自覚がなかったとは思わなかった。目力がすごいから、思いっきり念力を送っているように見えたのだが、よくよく思い返してみると確かにダミアン自身が何かをしていたわけでは、なかったかも。


この記事を読んでいる人はパート1を見ていると思うので、見ている前提で話を進めるが、パート1でのふたりの乳母や神父も、ジャーナリストも、父親のロバート・ソーンも、母キャサリンも、別にダミアンが殺したわけではない。

ダミアンの行く手の邪魔になりそうな ”小石” を、何者かわからないけどたぶん悪魔が、”せっせと取り除いている” という感じ。ダミアンを何者かが守っている感じで、確かにダミアン実行犯ではなさそう。

育ての母キャサリンが、二階から吹き抜けを落ちて全身打撲だか骨折したときはダミアンがやったかのように見えたけど、きっとそうではなかったんだろう。ダミアン的には(あの有名な)三輪車をキコキコ漕いでいただけで、母親が「やめてダミアンやめて」と叫んではいたが、ダミアンが手を下したわけではなかったのかも。

うん。そう考えてみると、パート1でのダミアンは「まだ何もしていなかった」のだなあー。ふーん、そうだったのか。


f:id:msan1971:20200528222554j:plain



・・・となるとパート1で最後ダミアンが「ニヤッ」と笑ったのは失敗だったんじゃないかな。もともとパート1の監督リチャード・ドナーは「笑わないようにね」とダミアンに演技指導したのに、ダミアンが笑ってしまった。そして結局、あの「笑った方のエンディング」を採用した。

あの最後の笑顔は観客たちに、「ダミアンは自覚しているような印象」を間違いなく与えてしまった。だって絶対やった顔だもの。全てを知ってるって顔だったもの。あの笑顔にミスリードされちゃったなあ。

リチャード・ドナー監督はここは踏ん張って、予定通り「笑わないエンディング」にするべきだった!!! 振り向く必要すらなかったかも!!! ただただ去って行けばよかったのではないかなあ。

そうすれば、「自分が悪魔のような存在であることを知らないこの幼い子供が、次回、悪魔の申し子であることを自覚していくのだった! パート2へつづく」みたいな感じになって、自然だったのではと思われる・・・。残念。


f:id:msan1971:20200528222643j:plain



おっと、ここまでパート1のおさらいしか書いていないので、さすがに今作の話に突入するが、では悪魔の申し子である自覚が全くないダミアンくんは、今回どこで自覚するのか、というのが今作のポイントということになる。

そして自覚したダミアンくんは、その時どういう心境だったのか。


今作では12人くらい死んでいると書いたのだが、それは
① ブーゲンハーゲン(とそのお友達考古学者)
② 伯母さん(父ロバート・ソーンの妹で、叔父リチャード・ソーンの姉・・・かな?)
③ 伝記作家ジョーン・ハート
④ ソーン産業の社長
⑤ ソーン産業の社員パサリアン(とその部下)
⑥ ダミアンが普通ではないと気づいて検査しようとした医者
⑦ いとこのマーク
⑧ ソーン美術館館長ウォーレン
⑨ リチャード・ソーン
⑩ リチャードの後妻(ダミアンとマークの継母)
と続く。死に方とかは映画をみてね。

この流れの中でまず重要なシーンが、④のソーン産業社長の死のあとに訪れる。

学校の先生であるネフ軍曹(実はダミアンの支援者、メンター)から「聖書を読め!読んで自分が何者か知れ!」とかなんとか言われてさっそく黙示録を読み込み、自分の身体に「獣の数字666」を見つけて驚く、という流れ。

f:id:msan1971:20200528222805j:plain

ダミアンくん、びっくり


この時のダミアンは、本当に心の底から驚いていた。もう驚愕。自らに突きつけられた真実を受け止めきれずに学校を飛び出すというありさま。成長期ですなあ。

そしてそのあとに死ぬのが⑤のソーン産業社員のパサリアン。

このパサリアンの死に際して、ダミアンはまるで動揺することもないし、「達観!」「もうボク何でも知ってるし、何でも出来るもんね」といった全能感あふれる表情で、次期社長の座を射止めたポールを冷徹に見下ろすシーンがある(この社長に成り上がったポールもダミアンの支援者でメンター)。

