○島尾敏夫『死の棘日記』読む
2024/11/5(月)晴れ すこぶる良い天気。気温もほどよく気持ちがいい。空は真っ青、白い雲が薄くて秋の空。
夕べは職場の女の子Tさんが辞める夢を見た。実際年内で辞める子。
他部署の子だけれど、数年前に入ってきた瞬間から「何かが違う」から「有能!」へ、そして「実にウチにはもったいない子だ」と、ものの数ヶ月で私の中での評価がうなぎ上りだった。
見た目も十分可愛いし、気立てが良さそう。礼儀正しく感じがいいからみんなに好かれる。そして英語が堪能。オフィス・ソフトも得意。
関数を駆使されると迷惑なほどウチの職員はPCスキルがないから宝の持ち腐れ。ウチにはもったいない。
そのうち辞めると思ってた。だから辞めると聞いた時は「当然です」と思った。ちゃんと活用してあげていないんだもん。男と違って女は職場にキャリアの面倒を見てもらえない。
夢の中のTさんは、実に好条件で退職することが出来ていたので、現実でも飛躍して行って欲しいと思う。
実際会社勤めは矛盾があって、ヘタに資格なんか持っていていると使い倒されると思う。本人が「資格持ってるだけで他は無能」なら別にいいが、有能なのに雑務が回ってきて本人のポテンシャルを生かせないことも多い。
なので私は「資格は取るべきではない論者」なのだ。実際私はひとつも持っていない。
医者になるとか看護師になるとか、そういう ”資格を取らなければなれない仕事” は別として、ExcelやWordの資格みたいな、中途半端なちまちました資格は持つべきではないと思う。
「mさん得意だよね」なんて言われて、それ系の仕事を押し付けられて、使い倒されるのが関の山。
そして「人を使うのがうまい」とか「責任感がある」とか「人望がある」とか「人間性」とか「上の覚えがめでたい」とか「取り入るのがうまい」とか、資格とか数値では測れない能力を持っている人が出世していく。
資格会社に騙されるな!
目線を変えて、他の資質を身に着けた方がいい。小手先のハウツーではなく、本質的な力を。
『死の棘日記』
ミホは昔のことを何度も何度もあげつらい、執拗にトシオを責め、そこには妄想も加わり繰り返し繰り返し繰り返し、、、そして家を出ていきトシオがそれを追いかけ探して連れ戻し、家族4人でトシオが勤める学校まで一緒に行く。
トシオも精神が不安定になり、耐えきれず首を吊ろうとしたり、壁に自ら頭をぶつけたり、ミホを取っ組み合いになり大声を出し、するとミホが慰めて正気を取り戻し、二人で市場に買い物に行く。
子供たちは「カテイノジジョウヤメテヤメテ」「シンパイダナア、オカアサンガシンパイ」と言い、そんな両親と4人でしょっちゅう買い物に行き銭湯に行き映画を見にいく。
お互いの魂を全力でぶつけ合い、体力の続く限り ”カテイノジジョウ” をする二人は不幸なんだろうか。それとも幸福なんだろうか。
トシオとミホはこの後、ミホの精神は安定し自らも小説家になり、二人は死ぬまで添い遂げた。
少なくとも現在はすぐにDVとか言われて矮小化されてしまい、文学にまで昇華しにくい時代だ。