○中村元『ブッダ伝』読む
2025/6/3(火)雨
『ブッダ伝』
最初はちょっと乗れず、一つ前に読んだ『ブッダが説いたこと』の方が読み応えあったなあ、こっちはちょっと落ちるなあ、と思っていたけれど、仏陀の悟るまでの様子、悟ってからの様子、布教活動するブッダの様子という具合に ”伝記” 的な部分にはいると俄然面白くなってきた。親近感がわいて、身近に感じられる。
それに読む順番が正しかった気がする。『ブッダが説いたこと』を先に読んで、仏陀の理屈の方をちゃんと読んでいたおかげで、今の『ブッダ伝』も頭に入ってきやすい。
ま、これまでにも数冊原始仏教関連の本は読んできているけど。
それにしても、みんな結構すぐブッダに感心しちゃって、あっという間に帰依しちゃうのね笑
14頭の牛を見失ったバラモンが一生懸命牛を探している、有名なエピソード。ここで仏陀が言うわけよ。
「自分は、14頭の牛を失くして六日間捜し歩いているのに、まだ見つからないよー、みたいなことはない。だから自分は幸せである。穀物倉が空になって、鼠は喜んでいるけれど自分は困ったよー、ということもない。だから自分は幸せである」
と、要するに「執着を捨てれば幸せになれるよ」ということを言うと、そのバラモンはこれだけでもう「ブッダ、あんたすげえや。一生ついていきます!」ってなるんだよね笑 はっや笑
こういうくだりがわんさか出てくるけど、どれもこれも似たようなもんで、みんなすぐに影響されちゃって、すぐ帰依しちゃうの。
「ブッダ、俺はそんな簡単に影響されないぜ!だから議論しようぜ!」ってなって、延々議論して、「負けましたー。あんたについていくぜ!」みたいなのは一人もいないの。
議論のくだりは省略されちゃってるんだろうけど、ちょっとユーモラスだったね。
まだ半分くらいのところだけれど、すでに悟りに一歩近づいた気がする。
いや、読んでいて「わかるわかる」「いやー、仏陀、そうだよね。私もそう思うし、そう思って生きてた」って思う私は、とっくの昔からイイ感じに悟りかけていたような気にすらなる。
悟るぞー。