題名 少年と犬
監督 L.Q.ジョーンズ
脚本 L.Q.ジョーンズ
原作 ハーラン・エリスン 「少年と犬」(1969)
出演 ドン・ジョンソン、スザンヌ・ベントン、ジェイソン・ロバーツ、アルヴィ・ムーア、ヘレン・ウィンストン
上映時間 90分
制作年 1975年
制作国 アメリカ
ジャンル SF、ディストピア、砂漠もの、70's
監督 L.Q.ジョーンズ
脚本 L.Q.ジョーンズ
原作 ハーラン・エリスン 「少年と犬」(1969)
出演 ドン・ジョンソン、スザンヌ・ベントン、ジェイソン・ロバーツ、アルヴィ・ムーア、ヘレン・ウィンストン
上映時間 90分
制作年 1975年
制作国 アメリカ
ジャンル SF、ディストピア、砂漠もの、70's
***************** あらすじ **********************
第4次世界大戦はたった4日間で終結。人類は核で滅びかけ、食料も女も何もかもを力づくで奪う弱肉強食の世界と化していた。主人公ヴィックは、テレパシーや千里眼的な能力を持ったインテリ犬ブラッドを相棒に、ヴィックは女を、ブラッドは食料を求めて砂漠をさまよう。ある日、若い女ジューンを襲おうとしたヴィックは、彼女から地下に楽園があると聞かされる。「これは罠だ」と反対するブラッドを振り切り、彼女が落としていった地下へのカードキーを手に入口へ向かう。地下深くの町トピーカに着いたヴィックはさっそく確保され、無理やり風呂に入れられる。長年の地下生活が原因で町の男は生殖能力がなくなっており、ヴィックは種馬としてジューンにおびき出されたのだった。大勢の女とやれると知って最初は喜ぶヴィックだったが、すぐに現実を知って逃げ出すことにする。
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映画「マッド・マックス2」(1981)に影響を与えたと言われる作品。「世界の中心で愛を叫んだけもの」でおなじみハーラン・エリスンの原作で、核戦争で滅びかけた近未来が舞台。
喋る犬と共に生きる少年が、地下にある豊かなソサエティに潜り込み、幻滅し、荒廃した地上に戻っていく話。
ドン・ジョンソンが若くて可愛い。
ホント私の好きな「マッドマックス2」そのもの。犬とコンビなのも一緒なのだった。さらにそこに生きる人々の暮らし。「町」と呼ばれる小さな小さな集落の感じも「マッドマックス2」そのもの。この映画が「マッドマックス2」に多大な影響を与えたことは間違いないでしょう。「少年と犬」の方がややちゃちいといえばちゃっちいけど、その荒廃した世界観は見る価値十分。
喋る犬と共に生きる少年が、地下にある豊かなソサエティに潜り込み、幻滅し、荒廃した地上に戻っていく話。
ドン・ジョンソンが若くて可愛い。
ホント私の好きな「マッドマックス2」そのもの。犬とコンビなのも一緒なのだった。さらにそこに生きる人々の暮らし。「町」と呼ばれる小さな小さな集落の感じも「マッドマックス2」そのもの。この映画が「マッドマックス2」に多大な影響を与えたことは間違いないでしょう。「少年と犬」の方がややちゃちいといえばちゃっちいけど、その荒廃した世界観は見る価値十分。
個人的に大好きな砂漠もの。砂漠、見るの好きなんです(行きたいわけではない)。サハラ砂漠みたいな砂がさらさらした砂漠も好きだけど、岩がゴツゴツしたグランドキャニオン的な場所も好きで、たぶん水がない感じが好きなんだと思う。理由は不明。だからこの作品も、景色が好き。
権力欲のかたまりのジューンは、トピーカの委員会(小さな政府みたいな感じ)に入れてもらうのと引き換えに、ヴィックを騙してトピーカにおびき出す。しかし海千山千の大人たちが自分の思い通りにならないことを知って、再びヴィックを騙して利用して、委員会から権力を奪おうと画策する逞しさ。そして大人だけでなくヴィックも思い通りにならないと分かると、一転「愛してるわ」とすがりつく浅ましさ。どこまでも強欲ですなあ。ギラギラしてて、自分の欲望に迷いがなくて、猪突猛進。最後まで自分勝手な冷酷さを貫くのだった。
地下の町トピーカ。アメリカ南部のイメージなのかな。オーバーオールとか、英国風トラッド・ファッションとか、フリルとリボンのついたワンピースとか、そういう清潔そうな服を着てさ、マーチングバンドなんか演奏しててさ、人々は善良感一杯で、いかにも腐敗していそう(笑)。きらい。
反抗したりすると「農場行き」になるらしいが、その「農場」とやらは出てこない。農場行きが決まったジューンがやたらと怯えまくって、ヴィックに「地上に連れて行って、今すぐ」とすごいブスになって哀願するから、「どんな強制収容所やねん」と思って見ていると、どうやら「農場行き」と決まると、ロボット男のマイケルだったかな?に首の骨を折られて殺されるらしい。そりゃあブスにもなるわ(笑)。
こういうさあ、表面的にはキレイにしてて、実は恐怖政治ってほんと怖い。
そして迎える、この映画の名物「衝撃のラスト」。相当ブラックな結末ですが、あっけらかんと笑いながら終わる。ジューンに対して無言で怒っているドン・ジョンソンがいい。
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ハーラン・エリスンの原作と比較すると、ストーリーは原作を大きく外れることはないが、設定を随分いじっている感じ。原作ではビルなんかもある荒廃した都市部が舞台だし、クイラ・ジューンも野心家と言うよりもただの女の子って感じ。ヴィックが種馬的におびき出されるのは同じだが、精子だけを貰おうと機械につながれるわけではない。衝撃のラストも同じといえば同じ。
だけど、特にクイラ・ジューンの設定の違いがラストシーンの印象を大きく変えていると思う。
映画の方は、クイラ・ジューンのなりふり構わない程度の低い悪女ぶりがムカつくから見捨てられた、っていう印象だけど、原作の方はジューンが悪女だからではなくて、「女の持つ、本質的な身勝手さと面倒くささ」だから、ヴィックは女といつでもやれる利便性より自由を選択したんだな、という感じがする。
どちらも残酷な結末ではあるけど、どちらをより残酷だと思うかというのは個人差が出てくると思う。
私は、衝撃度では、各設定を増幅してエンターテインメントであることをより意識した映画の方に軍配が上がると思ったけど、
残酷さでは、「自由を選ぶ男は強くて自立してて格好いい」という、幻想・・・というか、男のロマンみたいなのは男の人のひとつの本音なんだろうなと思って、現実的な分、原作の方が残酷だと思った。
残酷さでは、「自由を選ぶ男は強くて自立してて格好いい」という、幻想・・・というか、男のロマンみたいなのは男の人のひとつの本音なんだろうなと思って、現実的な分、原作の方が残酷だと思った。
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しかしトピーカの人々の化粧はなんでしょね。みんな白塗り、真っ赤な頬紅という。「おてもやん」的な。なんか日本がモチーフになってるんでしょうか。
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小説版はこちらから。ハーラン・エリスンの短編で、「少年と犬」は最後に収蔵されています。
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