mlog

女一匹50代、ひとりもんの暮らしなんてこんなもん

映画『ドリアン・グレイ/美しき肖像』と『黒い画集 あるサラリーマンの証言』見た

 

〇島尾敏夫『魚雷艇学生』読む

 

2025/2/23(日)

確定申告しなくちゃいけないのにやる気が起きない。困ったもんだ。

それで映画『ドリアン・グレイ/美しき肖像(1970)』と『黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960)』を見た。どちらも面白かった。

 

美貌の青年が画家に肖像画を描いてもらう。青年は自分の若さと美貌に固執し、自分が老いるのではなく、肖像画の方が老いるべきだと考える。ジュリエット役の女優の卵と恋に落ち、しばらくは幸せな関係が続くが、ひどく喧嘩別れした直後、彼女は車にひかれて死んでしまう。肖像画を見ると、肖像画の自分の表情が険しく変化していた。

老いや悪徳を肖像画が引き受けてくれることになった主人公。友人らは老いていくが、主人公だけは二十代の美貌のまま老いることはない。主人公は急速に悪徳に耽るようになり、絵の方も加速度的に醜く変化していく。

 

圧倒的美貌のヘルムート・バーガーの面目躍如。美しい男だなあ。この美貌を見るだけでもこの映画は価値がある。

 

 

まあまあ良い会社で課長職を務める40男の主人公は、妻と二人の子がいる家庭持ち。にもかかわらず会社の若い女性社員と不倫中。

大久保の愛人の家から帰る途中、近所の住人とすれ違い、ついうっかり挨拶をしてしまう。翌日その隣人が殺人事件の容疑者で警察に捕まる。隣人は犯行時刻には大久保におり、主人公とすれ違ったことをアリバイとしてあげる。しかし主人公はそれを認めてしまうと愛人の存在が明るみになってしまう。徹底して「会っていない」と嘘をつきとおすが、その後自分も身に覚えのない殺人容疑をかけられてしまう。

 

小林桂樹が主人公。小林桂樹はおっとりしていて、ふわっと呑気な雰囲気がいい。優しそうだし、好きだなあ。