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割と自己流で生きています

「書記バートルビー」読む、W氏&I氏と食事、W氏クビが決定

 

○前田雄二『剣よりも強し 菊竹六鼓の生涯』読む

○都甲幸治『教養としてのアメリカ短編小説』読む

○ハーマン・メルヴィル『書記バートルビー』読了

 

2024/12/23(月)晴れ 

 

夕べ、都甲幸治『教養としてのアメリカ短編小説』の中に出てくる課題図書、メルヴィルの短編小説『書記バートルビー』を読んだ。先に都甲氏の解説を読んだ後に本編を読んだのに、なんだかちっとも分からない。難しいというより、なぞなぞみたいな小説で、一体これは何だろう。すごくソフトなカフカみたい。

 

話は、弁護士をやっている ”私” のところに新しくバートルビーという男が雇われる。このバートルビーは、異常な集中で本来の業務である筆写の仕事をこなしていく。休憩もせず、食事もせず、食べるものと言えば2~3枚の粗末なジンジャーナットだけ。

ところが筆写の仕事は猛烈にやるのに、それが合っているかの確認作業はやりたくない、それどころかちょっとしたお使いなどもやりたくない。とにかく筆写以外は「私はそれをしない方がいいと思います」と言って一切やりたがらない。

しない方がいいと言う理由は分からないし、雇い主である”私” も理由を大して聞かないので読者には分からない。

そのうち「しない方がいいこと」はどんどん増え、筆写すらやらなくなり、ただ事務所の自分のデスクのところで立ち尽くしている。それだけでなく、バートルビーはどうやらこの事務所に住んでいるらしい。

さすがの”私” も追い出そう始めるがうまくいかず、自分の方が事務所を引っ越すことにする。

しかし縁を切れず、バートルビーは「私はそれをしない方がいいと思います」というだけで言う事をきかず、最後は刑務所に入れられる。

そしてそこでもバートルビーは何も変わらずどこまでも無気力で、”私” が2度目に会いに行ったときには静かに死んでいた。という話。

 

なんだろう。「それをしない方がいいと思います」しか言わず、それを徹底する男。確かに印象に残るし、示唆的な寓話的な気もする。意味ありげだ。

何度か映画化されているようなので見たいと思ったが、残念ながら日本語版はなさそう。

 

今日は職場のW氏と元同僚のI氏と食事会で秋葉原へ。店にたどり着けず、W氏に迎えに来てもらう。田舎者の私は、コスプレ姿の客引きがわんさと並んでいる光景を初めて肉眼で見た。別に恐怖はみじんも感じず、華やかだなと思った。

W氏は2月末でウチをクビになるらしい。定年退職後のパート契約だから簡単にクビを切られたと。で、労基に文句を言う予定で、いま資料を作っているのだとか。

いいぞ。やってくれ。W氏がいなくなるのは損失だが、それくらいしてくれる人がいないと、ウチの上の方は変わらん。

でも心と志がある人がいなくなるのは寂しい。