エムログ

古い映画を中心に、本、仕事・・・etc. 驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【本】H・G・ウェルズ「タイム・マシン」古典SFの大家ウェルズ短編集~あらすじと感想~

濃い紅色のツタの這う白い壁、そして緑色のドア。そのドアは不滅の実存へと導いてくれる・・・ ドアの向こう側には友人ウォーレスの理想の世界があった。ウォーレスが最初にそのドアを発見したのは5歳のとき。中に入ると、大理石の花壇と二頭のヒョウ、美し…

【映画】「舞台恐怖症(1960)」ディートリッヒとリチャード・トッドのキャラ設定が効果的

引用:「私の幸福があなたの幸福なんでしょう。だからここまでしてくれた」 マレーネ・ディートリッヒの台詞 マレーネ・ディートリッヒの悪女ぶりと、リチャード・トッドの恋に溺れる間抜けぶりが後半にきっちり効いてくる、ヒッチコックらしいサスペンス・…

【映画】「フラッシュ・ゴードン(1980)」ジョージ・ルーカスが作ろうとしていたアメコミ・スペース・オペラ

「フラッシュ! ア~ア~!」というクイーンの主題歌も有名な、アメコミ・スペース・オペラ作品。 最初ジョージ・ルーカスが映画化を希望していて、それが叶わなかったから『スター・ウォーズ(1977)』を制作したという曰くありの映画。これがすんなり通っ…

【映画】「プリースト判事(1934)」ジョン・フォード監督、ウィル・ロジャース主演の人情コメディ

先日『アラバマ物語(1962)』を記事にしたとき、この『プリースト判事(1934)』もアメリカ南部が舞台だったな、と思い出したので見てみたらコメディだったのでびっくりした。シリアスかと思って見始めたので、出だしの裁判シーンで被告が寝てたから思わず…

【本】H・G・ウェルズ「宇宙戦争」とその前日譚「水晶の卵」~映画よりも原作の方が面白い~

「都市、国家、文明、進歩。そういったものはすべて終わりだ。勝負はついたんだ。われわれは負けたのだ」 砲兵のセリフ 19世紀末。まだ馬車がメインだった時代。上空から火星人が飛来し、人類に攻撃してくるという話。近代SFの父、H・G・ウェルズのあまりにも…

【映画】「料理長(シェフ)殿、ご用心(1978)」ジャクリーン・ビセットが出ずっぱり。ブラックな味付けのサスペンス・コメディ

美食家で料理評論家のヴァンダヴィアさんが「世界最高の料理」として4人のシェフとその得意料理を選出し自らが発行する料理雑誌で発表したところ、そのシェフたちが雑誌の掲載順に、その選ばれた料理と同じ調理法で次々と殺害されていく、というおはなし。 …

【映画】「アラバマ物語(1962)」人種差別問題の根深さが、善人アティカスの向こうに透けて見える ~詳しいあらすじ付き~

時は1932年。世相は世界大恐慌の真っただ中で、そして人種差別の目立ちやすいアメリカでも特に黒人差別の嵐が吹き荒れていたアメリカ南部が舞台。 テーマは重いが難しい物語ではないし、物語がうまくできていて南部の町や大人たちの様子が子供たちの目線で描…

【映画】「謎の要人悠々逃亡!(1960)」英国製のゆる~い戦争コメディ

ストーリーは、イギリスの天才航空科学者が、英国軍から任務を言いつけられて爆撃機に乗って飛び立つが、ドイツ軍の砲弾が着弾して放り出され、ドイツの捕虜になってしまう。彼は収容所のマヌケな仲間の協力を得て、収容所の玄関口から堂々と脱走する、とい…

【映画】「サムソンとデリラ(1949)」悪女が好きになる映画。聖書の映画化作品としても必見。

サムソンとデリラといえば、旧約聖書に出てくる話の中でも「バベルの塔」とか「モーセの十戒」とか「ノアの方舟」ほどではないにしてもかなり有名な話で、キリスト教圏の映画や本などを見ていると台詞なんかで時々出てくるので、知っていて損はない聖書の逸…

【映画】「メトロポリス(1927)」まさに今こそ見るべき映画~フリッツ・ラングの代表作~

すばらしく良かった。テーマもストーリーも美術も演出も、アンドロイドの造形も。そして今の私達の話でもあると思った。名作の名に恥じぬ、普遍的な作品。 近未来ディストピアSFの代表作。フリッツ・ラング監督の代表作で、『スター・ウォーズ』のC-3POのデ…

