○ハーマン・メルヴィル『漂流船』読む
2024/12/27(金)晴れ
今朝、先週土曜に行われた病院勉強会にて理事長が全職員向けに話した内容をPPTで見た。
勤務先の経営者が「今後の経営をどうするのか、今後私たちはどうなっていくのか」を(一応)語るのに、私は毎年一歩早く会場を出て、別の会場で忘年会の準備をしなければならないので、いつも聞けない。聞きたいのに。
今朝、その時のPPTファイルの格納場所をゲットしたので早速見て、憂鬱になる。
結構長く喋ったらしく、まず最初にウチの経営状況をしっかり伝えていたみたい。黒字だし、さらっと見れば経営状態は悪くないので、ほとんどの職員は何も思わないか、安心したことでしょう。でもねえ、外来患者が減っているのに、オペ件数が増えているとはどういうことなんでしょうねえ。
そして経営陣が今後の運営方針を決めるのに、コンサルを招いて研修を行い、その結果決まった2025年の方針がこれです! みたいな内容になっていて、拝見して軽く失望する。
まず、出てきた目標というのが「患者さんと職員の幸せを第一にします」「私たちは仲間を思いやり、お互いに大切にします」みたいな、具体性がないお題目ばっかり。小学校の道徳並み。
それから「職員の休憩時間の場所の確保、質を高める」とか掲げていたけど、今建てている新病院にそんな場所ないんですけど。今もう建ててるんですけど。私が見ている図面にはそんな場所はどこにもないし、今から作るスペースなんてない。脳みそどうなってんの。口先だけ。
そしてどうやら暑苦しい経営を目指しているようで、職員間のコミュニケーションを活発にするために、
年二回の勉強会で「自部署の紹介や熱い思い」を発表してもらおうとか、
部署内や部署間交流を活発にするために部署レベルで新年会・忘年会・納涼会をやろうとか、
休日に病院の駐車場を使って家族同伴でBBQをやろうとか、
部署内で定期的にランチ会をやろうとか、ほかにも交流会がてんこ盛りで、職員に感情ビジネスを強いる案ばっかり。
それだけではなく、経営陣がみなさんの意見を直接聞きますよ、ということで、昼休みに理事長室で面談してくれるんだって。きもちわるい。
あと管理職と経営陣が語り合う会もやるとある。これ私も含まれるんだろうか。まさか1対1じゃないよね。
PPTはコンサルを招いてお勉強をしているところの写真もふんだんに使われていて、経営陣が経営者ごっこをしているところを見せられている気持ちになった。きもちわるい。
僕たち民主的ないい経営者だね、嬉しいね、ってはしゃいで、楽しそうで良かったね。
これでエンゲージメントが強化されて、若い子たちがついてきてくれるといいね。
楽しみだなあ。
そして仕事納めの今夜は、退職するKさんと新しく入ってきたN氏の歓送迎会。こちらはちゃんと楽しかった。
Kさん、今より良くなるといいね。30過ぎて人間的にもそろそろこなれて、もう少し当りが優しくなれば、もっと飛躍すると思う。
メルヴィルの『漂流船』。面白い。まだ半分くらいだけれど、主人公の洞察力が試されている感じで、この漂流船にはなにか秘密がある気がする。ラストが楽しみ。