本-小説
全21篇。特に印象に残ったのが以下の二編。『火星航路』と『狐のためいき』の備忘録。 星新一にしてはめずらしい、SFラブ・ストーリー。 恋愛といえば、これほど感情的な行為もなさそうなものだが、星新一はいつもの感情を廃した乾いた文体で淡々と語ってい…
『ボッコちゃん』に入らなかったもの+他の短編で構成されたのが、この文庫版『ようこそ地球さん』らしい。全体的に割と寂しげというか、ディストピアっぽい作品が目立った一冊だった気がする。
言わずと知れた超有名なミュンヒハウゼン男爵が、ほらに次ぐほらを吹かしまくる。途中で男爵の「極めて真面目な父親」というのも出てくるがこれがまたとんだほら吹きだし、男爵の従者の話も差し込まれてるけどこの従者までもがほらを吹くという有様で、とに…
密室殺人小説の達人、ディクスン・カーの短編集。あらすじと覚書。なるべくネタバレにはならないように、でも後でどんな話だったか思い出せるように。 前半の六篇の名探偵は、ロンドン警視庁に設置され、奇怪な事件ばかりを扱うD三課のマーチ大佐。肥満型の…
自分の頭で考えることの面白さを教えてくれた作家のひとり。わずか数ページにすぎない小説なのに、すごく深くて考えさせられて、ほとんど哲学。その数ある文庫の中でも『ボッコちゃん』は、星新一自身による自薦短編集で全50篇収録されている。
・・・乱歩の脳みそってどうなってんのかね。この短編集は、乱歩のデビュー作である『二銭銅貨』(大正12年の作品)が読めて、初期の明智小五郎が出てくる『D坂の殺人事件』『心理試験』『屋根裏の散歩者』の三篇が読めて、乱歩の変態的グロテスクさが発揮さ…
題名だけだとまるでよくあるハリウッドのアトラクション・ムービー系の、「わー」とか「きゃー」とか、そういう体育会系パニック映画みたいに思えるかもしれないけど、まるで違う。 骨太の、シミュレーション小説だった。
推理小説の開祖、かのエドガー・アラン・ポーの短編小説集。幻想小説系&推理小説系が収められている。 「黒猫」・・・子供の頃は優しく動物好きの慈悲深い性格だった主人公が、長じてからは酒のために(酒のせいにして?)性格が一変、残虐な性格になってし…
これは買いだった。当たりだった。とても興味深く、心に残る作品。こういう本は今まであまり読んだことがないように思う。 空想科学小説の一形態で、人類の進化がテーマ。手法は神のごとき作者が、ある原人夫婦の行動を観察し、彼らの感情や思考を想像すると…