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名作から駄作まで、見た映画の感想を正直に片っ端から記事にする、古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「マイ・ボディガード(1980)」 まるでポケモン。普通な感じが気持ちいい高校生青春映画

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題名 マイ・ボディガード
監督 トニー・ビル 
出演 クリス・メイクピース、アダム・ボールドウィン、マット・ディロン、マーティン・マル、ルース・ゴードン、ジョーン・キューザック、ジェニファー・ビールス
音楽 デイヴ・グルーシン
上映時間 97分
制作年 1980年
制作国 アメリカ
ジャンル 青春



私にとっては懐かしい、不良な感じのマット・ディロンが見たくなって、最近いくつか見直しているのだけれど、これもそのうちの一作。『レベルポイント(1979)』と『アウトサイダー(1983)』と『ランブルフィッシュ(1983)』の3作品に関してはすでに見直して、感想記事も投稿済み。

この映画の主役はクリス・メイクピースという少年と、この後そこそこスターになるアダム・ボールドウィン(ボールドウィン一族とは関係ない)。

当時、割とヒットしたみたいで、マット・ディロンはこの映画のムーディ役でスターになった。役柄であるムーディは ”サイテー野郎” だけど、マット・ディロン自体は格好良かった。

それにフィルムの画質がざらざらしてて質感が荒いのも、「ああ、70年代を感じるなあ」と思って郷愁を誘う。映画が始まった途端に画質を見ただけで胸が熱くなったよ。ほんと。


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****** あらすじ ******
主人公のクリフォードは父親が高級ホテルの支配人をしている関係で、ホテルの一室で生活している。ホテルマンが自転車を片付けたり、荷物を運んでくれたり、食事もホテルのまかないが食べられるし、学校の送り迎えもリムジンが来るしで、なんだかすごく待遇がいい。でも彼自身は勘違いしない、至って普通の高校生。

私立の高校から公立の高校に転校するけれど、そこは私立と違って結構ワイルドな生徒が多いらしい。まず問題なのがムーディ。彼は一人じゃなんにも出来ないくせに、仲間とつるんでイキがって、クラスメートから小銭を巻き上げてる。クリフォードも早速餌食になるけど、ムーディの言いなりにならなかったために彼らに目をつけられてしまう。

そしてもう一人、学校に全然来ない ”超大物” リンダーマンがいた。みんなが言うには弟の頭を撃ちぬいて殺したくせに無実になったらしい。それに教師を犯したり、他にも殺した奴がいるとか、やたらと物騒な噂が流れててクラスメートたちはみなリンダーマンを恐れている。ムーディのやつがみんなから金をむしり取る口実も「リンダーマンから守ってやる ”ボディガード”代」という言い草だ。

噂を信じないクリフォードは、ある日ふらっと学校に現れたリンダーマンに「ぼくのボディガードになってほしい」と頼むが、リンダーマンは相手にしない。諦めないクリフォードはリンダーマンの後をつけ、リンダーマンが廃車になったバイクの部品を集めて一台復活させようとしていることを知る。残る部品はあとひとつ、シリンダーだ。バイクに合うシリンダーを探しているうちに、二人の間に友情のようなものが芽生えてくる。

リンダーマンがクリフォードのボディガードになったことを知ったムーディは、リンダーマンよりももっと強そうなボディガードを見つけ出し、そいつを金で雇って対抗してきた。せっかく完成したバイクを壊され、池に沈められても抵抗しないリンダーマンにクリフォードは失望する。そしてリンダーマンは弟殺しの真実をクリフォードに打ち明けて家出してしまう。

少したって、池からバイクを引き上げに現れたリンダーマンと合流したクリフォードは、ムーディ一味と対決し、やつらをぶちのめすことに成功する。
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先に上げた3作品と比較すると、この映画はごく普通の青春映画という感じなのがいい。

『レベルポイント』は、暴れる動機が「退屈だから」なので理屈は分かるんだけど、展開がほとんど近未来ディストピア映画みたいになってて、10代の青春映画としては ”やりすぎだった” と思うし、

『アウトサイダー』も『ランブルフィッシュ』もすごく格好いいんだけど、不良ぶりがガチだから、共感というよりは「不良って格好いいなあ」という憧れだったと思う。「私にもこういうドラマが欲しいなあ」みたいな。

不良って、特別な子たちに見えたもん。私も仲間に入りたいなあ、みたいな。でも私にはその必然も勇気もなかった。


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でも、この『マイ・ボディガード』は本当にどこにでもいそうな少年たちで、描かれているような出来事も割とありそう(日本だと ”殺し” の噂は立たないだろうけど)。

私も中学生の頃だけど先輩に目をつけられて、トイレや階段の踊り場に呼び出されたり、先輩に後をつけられたりしたことがあった。すぐに飽きられたのか、深刻にならずに終わったけど、あれは本当に嫌な気持ちになった。

でも良かったこともある。階段を上っている私の後ろをぴったりつけてくる先輩に向かって、「どうして m だけ付きまとうんですか?」と、当時仲の良かった友人が言ってくれたの。あれは勇気ある行為だった。