【映画】「金星ロケット発射す(1960)」~平和を祈る東ドイツ制作のレアものSF~

「もしや行かなければよかったのでは」というオチが光る東ドイツとポーランドが合作した珍品SF。火星ではなく、金星に行くというのもレア。ハリウッド制作の古いSFに飽きた、マニア向け。 60年頃のSF映画であればセットや特撮はまあ、こんなもん。役者陣も華…

【映画】「ノートルダムのせむし男(1939)」~こちらも傑作だった~チャールズ・ロートン版カジモド

以前、ロン・チェイニー版「ノートルダムのせむし男(1923)」を見たが、同じ原作でありながら全く違う切り口で、全然別の作品のように感じた。ロン・チェイニー版の方は相当コミカルに演出されていて、悲壮感というよりユーモラスですらあったが、今作の方…

【映画】「踊る海賊(1948)」~ジュディ・ガーランドとジーン・ケリーが楽しそうで、こっちまで楽しくなってくる映画~詳しいあらすじ付き

ジーン・ケリーにジュディ・ガーランドという、ミュージカル界のスーパー・スターのふたりが繰り広げるコメディ・タッチのミュージカル。面白いというより、楽しい映画。話が面白いとかではなくて、二人が楽しそうだから見てるとこっちも楽しくなってくるよ…

【映画】「タワーリング・インフェルノ(1974)」~パニック映画の超有名大ヒット作~

「今は神に祈るのみだ。惨事を繰り返さんように」 ビルのオーナー、ダンカンの台詞 ・・・神に祈ってんじゃないよ。あんたが利益優先で建築費をケチったからでしょ。反省するとこだよー。 超高層ビルで大火災が起こり、高層階に閉じ込められた人々と、消火に…

【映画】「現金に体を張れ(1956)」~スタンリー・キューブリックのハリウッド・デビュー作~

写真家から映画監督に転向して、自主制作映画のような低予算映画を数本撮ったあと、スタンリー・キューブリックにとってハリウッド映画監督デビュー作となったのが今作『現金に体を張れ』。”現金”と書いて”げんなま”と読む。 ドライな演出が光る作品。後半に…

【映画】「殺したいほど愛されて(1984)」~スタージェス監督へのリスペクトが感じられる、甲乙つけがたい良作~

プレストン・スタージェス監督の『殺人幻想曲(1948)』のリメイク。リメイク作品を見ると「オリジナルの方が良かった」と思うことも多いけど、今作はスタージェス監督へのリスペクトが感じられる、甲乙つけがたい良作。 スタージェス監督のオリジナルをリア…

【映画】「レディホーク(1985)」~RPG好きにおすすめの、中世ロマンティック・ファンタジー~

最近、ルトガー・ハウアー死去のニュースを見てこの作品を思い出した(2019年7月19日死去)。一般的にルトガー・ハウアーといえば『ブレードランナー(1982)』なんだろうと思うが、私にとってはこの映画。10代のころ大好きだった、思い出の作品。 めちゃく…

【映画】「さらばベルリンの灯(1966)」~いぶし銀のスパイ映画。リアルな演出がじわじわとしみる~あらすじ付き

戦勝国であるアメリカ・イギリス・フランス・ソ連に、敗戦国ドイツが分割統治されていた時代。ソ連管轄地域の真ん中に、離れ小島のように存在したベルリンを東西にわける壁(ベルリンの壁)ができて5年後の作品。 ****** あらすじ ****** 戦勝国であるアメリ…

【映画】「殺人幻想曲(1948)」~プレストン・スタージェス監督のドタバタ・コメディ~

この作品をリメイクした『殺したいほど愛されて(1984)』をかなり前に見てもの凄く面白かったので、そのオリジナルの方を見てみた。 主人公は妻の浮気を疑い殺害しようと完全犯罪をもくろむのだが、あまりにも自分に都合よく考えすぎていて全然うまくいかず…

【映画】「失われた航海(1979)」~事実に基づいて作られた群像劇タイタニック~

本作は1979年の英米合作のTV映画。タイタニックが主題の映画では初のカラー作品で、制作費は500万ドル。日本では劇場公開もされているらしい。 DVDのパッケージを見ると「セミ・ドキュメンタリー」として制作されたとある。映画冒頭で「事実と関係者の談話に…

