Авторство: Paramount Pictures. http://photos.lucywho.com/the-italian-job-photo-gallery-c17423801.html, Добросовестное использование, https://ru.wikipedia.org/w/index.php?curid=4052846
おすすめ度 ★★★(個人的には★4)
題名 ミニミニ大作戦(The Italian Job)
監督 ピーター・コリンソン
制作 マイケル・ディーリー
脚本 トロイ・ケネディ・マーティン
出演 マイケル・ケイン、ノエル・カワード、マーガレット・ブライ、ベニー・ヒル
音楽 クインシー・ジョーンズ
上映時間 99分
制作年 1969年
制作会社 パラマウント映画
制作国 イギリス
ジャンル コメディ、車、犯罪、カーチェイス
あらすじ
刑務所から出所したばかりのチャーリーは、早速次の仕事を頼まれる。イタリアの現金輸送車から、400万ドル相当の金の延べ棒を白昼堂々、盗み出そうというのだ。
刑務所に収監されている犯罪者の超大物ブリッジャーの支援と仲間の協力を得て作戦開始。イタリアの交通網を麻痺させ、ミニ3台を所狭しと縦横無尽にトリノの町中を走らせて金塊強奪にまんまと成功、そのままスイスへトンズラしようとする。
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実にテキトーな映画である(笑)
原題は「The Italian Job」。直訳すれば「イタリア人の仕事」。
でもGoogle翻訳をかけると「いいかげんな仕事内容」と出る。
おーい、イタリア人言われてるよー、って思ったが、当時イタリア人はこの題名なのに気持ちよく撮影を許したらしい。すてき。
まあイタリア人の仕事の適当さは昔からよく言われていて、レストランなのに昼間やっていないとか、休憩ばっかりとっているとか、とかく言われやすいお国柄。ああ、うらやましい。
第二次世界大戦ジョークでも、「今度やるときはイタリア抜きでやろうぜ!」というものがあったりもする。
でも、ミケランジェロとかダ・ヴィンチとか、ルネッサンスの人たちはイタリア人ですから・・・
ダ・ヴィンチは絵描きだけど、ミケランジェロなんて彫刻ですよ。ノミとツチでコツコツと大理石を削っていって、ダヴィデ像とかピエタとか造れる? 怠け者の仕事ではない。
料理もおいしいし、車も名車が多い。「やるときはやる」「やるヤツはやる」ということなのかしら。
題名が差す「いい加減な仕事」とは、映画の中のイタリア警察の後手後手の対応をおちょくったものらしいけど、いやいやどうして泥棒集団のイギリス勢もかなりアレな仕事ぶりでしたよ。
もうとにかく計画がテキトー。メンバーも頼りないことこの上ないし、緻密さとはかけ離れた脚本で、「大丈夫かあ?」と思うほど。
どちらもかなりな名勝負。
言わずと知れたカー・アクションがある意味有名
カー・アクションが意味不明にすっとぼけてる。「なんでそこ行った?」と思うこと請け合い。
まるでミニのCMみたいで、街中は歩道からプロムナードから、地下鉄から川から下水道から、劇場かなにかの屋根から、とにかくミニの小回りを存分にアピールしたシーンが連続。
行く必要あんのかと。
ていうか逃げる気ないでしょ、と (笑) むしろ目立ちすぎだもの。わーい、ミニで行けるとこは僕たち全部行ったよー、という感じ。
だいたいあんなに金塊積んでて、その小回りはないよ。
赤白青のミニだけでなく、ランボルギーニとかジャガーとかアルファロメオとか、名車が続々でてきて車好きは喜びそうだけど、映画冒頭いきなりランボルギーニが大破することころから始まり、どの車も無残な姿に・・・。
作戦に使うミニも練習段階で次々とオシャカにし、ミニを追いかけるパトカー(アルファロメオ)も次々とオシャカになる。
見どころは他にある
だけどこの映画の見所はストーリーではなく、軽妙な演出と俳優陣の演技にある。
チャーリーとローラのソウルメイトぶり