今回久しぶりに見返してそういう出来事も思い出したし、それを別にしてもこういうリアルで等身大の青春映画っていいな、と思った。


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まず、主人公のクリフォードのキャラクターと、演じたクリス・メイクピースの普通な感じがとても好感が持てた。

なんとなく、いじめられっ子役というとどうしても「のび太」のような男の子を想像しがちだけど、クリフォードはそうじゃない。小柄だし、勉強ができるわけでも、運動ができるわけでもなさそうだけど、自分をしっかり持っている芯の強い賢そうな男の子で、いじめっ子のムーディにも簡単には屈しない。

あんな風にトイレに呼び出されて、不良数人に囲まれて、壁際に立たされて、濡らしたトイレットペーパーを投げつけられたあげく、学校中を追いかけまわされたりしたら怖いでしょう。

のび太だったら鼻水垂らしてドラえもんに泣きつくシーンなのだけど、クリフォードは割と無表情で、変におびえたりすることなく冷静な表情で対峙しているところが心強い。みじめったらしさがない。

まあ、結局はクリフォードもリンダーマンに助けを求めるわけだけど、クリフォードはリンダーマンと対等の立場を保ち続けているところが好感持てる。決して卑屈にならないんだな。彼の冷静な、処世術的な知性は好感が持てた。

卑屈さが無いのは愛されてるからなのかもしれないと思う。大金持ちではなくても、パパもおばあちゃんもクリフォードを愛してるのが伝わってくるし、ホテルのスタッフからも大切にされている感じで、そういう「自分は愛されている」と毎日毎日100%思える環境が、真っ直ぐな人間をつくるんだと思う。


このクリフォードをやったクリス・メイクピースは、この映画でしか見たことがない。俳優は続けていたようだけど、日本で公開されるような映画には出ていない模様。もう拝見することはないかな(出ていても気づかないかな)。


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スタッフと厨房の隅っこで夕食の図




次にリンダーマン役のアダム・ボールドウィン。

登場した瞬間、彼の巨漢にびっくり。身長は190cm以上あって、しかも体格がいいから登場の瞬間がすごく巨人に見えた。個人的には大きな男性よりも小柄な男の人が好きなんだけど、アダム・ボールドウィンはバランスがいいからカッコいいと思った。顔も好きな感じだし。

それに、レアな体験をしてしまって心が傷ついているせいもあって、ややぶっきらぼうで無口な役柄だったのも、よく似合っていた。喧嘩も申し分なく強そうに見えるし、良いキャスティングだった。

毎日おんなじ服装で、それもTシャツに大きめのジャンパー&ジーンズ程度のラフな恰好なのに、クリスの住むホテルに遊びに来る時だけはシャツにセーターなんか着て、髪の毛も梳かしていたりなんかして、「それなりに配慮してきました」というところが可愛かった。

アダム・ボールドウィンは主役級でドーン!というタイプの俳優ではないけれど、ヒット作にコンスタントに出ている有名俳優と言える。

『フルメタル・ジャケット(1987)』とか『プレデター2(1990)』とか『インディペンデンス・デイ(1996)』とか、私が得意としていないジャンルの映画にたくさん出てる(笑)。


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他の出演者に関しても簡単に触れておくと、ジョーン・キューザックとジェニファー・ビールスがこの映画でデビューしている。


ジョーン・キューザックは歯の矯正器具も初々しい、ムーディに恋してるけどまったく相手にされていないダサい女の子シェリーとして登場。

途中からはあんまり恋をしている様子はなくなっていくように見えるので、ムーディが見かけ倒しであることに気が付いた模様。

ジョーン・キューザックはその後、実力が認められて有名女優になっていく。

だけどそんなことより、同じく有名俳優の弟がジョン・キューザックという名前なので、パッと見ちょっと分かりにくいのなんなの、という考えが真っ先に頭をよぎるという超有名俳優姉弟。

ジョーンとジョン。

なんやねん。

もちろんこっちはもう分かってるから、名前見たら「ジョーンかな、ジョンかな」と反射的に思うように刷り込まれてるから困らないんだけど。

それにどういう訳か分からないけど、私が「見たい!」と思う映画に姉弟そろってまったく出てこないw 二人とも超有名俳優なのに。縁がないなあ。


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ジョーン・キューザック(左)とジェニファー・ビールス(右)



次にジェニファー・ビールス。ジョーン・・キューザック演ずるシェリーの友達という立ち位置で登場。映画のエンド・クレジットに名前はないし、セリフらしいセリフもないけれど、カメラにはしっかり映って結構目立っている。

彼女は言わずと知れた『フラッシュダンス(1983)』の人。この『マイ・ボディガード』で端役を演じた後、『フラッシュダンス』で主役の座を射止め、大スターになった。

実際映画は大ヒットだった。アイリーン・キャラが歌う主題歌『ホワット・ア・フィーリング』も大ヒット。

『フラッシュダンス』のヒットは当時の大衆風俗文化に大きな影響を与えたので、それをこう・・・今になって思い出しつつ考えてみると、単なるブームという枠組みを超えていた作品だったと思う。

