2025/5/3(土)晴れ
今日は何にもしなかったけど、昨日は午後休を取って映画『ウィキッド』を見に行ったので、その感想を書く。
ずいぶん話題になっているように感じて気になっていたので、遅ればせながら見に行ってみた。もちろんアメリカ映画界が誇る大名作『オズの魔法使』を見ているので(DVDも持ってるので)、私としてはそれと比較しないわけにはいかない。
まずは批判から。デジタル映像でくっきりした映像、極彩色の華やかな美術、ミュージカル化して大ヒットした音楽、音楽界のスター アリアナ・グランデの起用と、ここまでやっても『オズの魔法使』にはあったファンタジーの神秘がまるでなし。
それにポリコレ臭ぷんぷんのキャスティングをしているくせに、マンチキン役はフツーの男だった。ヘタレが!と思ったね。ただのファッション・ポリコレ。この映画を作っているスタッフの気合が足りないと思った。小人を出せよ、小人を。
音楽もちっとも良くなかった。『オズの魔法使』のナンバーは本当に美しくて、心に沁みて涙が出てくるほどなのに。
それからアリアナ・グランデは、ビヨンセもそうだったように、この役だけでもういいと思う。
思えば北の良い魔女グリンダは、確かにコミカルさもある薄っぺらい女だったように思うからこの設定は面白いし、それを歌の上手いアリアナ・グランデが演じるのはいいと思う。別に演技も下手くそでもなかったし。
でも女優になるには、2時間でも3時間でも見つめつづけていられるような、人間的魅力が必要だと思う。アリアナにはそれがない。
でも全体の評価としては続編に持ち越し。今のところ判断がつかない。
なぜかというと映画は『オズの魔法使』の前日譚で、西の悪い魔女と北の良い魔女グリンダが、実は同窓生でお友達だったという設定だったので、
じゃあ二人がどのようにしてあのように仲たがいをし、西の魔女はなにゆえあんなに根性がひん曲がってしまったのかが語られるのだろうと思いながら見ていたけれど、なかなかどうも、そっちの方向に行かない。
西の魔女の名前はエルファバということになったみたいだが、彼女は ”完全緑色” に生まれてしまうという不幸な生まれ、不幸な生い立ち。にもかかわらず彼女自身は真面目で心根も優しくて、ちっとも根性は曲がっていない。
それどころか北の良い魔女グリンダの方が、クソ女だったんかーい、という状況。もっと言えば、出てくる人間全員がクソばかりで、エルファバだけがまとも。
だからここから一体どうやって、あそこにたどり着くのかしら、これは続編がなければ『オズの魔法使』までたどり着かないのでは?と思いながら見ていたら、最後に「つづく」となって、あはは、やっぱり、という終わり方。
というわけで、本作の評価はまったくできない。でも悪い印象でもないから、続編も見に行く。なので評価はそのあとに持ち越し。