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割と自己流で生きています

タイパタイパの若者に告ぐ

 

『モモ』を読め!!

 

 

 



 

・・・だけというのも何なので、もう少し親切に、

ミヒャエル・エンデの『モモ』を読め!!!!

 

 

 




終わりだぜ!・・・ってわけにもいかないので、もっと親切に言うぜ。

『モモ』がどんな話かと言うと、

自由な心を持つ、実にまっとうな女の子モモの世界を壊しに、訳の分からない灰色の大人たちがやってきて、モモの素晴らしい世界をぶち壊していくぜ。

灰色の男たちは町の大人たちに吹き込んでいくんだぜ。

「時間を貯金しましょう」って。


「毎日少しずつ、時間を貯金していけば、年取った時にその貯めた時間をおろして、自由に使うことができますよ」って言うぜ。

すると大人たちはみんなせっせせっせと時間を貯金し始めるんだぜ。

毎日毎日、何をやるにも急いで、手を抜いて、パッパパッパと片付けて、それで毎日10分20分って貯金していくぜ。

人々は前よりもっと忙しくなって、その結果、町が灰色になるぜ。

町に立つ家は、全部灰色の、何の装飾もない、コンクリート打ちっぱなしみたいな、ただただ四角いだけの、全部おんなじ灰色のマンションが建っていくぜ。

町から色彩が奪われて、すべてが灰色になっていくぜ。灰色の男たちのように。

すべてから潤いがなくなっていくぜえ。

 


私は小学校の5年生だか6年生の時に、担任の先生が給食の時間を使って読み聞かせしてくれて、子供だったから何だか難しくってよく分からなかったけど、でも何かがあるような気がして、自分でも買って読んだぜ。

今でも本棚にあるぜ。

 


「タイパ」「タイパ」言ってる若者の話を聞くと、「そんなに急いでどうしようっていうの?」と思って笑っちゃうぜ。

可哀そうだなって思うぜ。

そうやってタイパタイパ言ってる君たちは、それで一体どんだけ有益な時間を生み出してるってわけだぜ?

無駄をせこせこ省いて、そこにまた別の無駄を入れてるだけだろ。

タイパだかなんだか知らないけど、映画を二倍速で見て、それで見た気になってるなんて愚かなことだと思うぜ。

あらすじだけ読んでその本を読んだ気になるっていうのもおんなじだぜ。

ビジネス本なんかはそれでいいぜ。でも文学とか小説はそういうもんじゃないぜ。漫画だっておんなじだぜ。

行間を読もうぜ。本も映画も漫画も。それが芸術を楽しむってことだと思うし、感じるってことだと思うぜ。

それで浮いた時間で何をする? ソシャゲ?

鼻で笑っちゃうぜ。


工夫して作り出した時間を有意義に使っている人は「タイパ」とか言わないと思うぜ。

自分にとって大事な目的のために時間をやりくりして精進している人は、そういう、浅はかな略語なんか使わずに、その実、有意義な時間を作り出していると思うぜ。

結果出す人って、そういうもんだと思うぜ。


たまには説教もしたいなと思ったら、こんな風になったぜ。サムネに合わせてみたぜえ。

 

👇 こいつだぜ!