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【映画まとめ】 666は獣のしるし。『オーメン』全5作まとめ記事。


 


mです。

今回は私の好きな『オーメン』シリーズをご紹介。映画は全部で5作品作られていますので、それを制作順に紹介してみたいと思います。

かなりネタバレを含む、私の愛と独断と偏見に満ちた感想を展開していますので、まだ見ていない方はお気を付けください。


 
 

映画『オーメン』の基本のキ


『オーメン』と言えば 666、666と言えば獣(悪魔)のしるし なのですが、出典は新約聖書『ヨハネの黙示録』です。

引用:「また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた。そこで、この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。」(新共同訳聖書 ヨハネの黙示録13章16-18節)
 
だいぶ分かりづらいと思うのですが、興味のある方はネットやYoutube検索していただくと大量に参考資料がヒットするのでそちらを当たってください。Youtube動画だと「絵がつく」ので分かりやすいし、笑える(と思う)のでお勧めです。

リンク貼っておきます。


www.youtube.com



 
ともあれ、日本でこの「悪魔の数字666」を一躍有名にしたのがこの映画『オーメン・シリーズ』です。1976年、1978年、1981年で完結しますが、1991年と2006年にはリメイクされています。

キーワードは「ホラー」「オカルト」「宗教」「アンチキリスト」「聖書」。アンチキリスト映画の代表作です。

どういう映画なのかをひと言で言うと「サタンと山犬の間に生まれた悪魔の子ダミアンが、成長するにしたがっていっぱしの悪の代表になっていけるかな?」という話で、私たち観客は彼の成長を見守ることになります。

幼い頃のダミアンは、無意識とはいえまあ殺すこと殺すこと。生まれた瞬間にもうふたり殺してますからね、期待できそうです(ダミアンが殺してるんじゃないかもしれませんが)。

ホラーと言っても比較的穏やかな方なのではないかと、ホラー嫌いで全然見ない私が予想してみました。私はこのシリーズは大丈夫です(ホラーというよりオカルト聖書映画だと思っています)。
 
 
 

第1作目:『オーメン(1976)』(原題:The Omen) 


おすすめ度 ★★★★

監督は『スーパーマン(1978)』や『リーサル・ウェポン(1987)』なども担当しているリチャード・ドナー。

主演はグレゴリー・ペック。若い頃は超絶美男子であり、『ローマの休日(1953)』や『白鯨(1956)』『大いなる西部(1958)』など代表作多数、『アラバマ物語(1962)』ではアカデミー主演男優賞を受賞した大スターです。

音楽担当のジェリー・ゴールドスミスが、この仕事でアカデミー賞作曲賞を受賞しています。



この映画を一言でいうと、生まれた瞬間にもう2人殺している、悪魔の子の物語です。

このパート1の主人公は悪魔の子ダミアンの父親である外交官ソーン(グレゴリー・ペック)です。

待望の子供が死産で、妻が悲しまないよう代わりに引き取った子供がなんと悪魔の子だったため、ソーンの身の回りでは不穏なことが次々起こり、関係する人物が次々と凄惨な死を迎えていきます。息子ダミアンが悪魔の子と知ったソーンは、ダミアンを殺すことを決意する、という話です。


ダミアン役のハーヴェイ・スペンサー・スティーヴンス君がすごい悪魔です。

目が凄いんですよ。この頃4歳、本当に念力で人が殺せそうな眼力。相当滅ぼします。

彼はこの映画でほとんど喋っていないんですけど、それに気づかせないくらいの眼力で語りかけてきます。

終始無言で無表情だったダミアンが、ラストシーンで見せる戦慄の笑顔が印象的で、すごく記憶に残ります。

監督は「絶対に笑わないでね」と言って演出したそうですが、ダミアン役のハーヴェイ君は笑ってしまって、結果的にはそれが採用されたのだとか。

ナイス、ハーヴェイ君。ホラー映画史に残る笑顔になりました。


70年代特有の、フィルムのザラザラした映像もオカルト・ムードを盛り上げるのに効果的でしたし、脇を固める俳優陣も渋くて説得力満点。

演技が怖い、顔が怖い、殺され方もエグイ。悪魔側はみんな目がイッちゃってます。

ちゃんとした大人のプロフェッショナルたちが、真剣に大人のオカルト映画を作りました、という感じ。


オカルト好きならこの映画はもう一般常識。絶対見てないとダメなやつです。

オカルトってなに? という方にもかなりオススメの一作です。



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第2作目:『オーメン2/ダミアン(1978)』(原題:Damien: Omen 2)