まずチャーリー役のマイケル・ケインが、いつものように飄々とスマートに登場。出だしの刑務所から出所する姿からして格好いい。ファッションはモッズなのかな? スーツ姿も決まっている。私、マイケル・ケイン大好き。
By POV - Impawards, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=6757483
出所してチャーリーを迎えに来ているのがチャーリーの女(ローナ)なんだけど、その車がパキスタン大使館の車。
迎えに来る車まで盗んじゃってるの。泥棒として徹底してる。そんなローナに説教してみせるマイケル・ケインの真顔もおかしい。どの口がww
チャーリーは女好きっぽい演出もあるけれど、ローナを大事にしている風もあって、憎めないキャラ設定。
だいたいローナは「出所祝いよ」なんて言って、チャーリーのために大勢の娼婦を待機させたりしているくせに、チャーリーが女を連れ込んでいたらヤキモチ焼いて怒ったりして。
その喧嘩のシーンもサブカル全開な部屋で、チャーリーは大きな熊のぬいぐるみを抱えていてかわいいし、作戦がいよいよ開始されると、ローラを心配して国外へ出しておこうと空港に送りに行ったりする優しいとこも見せたりして。
「愛してるわ!」と叫ぶローラに「いいから行けって」と、腕を振り回して「やめろよ」って照れてる感じもかわいい。うまいキャラ設定。
この二人、私には理想のカップルに見える。
脇役もテキトーでとぼけててじわる
他にもコンピューターの専門家で「超デブ専(笑)」のサイモン・ピーチ教授。年齢関係なく、とにかく「大きな女性」が大好きみたい。
他の3人の仲間たちはモブなんだけど、金塊を運ぶミニを運転するドライバー達のくせに、「後ろに乗ると酔うヤツ」「後ろに乗ると頭が痛くなるヤツ」「後ろに乗るとぜんそくが出るヤツ」の3人なの。運転する気あんのか。前だからいいのか。運転手の鑑なのか。
最後の最後に長距離バスを運転する係の黒人ドライバーなんて、バックミラーに映っている顔が、とにかくずっと笑っていて、「わらってんなー」と、じわじわとおかしくなってくるし。キメてたのかしら。
刑務所も大物ブリッジャーもすっとぼけ
で、刑務所にいる超大物ブリッジャーも曲者というか、やっぱりすっとぼけてておかしい。
刑務所生活をめちゃくちゃ満喫してて、トイレは専用のトイレがあてがわれていて看守がうやうやしくトイレットペーパーを手渡したりしているし、部屋も広くて、信奉している女王陛下の写真で壁中が埋められていて、カウチで新聞を読むという優雅な生活。
所作もゆったりしていて、どこぞの貴族みたい。刑務所の所長と面会しているときも、どっちが所長なのか分からない。
作戦が成功したときなんて(とりあえずね)、刑務所の犯罪者たちだけでなく看守たちも一緒になってブリッジャーをお出迎えして、食器を鳴らして偉業をたたえるありさま。名前を連呼して、ブリッジャー様もご満悦。
この刑務所すごく楽しそう。チャーリーは出所したのに忍び込んでブリッジャーに会いに行っているし、ブリッジャーに至っては出入りは自由自在なのかな?
そんなブリッジャーに刑務所の所長は「管理が甘い」と説教される始末。ザルだなあ。楽しそうだなあ。入りたいなあ。
このブリッジャー役は『バニーレークは行方不明(1965)』で、ものすごくいやらしい大家をやっていたノエル・カワード。
今回は全然いやらしくなかった。「バニーレーク」の時はほんとうにいやらしい男だったもんで・・・俳優って、すごい。
そしてラストのおバカぶり。だからー、黒人のバス運転手さんさー、ずっと笑ってるからそうなるんだよ。もう楽しくって楽しくって仕方ないみたいになってんじゃん。それでうひゃひゃと楽しそうに「イタリアのいろは坂」を右へ左へハンドルを切る! で、やらかす。
そして流れる主題歌「自己防衛の社会」がまた楽しい。オープニング・テーマも渋くて雰囲気出てたし、終始「楽しませよう、楽しませよう」という制作陣の意気込みが伝わってくる。
2003年にはマーク・ウォルバーグでリメイクもされていて、そっちも金庫破りとかもあって面白かったけど、私はオリジナルの方がおしゃれで好き。
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