〇つかこうへい『現代文学の無視できない10人』読み終わる
〇島尾敏夫『死の棘日記』読む
2024/11/1(金)晴れ
今朝は4:00過ぎに目が覚めてしまい、眠れないので5:00頃起きてこの日記を書く。
『現代文学の無視できない10人』、本当は2~3日で読み終わるつもりだったのに、なんとなくスマホゲームをやってしまって、モタモタ読んでしまった。それに10代の頃に何度も読んだ本だから、内容を分かってるので緊張感もなかった。
最近寝不足で疲れ気味というのもある、、、読書疲れもあるかも。
読みたい本はたくさんあるのに、気ばかりが急いてなかなか上手くできない。
つかこうへい『現代文学の無視できない10人』覚書。
10代の頃に読んだ時とほぼ同じ感想だった。懐かしい気持ちになったけど、成長がないのかしら。
長嶋茂雄に関して。
TVでの印象から世間的には、長嶋さんは馬鹿っぽいというか、宇宙人みたいというか、変わり者みたいなイメージだと思う。野球選手としてはヒーローだし尊敬されているけれど、それ以外に関しては全く期待されないし、長嶋さんの話を真剣に聴いている人はいないだろうと思う。
でも私は10代の頃から、長嶋さんはとてもまともな人だと思っている。その原因はこの本を読んだから。
長嶋さんて、本当にまともだと思う。活字に起こしたものを読むと極めて真っ当だし、とてもクレバーなのね。勉強になる。
「教育論者ありませんが、今は悪いとすぐ手を差し伸べるんですね。あれもやっぱり問題じゃないですか。それに選手の方も頼る気持ちが先に立ってる。コーチはこーち、監督は監督で、それをバチっと教えないと無能だといわれる。だから、頼まれたらすぐ指導する。
自分のオリジナリティがないです。」
(長嶋茂雄1986年1月28日のインタビュー)
教わるつもりばかりじゃオリジナリティを生み出せないんだと。この時代にもうこういうことを言われてたんだから、今の教育なんて言わずもがな。
長嶋さんはあの独特な喋り方やボキャブラリーで、ほんと損していると思う。得もしてるんだろうけど。
小池一夫もすごい。彼は漫画原作者だけど、その自分が携わっている漫画に対する自負心が凄い。漫画であることを信じてる。
彼は小説も書くけれど、漫画の方が大変だと。小説は「主人公がヒョーと矢を放った」と書けば済むけれど、漫画はそれを絵で描かなければならない。それもただ矢を放つ武士の絵を描けばいいというものではなく、添矢まで描かなければならない、そういう知識がなければ描けないと。
これは池田理代子(『ベルサイユのばら』)も言っていた。「私はルイ16世時代にどんな下着を履いていたかまで調べます(下着を描くシーンがなくても)」
それから『あさきゆめみし』の大和和記も、「平安時代の建築物の、中に入って上を見上げた天井裏まで調べて描く。分からない場合は同じ時代の建物から想像して描く」と、どこかで言っていた。
他にも大竹しのぶのインタビューでは「女優とはどういうことか」が垣間見えてとても興味深い。
一人だけ、昔読んだ時と感想が違ったのは、ホテル料理人の高橋忠之。10代の頃は「すごいなあ」と ”一流の凄み” みたいなのを感じたものだけど、今読むと「可哀そうだな」と。
「4時間寝てみたいと思っている」とか「ずっと仕事で夜遅く家に帰るし、三度の食事もホテルで食べている。家に帰ってもずっと書斎にこもっている、これくらい打ち込める仕事ができて幸せです。ええ、結婚しています。子供はいません。私一代限りで切れるというのも、私にとってはとても幸せなことです」と自信満々に語る。
奥さん必要?って思った。結婚してはいけない人なのではないかと。