おすすめ度 ★★★

続編の監督は『新・猿の惑星(1971)』などのドン・テイラー。

ダミアン役にジョナサン・スコット・テイラー、ダミアンの養父となる実業家リチャード役に『サンセット大通り(1950)』ほか多数のウィリアム・ホールデン。


今回のダミアン君は大覚醒します。いやー殺してましたね。ザコキャラも入れてざっと12人死んでます。前作でも多分6~7人は死んでますけど、その倍です。

登場は割と普通の「小生意気な中学生風」「意外と元気ハツラツ、楽しそう、幸せそう」な感じで登場します。理由は「自分がまさか悪魔の子だなんて思っていないから」です。ダミアン君、なんと自覚がなかったんですね。

その後、自分の周りで次々と起こる事件や死、周囲の大人たちの導きを通して、自分が何者なのかを知ることになります。最初は戸惑いますが、運命を受け入れたダミアンは悪の権化として着実に成長、覚醒していきます。


学校のトイレで、自分の体に ”666” が刻まれていることを知ったダミアン君が、ショックのあまり学校を飛び出し、ひとりで海を眺めるという昔の青春ドラマみたいなシーンが見られます。

悪魔の子も普通の男の子なのでした(ほんとかよ)。


そんな普通の青春ドラマしてる悪魔の子が、一人前の悪の子になっていくのが、このパート2です。



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※このパート2で描かれる、ダミアン君のフクザツな ”乙女心の男版” といいますか、思春期の男の子ぶりに関してはちょっと言いたいことがあるので、別記事を立てる予定です。




第3作目:『オーメン3/最後の闘争(1981)』(原題:Omen III: The Final Conflict

 

おすすめ度 ★★

オーメン・シリーズ完結となる三作目の監督は、私は良く知らないグレアム・ベイカーというお方です。

ダミアン役には、有名なのかスターなのか名優なのか、そうでもないのか、私には良く分からないサム・ニールです(好きなんですけど)。

サム・ニールは個人的には1985年のTVムービー『ケインとアベル』のケイン役が一番印象に残っていますが(これ傑作です)、潜水艦物の有名作のひとつ『レッド・オクトーバーを追え!(1990)』や大ヒット文芸作『ピアノ・レッスン(1993)』、超娯楽作『ジュラシック・パーク(1993)』など、キャリアの要所要所で上手くヒット作を押さえているという印象です。


本作はパート2から20年後(!)。すっかり大人(32歳)になった ”悪魔の子” ダミアンが、近い時期にイギリスに新しい ”神の子” が誕生することを知り、それを全力で阻止しに行くという話です。

これから生まれる ”神の子” 側のキリスト教修道士たちがダミアン殺害に動いたり、ダミアンは父なるサタンを動員したりして、神vs悪魔 のハルマゲドン的攻防が起こったり、神の子が生まれた途端に自分から力が失われていくのを感じたダミアンが、生まれたばかりの神の子を殺そうと、同じ日に生まれたすべての男子の殺害を命じたりと、聖書っぽい攻防が描かれます。

最後にはキリストまで登場するという壮大さ。


とはいえ、かなりグダグダのおバカ映画で、

①「神の使者」であるはずの修道士たちが間抜けすぎる
②「サタンの子」ダミアンの野望がしょぼすぎる
③ ダミアン役のサム・ニールがミス・キャストな気がする(せいぜい悪徳専務レベルに見える)
④ 20年後って、間が空きすぎでは(その間なにしてたの)
⑤ ラストのいきなりの神目線に衝撃。神賛美。主役交代ですか。
⑥ 神様は今までなにしてたの

と、色々思うこと請け合いです。


中でもひどいのが、今作ではダミアンの20年後の成長した姿が拝めるということで「さぞかし魅力的な悪魔の子に成長してて、人類を滅ぼそうとしたりなんかするのかしら」と思ったら、ただ単に叔父さんの事業を継いだだけというありさまです。

ただ大企業の社長になっただけ。悪魔の子にしちゃ、しょぼすぎないですか。20年間何してたのかしら。だいぶがっかりしましたよ。

そのダミアンが口にする野望というのが、上院に立候補しようとか、国連ユース会議の代表権が欲しいなあとか、そんなことを ”大統領” にお願いしたりして・・・なんかみみっちい。悪魔の子は大統領より弱いのですか?

あー、もっとダイナミックに人類を滅ぼそうとして欲しかった。

結局ダミアンって、何がしたかったんですかね。私にはさっぱり分かりませんでした。



それに映画のラストがいきなりの神目線になってて衝撃でした。神賛美。主役交代。

パート1、パート2と、私がずーっと見守ってきたのはダミアンくんなんですけど。誕生からずっと見守ってきたのよ。

それまで神など影も形もなくて、私は内心パート1パート2とずっと「神はなにしてんの」と思っていたのですが、ここに来ていきなり登場。「え、いたの?」みたいな、「あ、ここで?」みたいな、そんな唐突感。

しかもラストのおいしいとこだけ持っていこうみたいな、それもやたら壮大にドラマチックに登場してたので、無宗教の私はちょっと笑っちゃいましたよ。「でたー」とか。「神wwwww」とかって。