【映画】「ガス燈(1944)」~自分で自分を信じられなくなる恐怖。テーマは心理虐待。~あらすじ付き

観ると精神的苦痛で顔が歪む。わたしは終始、沈痛な面持ちでしかめっつらで観てしまった。と言ってもそれは、心理面で非常によく出来た映画だからであって、駄作だからじゃない。 ああー、こんな風に扱われたら鬱になって気が狂ってしまうよ。 ****** あらす…

【映画】「ディーバ(1981)」~おしゃれな映画は、時を経てもやはりおしゃれ~

引用:「オペラ座?」「お尻よ」 ジュールとアルバの台詞より 青が印象的な映画。 冒頭いきなり始まる「ラ・ワリー」の導入から一気に映画に引き込まれる、80年代青春映画の傑作。 『ベティ・ブルー(1986)』も話題になった、ジャン=ジャック・ベネックス…

【映画】「夢のチョコレート工場(1971)」 ~2005年「チャーリーとチョコレート工場」の元映画~あらすじつき

主人公チャーリーの健気な優しさが心に響く、コメディタッチでミュージカル仕立てのファンタジー。良くも悪くもいかにも70年代的セットで、けばけばしくも摩訶不思議な世界を表現しています。 原作は児童文学『チョコレート工場の秘密』、本作をリメイクした…

~痩せますよ~ 一日一食にして4年が経過したのでその報告とおすすめの本

①私は「なんちゃって一食主義」 ②健康に影響は? ③「一日一食」のメリット・デメリット ④痩せますか ⑤我慢しているか(ストレスはあるか) ⑥不安だったこと ⑦まず「本を読むこと」をお勧めします ⑧おすすめの本 ①私は「なんちゃって一食主義」 mです。聞き…

【映画】「雨に唄えば(1952)」 ~ジーン・ケリーを見てるとほんと元気になる(笑)~

のっけから笑わせてくれる、MGMミュージカルの名作コメディ。映画がサイレントからトーキーへと移り変わるはざまの騒動を描いた作品というだけでも期待できるが、その上ジーン・ケーリーやジーン・ヘイゲン、ドナルド・オコナーら芸達者な出演陣が、畳み掛け…

【映画】「さらば青春の光(1979)」 ~邦題に偽りなし。そう、光はないのだ~カルト青春映画の傑作

「俺は同じなんて真っ平だね。だからモッズさ。大物になりたいんだ」 ジミーの台詞より バイク、ドラッグ、パーティ、ケンカ。つまらない両親につまらない仕事、希望のない未来。60年代の若者が、精一杯背伸びしてイキがって、そして絶望していく、ジリジリ…

【映画】「透明人間(1933)」 ~グリフィン、いますっぽんぽんなんだなあ、と思うこと請け合い~

「血と肉と骨が消えてしまう薬品を作ったのだよ。それを1か月間毎日注射した。これで世界を征服する」 グリフィンの台詞より ううん、ちょっと傲慢すぎて主人公に感情移入できなかった・・・。世界征服って言われてもなあ。そういえばポール・バーホーベン監…

【映画】「カジノロワイヤル(1967)」 ~ジェームズ・ボンドのおバカ版~ おバカ映画の傑作カルト作品~

はははー(笑)、この映画大好き。大好きな映画だけど、どんなストーリーなのか全然わからん(笑) わからなくても楽しい、いや楽しいからこそストーリーなんかそっちのけになってしまう尊いおバカ映画の傑作。終始ニヤニヤしながら楽しめる。 そして美女が…

ハズキルーペは本当に おすすめ だった ~眼鏡にポルターガイストがおこった結果、お困りの老眼が解決したよ~

mです。こないだ、出勤途中にいつものようにバスに乗っていたんです。指定席化しているいつもの席に座って、普通にスマホで最近の韓国事情かなんかをチェックしていたら、上からぽこんとなにかが落ちてきて顔に当たってきたんです。きょとんとして「虫かなあ…

【映画】「80日間世界一周(1956)」 ~見どころはフォッグとパスパルトゥとエンディング~

風呂の水は40センチでなければいけません。ピッタリにです。 朝食のトーストの温度は28度です。ピッタリに。 ~フォッグの執事、退職の理由より~ 大好きなジュール・ヴェルヌ原作「八十日間世界一周」の雰囲気をそのままに、フォッグとパスパルトゥの魅力を…