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名作から駄作まで、見た映画の感想を正直に片っ端から記事にする、古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「ステート・フェア(1945)」 ポップでキュートでチャーミングなラブロマンス

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題名 ステート・フェア
監督 ウォルター・ラング
制作 ウィリアム・パールバーグ
脚本 オスカー・ハマースタイン2世、ソニア・レヴィン、ポール・グリーン
出演 ジーン・クレイン、ダナ・アンドリュース、ディック・ヘイムズ、ヴィヴィアン・ブレイン
音楽 リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン2世
上映時間 100分
制作年 1945年
制作会社 20世紀FOX
制作国 アメリカ
ジャンル ミュージカル、ラブロマンス
受賞 アカデミー賞 オリジナル歌曲賞




1933年に制作された映画『あめりか祭』のリメイクで、アカデミー・オリジナル歌曲賞を受賞した有名作。その後今作を経て1962年にも再リメイクされているから、きっとアメリカの人気作なんだと思う。

個人的には、私の好きなウィル・ロジャースが出ている1933年版と、私のごひいきパット・ブーンが主演している1962年版の方がずっとずっと見たいのに、DVD化されていないっぽい。

パット・ブーンの1962年版は盛大にコケたらしいし、監督があの『ケイン号の叛乱』のホセ・フェラーが務めているとあっては、やっぱり1962年版を見たい! 見たいけどDVD化がされていないんじゃあ仕方がない。

諦めてこちらの ”コケていない” 有名作の方を鑑賞することにして、「ウィル・ロジャースだったら・・・」とか「パット・ブーンだったら・・・」とか想像しながら見ることにします。


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****** あらすじ *******
田舎娘のマージーは、なんか知らないけど幼馴染のハリーと結婚する約束になっている。ハリーは12歳の時からマージーを貰う気満々で、すべての計画をマージーありきで考えてきたけど、どういう訳かマージーはあんまり気が乗らない。ハリーが話す ”未来のマイホーム” とかにも興味を持てない。

父親のエイベルは今度のステート・フェア(品評会)に、自慢のブタを出すつもり。母のメリッサもピクルスとミンスミートで参戦予定。二人とも今年こそ優勝をもぎ取るぞ、とやる気満々だ。兄のウェインはステート・フェアにお目当ての彼女を誘うつもりだったが上手くいかずに断念。実は昨年、的屋の「輪投げ」ゲームに8ドルもつぎ込んだあげくに詐欺だったので、今年はその的屋に仕返しをしようとこの一年熱心に練習してきたのに、彼女にいいところを見せられなくなって意気消沈してしまう。マージーも幼馴染が冴えなくてパッとしないし、
兄弟そろってパッとしない。

でも今年もステート・フェアが始まった。みなそれぞれのやるべきこと・・・エイベルはブタを一位にすることに集中し、メリッサはピクルスとミンスミートでライバルを打ち負かすことに、ウェインは輪投げの的屋への仕返しに集中する。マージーは・・・実はあんまりやることがない。ひとりでコースターに乗り込むが、そこで新聞記者のパットと出会って意気投合。ちょっと女たらしっぽいけど、マージーは初めての恋にうきうきしてくる。一方兄のウェインも的屋への仕返しを手伝ってくれた歌手エミリーに恋していた。

マージーとウェイン兄妹の恋の行方はいかに? そしてエイベルの自慢のブタとメリッサのピクルス&ミンスミートは一位になれるか?! それらをミュージカルナンバーに乗せてお送りします!
**********************

という感じ。


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真剣に審査中



映画はかなり楽しくて、「これぞアメリカ映画!」っていう感じ。明るくてポジティブで善良で、難しいこともなくて気持ちいいほど分かりやすい。結構楽しめた。

映画は確かにミュージカルなのだけど、ガンガン歌って踊って!っていうタイプではなく、割と落ち着いた感じ。踊るシーンもあるけど、お祭りでみんな楽しく騒いでいるっていう感じで、ミュージカル感は少なめ。みんなすごく楽しそうだった。ミュージカルが好きじゃない人でも楽しめると思う。

ありがちな感想だけど・・・日本目線で言うと敗戦した年である1945年の制作なのね。いやあ、日本は散々戦争して疲弊してズタボロだったのに、一方のアメリカはこんなに明るくてポップでキュートでチャーミングな映画を撮ってるんだもの、参るなあ。「こりゃ勝てないわ」っていう気持ちになる。アメリカの豊かさ再確認!っていう感じになった。


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ところで私は「ミンスミート」が何なのかを知らなくて、大容量アイス(昔のレディボーゲンのデカいヤツみたいな)の容器みたいなものに何かを入れてかき混ぜたりしていて、私は最初ソーセージになるのかなと思ったけどどうも違う。レディボーゲンの容器のまま会場に運ばれて、スプーンですくって食べている。