「ダミアンくんがんばれワクワク」的な私の気持ち、どうしてくれるのかなって思いました。

結局、神様が主役のシリーズだったんですね。がっかりです。


このシリーズは好きなので、褒めたかったけど褒めるとこなくて、こんな紹介になってしまいましたが、私のせいではありません。がんばって褒めたかったけど、ちょっと無理。ま、おバカ映画としては面白いんですけどね。



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第4作目:『オーメン4(1991)』(原題:Omen IV: The Awakening) 

 

おすすめ度 ★

これはだいぶB級でしたね。なんと悪魔は世襲だった! という驚きの内容です。

これはリメイクなのか続編なのかちょっと判断しにくい作品で、主人公の悪魔の子が「女の子」になっている以外は、ストーリーや展開は完全に第一作の『オーメン』とほとんど同じ。


弁護士夫婦には子供が授からなくて、シスターから譲り受けた女の子ディーリアを養女に迎えて育てることして、弁護士は議員に立候補して出世していき、ディーリアは聖なるものへの拒絶反応を示しながらも、まあ幸せそうな時期もあって、でもディーリアの周りでは次々と不審なことや死人が出たりする。

遅まきながら自分の子供を身ごもった母親は、いよいよディーリアがサイコ少女だって気が付いて怯えて、ディーリアの出生の秘密を私立探偵に探らせるけど、真相に近づいた探偵は不審な死を遂げる。

男の子を産んだ母親は、ディーリアも息子も悪魔の子だと知ってディーリアと対決しようとするけど結局死に、ディーリアと生まれたばかりの弟と、何も気が付かない鈍感な父親と共に画面の向こうに去っていく。

犬も出るし、乳母もいるし、結構オリジナルを踏襲したストーリー展開。


なのでそういう意味ではリメイクと言っていいと思うのですが、ラストでその女の子はなんとダミアンの娘だった!(ババアアアン!)となると、まあ確かに続編なのかな、というところ。ま、どっちでもいいんですけどね。


今回のディーリアは実の父ダミアンと違って、幼いころから意識的に人を殺している様子でした。そこらへんは「さすが女の子、ませてますね」ってところかしら。


見ていて、なんだか俳優も演出もTVドラマ並みの安っぽさだな、と思いましたが、そもそもアメリカのTVムービーとして制作されたものを、日本では劇場公開した作品のようです。だとしたら納得の不出来です。

序盤の俳優陣のバタバタ演技もそうですけど、キリストが磔になった十字架が、ガタン!ってさかさまにひっくり返った時は久しぶりに笑ってしまいましたわよ。おもしろかった。

日本ではオーメン・シリーズは人気があるので、劇場公開してもいけると思ったんでしょうけど、当時劇場で見てしまった方には気の毒なことでした。




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第5作目:『オーメン666(2006)』(原題:The Omen)


おすすめ度 ☆なし

本作の公開は2006年6月6日で、ヨハネ黙示録の獣の数字666に併せて公開されたリメイク版です。

監督はジョン・ムーア、出演はリーヴ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック、ミア・ファロー、デヴィッド・シューリス、ピート・ポスルスウェイトなどです。


駄作でしたねー。

内容はほとんどオリジナル(第一作『オーメン(1976)』)と同じです。死に方が少し違うくらいで、映画ラストのダミアンの笑顔まで、ほぼオリジナルを踏襲しています。

すごく同じなのに全然違うという、かなり悲惨な出来です。オリジナルに対するリスペクトも愛情も感じられず、ただなぞっただけで、志(こころざし)がまるで感じられませんでした。

過去作品をわざわざリメイクするということは、良い悪いはともかくオリジナルを見て「俺ならこうする!」「ここはこうした方がもっと良くなる!」「新しい解釈を加えたい!」というような改善欲求があると思うのですが、そういう熱い思いは全く感じられません。

オリジナル・ファンは「なぜリメイクをしたのか」が全く理解できないのではないでしょうか。

私は監督にやる気がなかったのかなと思いました。きっと上から「666が並ぶ2006年6月6日に合せてオーメンをリメイクしたらウケるんじゃね」くらいの、「無難に過去のヒット作の安易なリメイクで稼ごう」みたいな企画が下りてきて、惰性でテキトーに制作したのでしょう。


せめて俳優陣が気を吐いてくれればよかったんですが、こちらも誰もオリジナルを超えられなくて、唯一期待の星だったミア・ファローも思ったほどのインパクトを残せていません。

振り返ってみれば、オリジナル版は大人から子役まで貫録が違いました。

とはいえ、Amazonレビューを見ると、オリジナルを見ていない視聴者からは好評も得ているようなので見るべきところもあるのかもしれません。

でも私は言いたい。これを見るくらいならオリジナルを見ましょう。あるいはこれが面白いと感じたのならオリジナルも見ましょう。

 


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以上、オーメン5本立てでした。




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