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【映画】「ヒズ・ガール・フライデー(1940)」 ~早送りか! マシンガン・トークが冴えわたる~

おすすめ度 ★★★

題名 ヒズ・ガール・フライデー(His Girl Friday)
監督 ハワード・ホークス
制作 ハワード・ホークス
出演 ケイリー・グラント、ロザリンド・ラッセル、ラルフ・ベラミー
上映時間 92分
制作年 1940年
制作・配給 コロンビア
制作国 アメリカ
ジャンル モノクロ、コメディ、ラブ・ロマンス

 

 

あらすじ

主演のケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルの二人は新聞記者コンビで元夫婦。
元旦那の方は彼女に未練たらたら。ところが彼女が編集部に再婚相手を連れてきて、その上記者を辞めるとまで言い出す。元旦那は彼女を取り戻そうと、口八丁手八丁で引き留めようとして、手始めに明日絞首刑になる男の取材に引きずり込む。

 


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映画の特徴

なかなか面白いコメディだった。ラブコメなのかな。

ストーリーがどうのというより、主演の二人がまあ喋る喋る。みなさんはここまで喋りまくる映画を見たことがあるでしょうか。

ほとんどのシーンが、二人両方かどっちか片方の出演シーンで、しかもずっと喋っている。会っても電話でも、とにかく早口で喋りたてる。まるで早送り。1.25倍速ってこんくらいかなって (適当)。

ロザリンド・ラッセルって喋りで有名だったらしいけど、いやいやケイリー・グラントも全然負けていない。よくあんなに台詞を覚えられるもんだと感心するやら、呆れるやら。

こういうのをスクリュー・ボール・コメディって言うらしい。

 

 

妻役のロザリンド・ラッセル

そのロザリンド・ラッセルですが、ピシッとしたスーツ姿も颯爽と格好よく、かなり現代的(帽子は私にはムリ)。今見てもちっとも古臭さを感じさせない(帽子は無理)。

その上ユーモアがあってチャーミング、自信満々で太っ腹、みんなの人気者。だけどイヤミがない。女性にも人気が出そうなサバサバした感じで、無敵ですな。うらやましい。


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旦那役のケイリー・グラントは相変わらず

「おめめぱっちり」ケイリー・グラント。

今作ではロザリンド・ラッセルに負けず劣らずのマシンガン・トークを繰り広げ、憎めない軽妙な女たらし、ちょっと詐欺師並みの頭の良さ、キレの良さを見せる。犯罪すれすれと言うより、もう犯罪。良いヤツなのか悪いヤツなのか全然わからない役。

そして相変わらず顔が濃かった。

そして相変わらず、よく言えば「オシャレで軽妙洒脱な都会派」、悪く言えばだいぶ「軽い」。

こんなに軽い男、あたしゃヤダね。

 


By Columbia Pictures - Source, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5670741



だけど実はケイリー・グラントは結構フクザツな家庭に育っていて、母親は精神疾患を抱えていて失踪、父親は子供の彼を捨てちゃうし、かなり悲惨なのだった。

ゲイ説もあるし、人気絶頂期に引退を宣言したりもしているし、実際はかなり複雑な人っぽい。

なのに、映画を観ている限りでは全くそれを感じさせない。

興味深い。そういう生い立ちや世間の偏見が生み出しそうな暗い翳(かげ)はどこいった、ケイリー。どこに隠した。

そのうちケイリー・グラントの「翳(かげ)探し」をしてみたい。

 

 

再婚相手役はラルフ・ベラミー

で、最後はこの二人が寄りを戻しちゃうんですが、個人的には当て馬役のラルフ・ベラミーの方が好みでした(上の写真の右の人)。

「ちょっと馬鹿なのかな」と思うくらいのお人好し、邪心ゼロ、すぐ騙されちゃう危なっかしい、母性本能をくすぐるタイプ。

私にはケイリー・グラントの方は無理。頭良すぎて。ロザリンド・ラッセルだってラルフ・ベラミーとくっついた方がお似合いじゃないかとも思える。

だけどやっぱりこの新聞記者コンビは、似た者同士でお互い何でもお見通し、超お似合いカップルなのでした。

めでたし、めでたし。



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