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名作から駄作まで、見た映画の感想を正直に片っ端から記事にする、古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「討伐隊(1933)」 うむ。大した感想はない、けど絞り出して頑張ったよ。

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題名 討伐隊
監督 テニー・ライト
出演 ジョン・ウェイン、マーセリン・デイ
上映時間 54分
制作年 1933年
制作国 アメリカ
ジャンル 西部劇、アクション、モノクロ



愛馬の名前が、前回記事にした『テキサスの若武者(1932)』と同じデュークだった。そしてジョン・ウエインはまたハーモニカを吹いていた。

が、そんなたあどうでもいい。


時は通信技術の発展が目覚ましい19世紀のアメリカ。1830年ごろは幌馬車で郵便物を輸送していたのが1840年には4頭立ての駅馬車に変わり、1850年ごろには町から町へポニーを乗り継いで郵便を運ぶ速達郵便 ”ポニー・エクスプレス” が開始され、そしていよいよ電信の時代がやってくる。

1936年にモールスが発明したモールス信号と有線電信を利用した電信システムは、1861年に大陸横断電信システムが完成し、ポニー・エクスプレスは廃止される。

この映画『討伐隊』は、様々な妨害に会いながらも、モールス信号を伝達するための電線をカリフォルニアまでつなごうと奮闘していた時代を舞台にした娯楽作、といった具合。


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****** あらすじ ******
1860年のアメリカ西部。舞台となる町では、ガス・リンチという白人男がインディアンをそそのかして物資の輸送を妨害し、奪った物資を町に売って利益を上げていたため、町は慢性的な物資不足に陥っていた。そんななか、この町にもいよいよ電信がひかれる時がやってくる。電信がひかれるということは、自分の悪事が即座に軍に報告され、軍隊が派遣されることを意味するため、ガス・リンチは電信の敷設の妨害に乗り出す。

電線の敷設がインディアンに妨害されていると知り、町に派遣されてきたのがジョン(ジョン・ウェイン)とティッピーだった。ジョンは町の住民の理解と協力を得、電線の敷設に尽力する。インディアンの妨害に悩まされながらも西海岸まで電信を引くことに成功し、立役者のジョンは大尉に昇格するのだった(そしてヒロインのアリスともいい感じになるのだった)。
***********************

とまあ、こんな話。


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インディアンの襲撃



この映画はかなりコミカルな作りになっていて気楽に見る娯楽作になっていたけど、もっとシリアスに振った方がよかったのではないかな。

電信柱を西海岸に向けて建てていくわけなんだけど、その辺の苦労話が足りなくて、カリフォルニアまで電信が通った時の感動が皆無だった。あっさりしすぎ。


それに映画の冒頭で登場する意味ありげな手紙の伏線がまるで回収されていなくて意味不明。

ジョン・ウェインが乗り出してくる前に電線の敷設にあたっていたジョーンジーがインディアンに撃たれ、息も絶え絶えみたいになっているところを駅馬車に乗った雑貨屋のジークおじさんと、その娘で本作のヒロインであるアリスが通りかかり、息を引き取るところに立ち会うのだけど、ジョーンジーが意味ありげに手紙の束を「ジョンに渡してくれ・・・ガクッ」って感じにアリスに渡して死ぬのだが、これが全く生かされてない。

この手紙の束はもう一度出てきて、アリスがジョンに渡すシーンまでしっかり描かれているのに、そこに何が書かれているのかはまるっきり描かれないのだよ。

なんでえー? 何が書いてあったのおー。3~4通くらいあったよねえ。

そこ膨らまそうよー。


おまけに主役のジョン・ウェインの格好いいシーンも少なくて、スター映画としても中途半端だった。これ致命的ね。

B級映画とはいえ、不発がすぎる。


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せっかくの手紙がドブに


でも、いいところもあった。

それは、インディアンが単純に悪者になっていなくて、白人にたぶらかされた結果、悪事を働く羽目になっちゃった、という描き方。

これは見ていて「ああよかった(ホッ)」と思った。いくら昔の白人映画でも、たとえB級映画だとしても、インディアンが一方的に超極悪みたいに描かれていたら悲しくて、とても楽しい気持ちでは見られない。