『フラッシュダンス』は『フラッシュダンス』という映画が大ヒットしたというだけではなく、ダンス・ブームを起こし、ダンサーみたいなファッションを流行らせ(レオタードとかレッグウォーマーとか)、ダンス映画ブームを起こし(『フットルース(1984)』とか『ブレイクダンス(1984)』とか『コーラスライン(1985)』とか)、サントラ・ブームを起こし、映画サントラの作り方やヒット曲の作り方まで変えてしまった(ケニー・ロギンスとか)。


ジェニファー・ビールスは、そういうターニング・ポイント的な映画で主役を張って、これ一発でスターになって、これ一発で消えて行った。混血だから、音楽界ではなく映画界でスターで居続けるには不利だっただろうとは思う。

でも当時を知る人たちは、たぶん絶対に忘れないスターなのじゃないかな。結構堅実なイメージがある、好感度の高い女性だと思う。

その後も彼女は地道に活動して、それなりに復活し活躍している様子。



フラッシュダンス - ホワット・ア・フィーリン Flashdance... What a Feeling




・・・そして最後に悪口でなんだけど、私の嫌いなルース・ゴードンが今回もやっぱり嫌いだった。(-_-)アアヤダ 

出ていたのを知らなくて見始めたので、彼女の姿を見るや否や「あ、これルース・ゴードンが出ていたのか・・・やだなあ(しょぼん)」と思った。「しかもこの前とおんなじ役じゃん」とも。


「この前」とは映画『ハロルドとモード(1971)』のことで、私はこの映画の感想を書いた時、ルース・ゴードンうんぬんではなく、「映画は良いのだけれど、モードが嫌い、大嫌い」と、「登場人物のモードという女(婆さん)が嫌い!」と書いている。

その記事を見てもらえれば分かるのだが、わたしゃほんとにこのモードが嫌いで嫌いで。それも「生理的に受け付けない」という類。

何が嫌いかというと、来週80歳になろうという婆さんなのに、色気を出してくるあたりが嫌い。「死ぬまで恋に生きるわ」的な思想と行動力の持ち主で、年寄り同士でセックスするんなら勝手にしろって感じだけど、モードは10代の少年にも手を出すのね。

犯罪だっっつーの。つーか犯罪かどうかはどうでもよくて、生理的に受け付けないのだよ、生理的に。「うえーっ、やだやだ、ばっちいばっちい」って感じ。

枯れてくれ!!!


・・・まあ、このあたりは人それぞれの考え方や生き方があるだろうから、私の意見に対して反発を持つ人がいるだろう。私が有名人だったら炎上案件でしょう、間違いなく。昨今はデリケートな話題が増えた。地雷しかない。

それに批判だけではなく、馬鹿にする人もいると思う。「性的に解放されてないのね。可哀想。」とかなんとか。

でも「人それぞれの考え方や生き方」ということであるのであれば、私にだって私の考え方と生き方があるので、私はキライとハッキリ言っていいんだ。

私はヤダね!!


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キライ



と、今思い出しても感情的になって憤るほどモードが嫌いなのだけど、じゃあ今回の役柄はどういう役かというと主人公クリフォード少年の祖母の役で、モードとまったく同じ婆さんなのだった。

息子(主人公少年のお父さんね)が支配人をしているホテルに一緒に住み込んでいるのはいいんだけど、その自由奔放な態度に息子がハラハラしちゃう。その自由奔放さというのが、ホテルに訪れる男性客をバーで口説くという、やっぱりな役柄なのだった。

奥さんを同伴している旦那を口説くというね・・・奥さんおかんむり。それでホテルは「品位が損なわれる」ってんでバタバタしちゃって、息子はクビにされるんじゃないかと怯える始末。

・・・85歳くらいの皺くちゃな婆さんが科作って、色気出してる姿が私には無理ナノヨー。

(モードよりは出演シーンも少ないし、少年に手を出したりはしないので、だいぶマシとはいえ)



でももしかすると私はルース・ゴードンが嫌いなのかもしれない。これが他の女優さんだったら「かっくいいな!」と思うのかも。でもまだよく分からない。

私は今後ルース・ゴードンを見ることがあるのかしら、あるとしたら全く別の役柄なら好きになれるのかしらと思い、彼女が出演している映画リストを見ながらつらつらと考えてみたが、見るとしたら『ローズマリーの赤ちゃん(1968)』しかなさそう。ダーティ・ハリー・シリーズ見ないと思うし。


ところでその『ローズマリーの赤ちゃん』は怖~い映画で、私は怖い映画は苦手なのでほとんど見ないのだけど、これは原作がアイラ・レヴィンなので本は読んでる。アイラ・レヴィンのファンなんだ、私。

原作は大変面白いし、映画も評判が高いのでいずれ見てみると思う。

そうしたら全然違う役柄なはずだから(ミニー役らしい)、もしかしたら印象が変わるかも。でもミニー役だとすると嫌いなままかも(笑)。


ま、今回はこのくらい。じゃねー。



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