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割と自己流で生きています

桐生悠々 覚書

 

○井出孫六『抵抗の新聞人 桐生悠々』読了

 

2024/12/17(火)晴れ

 

『抵抗の新聞人 桐生悠々』を読み終わった。その流れで、青空文庫で出ている悠々の書いたコラムを5本読んだ。どれも短いコラムなのですぐに読み終わる。

関東防空大演習を嗤う

言いたい事と言わねばならない事と

煎じ詰めれば

科学的新聞記者

正義の国と人生

 

一番響いたのは『言いたい事と言わねばならない事と』。曰く、

「言いたいことを、出放題に言っていれば、愉快に相違ない。だが、言わねばならないことを言うのは、愉快ではなくて、苦痛である。何ぜなら、言いたいことを言うのは、権利の行使であるに反して、言わねばならないことを言うのは、義務の履行だからである」

 

そして『煎じ詰めれば』。曰く、

「煎じ詰めれば、理想と現実との衝突である。我は理想を見つめて、しかも漸次にこれを進まんとしているにも拘らず、彼等は現実に執着して、唯その直面する難局を打開し得れば、それで以て足れりとしているのだ」

「我は未来の向上を重しとし、現在の利益を未来の幸福のため、犠牲に供することを辞さないにも拘らず、彼等は唯現在に於て、一時的なる利益を得れば、未来の幸福を捨てて顧ない」