ここは救いだった。


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インディアンをそそのかす白人の図


というわけでいいところもあるのだから、ここは思い切って余計なところをカットして、シリアスにふってしまおう。


まず、友人であるティッピーと雑貨店を営んでいるジークおじさんがコミカル担当みたいになっていて相当な尺を取っていたので、そこをことごとくカットして、電信柱を建てる苦労話をもう少し手厚く描こう。

立てても立てても倒れちゃうとかw(陳腐だなーw)


そして手紙には意味のある内容が書かれていたことにしよう。

映画だと、ジョンはインディアンの襲撃に白人が絡んでいることを、町に到着早々すぐに知ってしまっていたけど、そうではなくてその手紙が、白人が絡んでいることを告発する手紙だった、とかどうかしら。

ジョンは映画の冒頭で、電線の敷設をインディアンが邪魔しているというジョーンジーからのモールス信号を見て、「インディアンめ!」みたいな憎しみでいっぱいみたいな顔をしていたから、最初は「インディアン憎し!」って思って偏見に満ちて町にやってくるんだけど、ジョーンジーが残した手紙には「インディアンが悪いんじゃないよ、白人のガス・リンチが黒幕で、インディアンは騙されてるんだよ」みたいな内容が書かれていたことにして、それを読んだジョンが「なんだそうだったのか! インディアンごめんね! 誤解してた!」ってなって、黒幕であるガス・リンチ打倒のために立ち上がる、みたいな感じにするの。

そうすれば手紙が生きてくる。


そして映画だとインディアンのハイ・ウルフは、騎兵隊が押し寄せる中、自分を見捨てようとしたガスを見て「騙された!」と気づいて、逃げていくガスを後ろからナイフで殺して、ガスざまあ、みたいな描き方になっていたけど、

そのシーンに至る前に、手紙を読んで真相を知ったジョンが、「騙されてるんだよ、目を覚ませ」的に一生懸命ハイ・ウルフに知らせようとするんだけど上手くいかない、みたいなシーンを入れておこう。

そして映画通り、ジョンの気持ちはハイ・ウルフに届かなかったけど、ハイ・ウルフはガスが裏切り者だと気づいてナイフで刺して絶命するという、映画のシーンにつなげる。

そうすると見ているこっちは「ああ、ジョンが知らせようとしたのに間に合わなかった・・・ああ無常」みたいな余韻が残る。


そして電信柱を立てる苦労話が追加されているわけだから、最後の「開通したよ!」というラスト・シーンもカタルシスがあるはず!


いいじゃん! ( `ー´)ノ(自画自賛ww)

そうすればもう少し感傷的な作品になったかもしれない。

コミカル・シーンをばっさり切れば、1時間で収まると思うなあ(適当w)。


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じょ、ジョン・ウェインったら、まさか本心じゃないよね ( ゚Д゚)(ググってね)


とはいえ、ティッピーが女の話をする一連のシーンは割と好きだった。

ティッピーは女嫌いなんだか女好きなんだか、よくわからないキャラクターで、ジョンとアリスがいい感じになるのを「女なんてのはなあ」みたいなことを言って歓迎していないくせに、やたらと昔の女の話をしたがるの。

そしてその話がことごとく最後まで語られないから、見ているこっちは「えー、で、どうなったのーwww」と思うようになってる。


曰く、
「女はみんな不吉だ。ウィチタの女の話をしたか?これまでで一番いい女だった。俺が騎兵隊と知った途端に女の父親は大騒ぎし始めたんだ」

と言うから、「おや。何があったのかな?」と思うけど、そのまま別のシーンに変わってしまうので話のオチがわからない。

曰く、
「ポカテロの女の話をしたか? いつ見てもかわいい、小柄な女性だったよ。彼女は完ぺきだった」

の先が、シーンが変わってやっぱり分からない。

曰く、
「ノガレスの女の話をしたか?女は闘牛士にホレてた。ピカドールだ。いや、マタドールだったか? ある日その男が・・・(振り返ると誰もいない)・・・まあ、どうでもいい」

となって先が分からない。

最後は、
「トピーカの女の話をしたか? 彼女の夫が俺に命令を送ってきて・・・(振り返ると誰もいなくて)・・・まあ、どうでもいい」

となって、最後までひとつもオチが聞けないのでした。

(*´▽`*)ワーイ


おしまい。


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デューク と 女がキライなティッピー


 ☟ 『討伐隊』は、この10枚組の中に入っています。 
 
 


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