ネットで調べてみたら、イギリスの伝統料理でドライフルーツやナッツを主体にした食べ物で、それをパイの具にしたものがミンスパイと呼ばれるのだとか。ミンスパイはキリストさまのゆりかごを模したものらしい。ぜんぜん知らなかった。

ミンスミートは日本でも瓶詰などで売られている様子。興味ある方は味見してみてください。




ところでこの兄妹それぞれの恋愛劇だけど、妹であり主人公のマージーには婚約者みたいなことになってる幼馴染ハリーがいて、こいつが結構サエナイ男なの。このハリーを見ていて「男の人は大変だな」って思っちゃったんだけど、それは何かというとこのハリーはものすごく堅実で、マージーと結婚したあとの生活に関して実に具体的に計画を立てているの。

若いのに自分の将来の展望がやたらと具体的で、農場をすることにしているのはいいとして、自分たちが住むことになる家の内装とか家具の事までいろいろ考えて決めているの。その将来の夢をマージーに語って聞かせるんだけど、それが牛の世話の話を皮切りに、「農地も君が気に入れば買ってもいいよ、家も建て替えよう、プレハブ工法がいいよ、シロアリ対策もバッチリさ、床はリノリウム素材がいい、何もかもがぴっかぴかさ!」という具合。

それを聞いているマージーはなんか、、、「私の人生、これなんかなあ、こんなもんなのかしら人生って」みたいな顔してボヤっとしていて、まだ目覚めていない感じ。それなのに「世界を旅行」みたいなところは急にキラキラして元気になるあたりも、まだ子供。

ハリーの語る未来があまりにも現実的でロマンチックとはかけ離れているので、私は「ああこれじゃあマージーは恋には落ちないだろうなあ」とおもた。やっぱりマージーは若いんだから、もう少し夢とかロマンとか冒険とかミステリアスとかがないと、うっとり恋も出来ないよ。

堅実だし、しっかり考えてる感じなんだけど、そうじゃないんだよね・・・彼はそこが分かってない。


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お話つまんないの・・・




するとフェアで知り合った新聞記者のパットの方は、女たらしなのは間違いないけど、それでもやっぱり恋の相手としては魅力的。だって行き当たりばったりなんだもん。計画じゃなくて、衝動的。たまたま目の前に可愛い子がいるから誘っちゃったし、でも後のことはあんまり考えてないの。マージーがパットに恋しちゃう気持ち、分かる。

ということは、男の人は自分がロマンを追いかけて夢見がちだと「地に足がついていない」とか「いつまでも子供っぽい」とか「責任感が無い」とか散々言われてしまい、逆に超現実的だと今度は「夢が無い」「現実的すぎてロマンチックさに欠ける」「つまんない」とか言われてしまうことになる。

うーん、どうしたらいいんだろうなあ、と他人事ながら思った次第です。男の人はほんと大変だと思う。


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きゃー♡



次に兄貴のウェインの方は、フェアで知り合った歌手エミリーに恋しちゃうんだけど、私が最初「え、お兄ちゃんには釣り合わなくない?」と思ったのは、エミリーは大人の女!!っていう感じで、歌手だし都会的だし、バツイチだったりもして実際大人なんだけど、ウェインは明らかに純朴な田舎者なんだもの。

なんか田舎の大学出たばっかり、みたいなファッションだったり行動だったりしていたから、さすがにエミリーは無理でしょうと(私はこのエミリーみたいな大人の女っていう雰囲気、好きです)。

と・こ・ろ・が、どうやらこのウェインは美声なうえに歌が上手かったらしくて、歌を披露した途端にイケメンかつ大人な感じもしてきて、お似合いに見えてきた!!

特技があるというのは人の印象すら変えるなあ。急に頼もしく見えてきて、このまま歌手になって一緒にアメリカ中を回ったらどうかしらとさえ思った。

きっとこの兄貴ウェイン役を、1962年版はパット・ブーンが演じたんだろうなあ。今回ウェインをやったディック・ヘイムズよりも甘くて幼い(ピュアめの)ルックスだから、すごくぴったりな配役だと思う。田舎から来た善良純朴なピュア青年が大人の女に恋をするという役柄に、パット・ブーンは良く似合いそう。


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両親のエイブルとメリッサも可愛らしい理想的な仲良し夫婦で、こんな風だったら幸せなだろうなあ、いいなあ、と思うこと請け合い。いつも一緒で、腕組んでフェアをデートみたいに歩いてる姿がチャーミング。アメリカ人らしくユーモアと愛情&人情もたっぷり。

1933年版のウィル・ロジャースは間違いなく父親のエイブル役だったろうな。絶対はまり役だったと思う。まるまっちくって可愛いかった今回のチャールズ・ウィニンガーと比べて、ウィル・ロジャースの方がもう少しシャイな感じになるのではないかと予想する。

見たいなあ。1962年のも1933年のも。

なんとかならないかなあ。


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