○安部公房『砂の女』読了
○安部公房『壁』読む
夕べ12時半ごろ、布団に入って『砂の女』のつづきを読み始めた。半分くらい読んだところだったんだけど、これが面白くって先が気になって仕方なくて、結局最後まで読んじゃった。3:30くらいだった。
それでテンションが若干高めになってるから、なかなか寝付けなくって、たぶん1~2時間くらいウトウトっとしたくらいでご出勤となった。
でもちょっとでも寝てると違うから、多分大丈夫だと思う。実際仕事はちゃんと出来た。
仕事が終わって家に着いてからこれを書いてるけど、今が超眠い。このまま何も食べずに、顔も洗わず歯も磨かず寝てしまいたいくらい。
『砂の女』は人生だった。安部公房は ”人生の真実” を描いてしまった!
これを読むと、自分が生きている人生が、実はこの小説と全くおんなじだということに気づかされる。ほんとに、人生ってこういうことなんだと思う。
いやー、やられたわ。私、安部公房に相当はまるかも。
これを読むと、人によっては大ショックを受けて、人生に対して失望するかもしれない。生きることに失望するかも。
だから当然、ラストの解釈も様々だろうけど、私はというとこれはハッピーエンドなのだと思った。主人公は幸せを手に入れたのではないかしら。
アリジゴクのような家に囚われる前の、それまでのフツーの社会人としての主人公の人生は、決して充実したものではなさそうだから、このアリジゴクの地獄の中で、彼は充実感を手にしたのではないかしらね。
すごく分かる。それが人生というもの。どうやら私はこれをかなりポジティブに読めた人間らしい。
若い時に読んで、年取ってからまた読むといいかもね。
続けて『壁』を読み始めた。今度は ”名前を失ってしまった男” の話。まだ読み始めたばかりだけど、なんかしんないけど朝起きたら名前が無くなってたんだって。おもろ。
安部公房って、SFなのかなあ。少なくともSFマインドを持ってると思うな。
そのあと眠気を押してアマプラで映画『どろ沼(1953)』を見た。ブリティッシュ・ノワール。
冤罪で12年の刑に服して出所した男が、自分をハメた人物に復讐を誓う。しかし人間味を捨てきれず、復讐心との狭間で揺れ動く。
まあまあかな。