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古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ (1960)」 ~たった2日で撮影 ~ロジャー・コーマン

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題名 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ
監督 ロジャー・コーマン 
制作 ロジャー・コーマン 
出演 ジョナサン・ヘイズ、ジャッキー・ジョーゼフ、メル・ウェルズ、ディック・ミラー、ジャック・ニコルソン
上映時間 72分
制作年 1960年
制作国 アメリカ
ジャンル コメディ、モノクロ、60's、オープニング
 

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************** あらすじ *************
花屋の店員シーモアは、花を切りそろえることも出来ない無能ぶり。お金大好きな店主に毎日イヤミを言われるが、花を愛する心は誰にも負けない。花屋をクビになりそうになったシーモアは、好きな女性の名前をつけて自宅で育てていた変種の植物オードリー・ジュニアを「客寄せ」として店に置くことになる。
その晩、他の植物で指を切ったシーモアの血が偶然ジュニアにかかると、ジュニアは大喜び。ちょっとおバカで人のいいシーモアは、自分の指をピンで刺してジュニアにあげる。するとジュニアは一晩で大きく成長。
ところがさらに「腹へった」「メシ」とうるさく喋り始める。散歩しながら考えようと店を出たシーモアだが、なんとも驚くほどあっけなく「死体」を手に入れることに成功する。
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低予算映画の帝王ロジャー・コーマンが、2日間で撮影したとか言われている、おバカな男シーモアとちょっとおつむ弱めのオードリーの、心温まるハートフル・ラブ・コメディ・・・ではなく、かなり笑えるブラック・コメディ。
題名に「ホラー」ってついてるからホラーなのかな? まあ、ホラーというよりは、やっぱりブラックです。ラスト、結構、衝撃。
 

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まず出だしのオープニング(って、重複してるけど)が良くて、期待が高まる。「映画は最初の5分で決まる」と思っている私にとっては良い部類。

刑事が「スキッド・ロー わが街」って言うところが格好いい(どうでもいいことだけど)。

毎日親戚の誰かが死んでいる婆さん、病気が大好きで「すごく元気な病人」のシーモアのママ、花に塩を振って食べる男、超サディストの歯医者、超マゾヒストの患者、まるで「鎌田行進曲」の銀ちゃんみたいにどこへでもついてくる娼婦など、個性的な脇役も超楽しい。
 
主役のジョナサン・ヘイズは加藤茶似。あと、すごーくちいちゃいジョン・ポール・ベルモンドに見えたアングルもあった。
だけどよーく見ると、真顔なんかはそこそこ男前に見える。
 

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ベルモンドに・・・似て・・・ないですか?
海外の俳優は、「黙っていれば男前」がコメディアンになるケースは昔から多い(チャップリンとかもそう)。日本の場合は、その価値観が導入されるのはかなり遅くて、90年代くらいにならないといないんじゃないかなあ。男前ぶっているのが滑稽でちょーウケる、というのがいたとしても、80年代はまだ、男前はただただ男前を演じていた気がする。どこまでも男前。田宮次郎なんて、それで自殺したと言っても過言ではない。それくらい男前側にプレッシャーがあった。
 

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いつの頃からか、男前が好んでコメディを演じるようになったけど、とてもいいことだと思います。二枚目もぜひ客観性を身に付けて、自分を突き放して観察していただきたいし、その方が本人も楽で楽しいと思うし。

ジョナサン・ヘイズの過去の出演作品リストを見ていたら、なんとあの「エデンの東」にノー・クレジットでだけど出てるとある。へえ。
他の作品の題名を見た限りでは、かなり興味を惹かれる、いかにもB級なタイトルが並んでる。そのうちまたお会いしたいです。
 

超マゾヒストの患者は、ジャック・ニコルソン。この頃24歳くらい。彼にとっては、かなり初期の出演作。
 

映画終盤は、シーモアと刑事たちの追いかけっこが続いて、急にスラップスティック・コメディの要素が強くなっていき、衝撃のラストを迎えます。

わたし、ちょっとおつむが弱い系の男の人の登場人物が好きなんです(フィクションに限る)。「善良」って感じがするし、かわいいと思って、ほっこりする。だからこのシーモアも好き。
 

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