一見するとちょっと「おや?(パサリアンを)殺ったか?」と思わせるのだが、たぶん違う。

次の⑥ダミアンを検査しようとした医者も、ダミアンの血液を調べていて、ダミアンの驚くべき秘密を掴んでしまったために消されるのだが、これもダミアンではない。

これらは父なる悪魔の仕業だと考えていいと思う。


f:id:msan1971:20200528222935j:plain

意表を突く横並び。この手の持ち主の医者役がいい味出してた。


このパサリアンと医者の殺害は、ダミアンが「自分は悪魔の子である。なんでもできる。」という自覚を持ったあとなのに、なぜダミアンの仕業ではないと思うのかというと、その次に来るのがいとこのマーク殺害だから。

マークはもうはっきりとダミアンが手を下しているんだけれども、演出的に言えば、ここで「ダミアン覚醒!」としたい、大事な大事な一番大事なクライマックスです。

自分が悪魔の申し子だと自覚したダミアンは、大好きなマークを「一緒に天下取ろうぜ!」と誘うのだが、ダミアンは普通じゃないと気づきはじめていたマークに拒絶されてしまい、ダミアンは怒り心頭、思いっきり手を下している。「手を下す」と言っても触りもしない。念力ですよ、念力。

ここは間違いなく「キター(゚∀゚)!! ダミアン、覚醒!」というシーン、のはず。

・・・はずなんだけどなあ・・・ちと弱い。もっとインパクトがあっても良かったのに、「ババアアアン!!」「キター(゚∀゚)!!」という感じにはなっていなかった。

なんだろう、この弱さは。

やっぱりあれかなあ。

自分の身体に666を見つけた時、あんなに驚いて「うわあああん」みたいに学校を飛び出していき、海岸で海を眺めながら「びっくりしちゃったボク・・・これからどうしよう」みたいに悩んで見せたりしていた割には、次のバサリアン死亡のシーンでは「え、もう受け入れちゃったの?」というスピード感が、「意外とあっさりしてるのね」的にダミアンを軽く見せてたかもしんない。


f:id:msan1971:20200528223234j:plain



ソーン社長が死んだとき、必死になって助けようとしたのに助けられなくて、でも必死になって助けようとしたような男の子だったんだから、自分が悪魔の子であると知ってしまったダミアンの苦悩ぶりと、それを乗り越える葛藤みたいなものをもっときちんと見せてくれれば説得力が増して、その後のマーク殺害も「ああ!ダミアン! とうとう覚悟決めたんだね! 乗り越えたんだねえ!」と自然に喜べたかもしれないのに・・・(悪魔だけど)。

ちょっと急ぎすぎたというか。テンポ良すぎた。

「まだあと3人も殺さなきゃいけない!」みたいな、ケツカッチン感があったのかなあ。娯楽作だからインパクトのある殺害シーンさえあればいいと思っちゃったかなあ。

そうじゃなくて、こっち、こういう心理シーンに重きを置いて欲しかった。そこがもう少し丁寧に描ければ、もっと名作ホラーになれたかもしんないのに(十分、名作なんだけど)。


もっと言えば、なんで継母アンまでが殺されなくっちゃいけないのかも全然分からなかった。献身的でいい人だったのに(ダミアンにとってだけど)・・・わからんなー。

せっかく面白い映画なのに、こういうとこがもったいなかった。ほんと残念。


f:id:msan1971:20200528223341j:plain



最後に覚書として2点。

ひとつめは「イゲールの壁」のダミアンの肖像画。最初一見したとき、映画冒頭のブーゲンハーゲンが見に行ったときは「まごうことなきダミアンの顔」だったけど、映画後半、アメリカに運ばれてきた肖像画をリチャードが見たとき「だれー!」って思ってしまったことをここに告白します。「あれ?こんな絵だった? ん? こんな顔だったかなあ? ん?」と思ってしまった。我ながら不覚だった。絵も成長していたのね。たしかに最初は5歳のダミアン、次は13歳になったダミアンでした。だってさあ、13歳の絵の方さあ、本物より若干男前だったからさあ、初見では分からなかったよー(と負け惜しみを言う)。

もうひとつ、このシリーズは「悪魔の手先」として象徴的な動物が出てくるんだけど、パート1では「真っ黒な犬」、このパート2では「真っ黒なカラス」だった。カラス・・・うちの近所にもいますがね。怖いよね。気が付かないふりしてやりすごすことにしてますがね。気にしないのが一番。序盤で殺される伝記作家ジョーン死亡シーンは怖かったですね。えぐかった。「うへええ (*_*)」って感じ。このカラスの調教をしたのがレイ・バーウィックというお方で、あのヒッチコックの有名作「鳥」で、鳥の調教をしたお方でもあるんだとか。


ではパート3でまた。

f:id:msan1971:20200528223437j:plain

絵の方も成長



 



【関連記事】オーメン・シリーズ

www.mlog1971.com

www.mlog1971.com




レンタルという手もある
👇