エムログ

古い映画感想ブログです。驚くほど忘れてしまうので備忘録として。

【映画】「アラビアン・ナイト(1942)」 シェヘラザード、踊り子になる

これはほぼ「剣戟映画」と言ってよいと思う。千夜一夜物語では「全くない」ところは、前回紹介した『船乗りシンドバッドの冒険(1947)』とおんなじ。 この映画でのシェヘラザードは、「踊り子で美人」というだけで特に賢い感じでもない。それどころか傲慢で…

【映画】「船乗りシンドバッドの冒険(1947)」 シンドバッドの自慢しいなお調子者感がすごい

物語は、船乗りのシンドバッドがいつものように「定番の7つの大冒険」の話を身振り手振りでそりゃあもう自慢げに話していると、聞いていた仲間に「その話は聞き飽きた。いつも同じ話じゃないか」とキビシイことを言われてしまい、「じゃあ」とばかりに「8つ…

【本】【絵本】レオ=レオニ「スイミー」 これは大人向けの絵本だと思う【解釈】

これは「みんな力を合わせようよ。力を合わせれば大きなことが出来るよ」というような ”善人ぶった牧歌的ないい話” ではなく、「勝ち組になるには」みたいな、集団の中で埋もれて行かないための自己啓発とか、人生観とか仕事観とか、そういう哲学や思想をも…

【映画】「M(1951)」 1931年フリッツ・ラング監督作のリメイク

映画「M」を見ようという人で、こちらのアメリカ・リメイク版を先に手にしてしまう人はいないと思うのだが、もしそうならこれを見た後で、ぜひオリジナルの方も見て欲しい。オリジナルはドイツ映画の有名作で傑作です。見た方がいいレベルです。 オリジナル…

【映画】「華氏451(1966)」 読書が犯罪の世界

本の所有が禁じられた近未来。毎日届く新聞は漫画のみ。それも吹き出しがないという徹底した管理社会。人々はTVにかじりついて思考停止状態にあり、本を所有している人は告発され、蔵書はすべて燃やされてしまう・・・

【映画】「スーパーマンⅣ 最強の敵(1987)」 急に特撮がチープになってしまうの巻

(; ・`д・´) どした。制作陣。 映画が始まってすぐ、スーパーマンがこっちに向かって飛んでくるシーンで早くも「ありゃ?」とおもた。なんかバカに特撮がしょぼくなってるような・・・特撮と言っても「合成」で、光の当たり具合が不自然で偽物臭く見えるタイプ…

【映画】「廿日鼠(はつかねずみ)と人間(1939)」 人生はつまづく石だらけ。文芸映画の名作。

利口な男と知恵遅れの男のコンビが、雇い主にバカにされるようなその日暮らしの雇われ労働者ではなく、いつか独立して自分たちの小さな農場を手に入れ、幸せな日々を送ることを夢見ていたが、現実は容赦なく彼らから夢を奪い去る、という話。 知恵遅れのレニ…

【映画】「カレル・ゼーマン作品集」ジュール・ヴェルヌを敬愛する映像の魔術師

ゼマンの作風は、一言で言えば「アニメーションというより絵画」。映画を娯楽に振るのではなく、映画を芸術作品としてアート寄りに振っていく感じ。 そしてそのアイディアは、ひとつひとつを分解してしまえばどれもどこかで見たようなイメージだけど、それら…

【映画】「ビッグ・トレイル(1930)」 ジョン・ウェイン(23歳)が格好良すぎた

トーキーなのに、まるでサイレント映画のように中間字幕が入る映画は初めて見た。 世界初のトーキー映画と言われる作品が1927年の『ジャズ・シンガー』だから、いかにもサイレントからトーキーへと時代が移り変わっていく狭間の作品という感じで興味深かった…

【映画】「サボタージュ(1936)」 ヒッチコック! 不完全燃焼!!

「sabotage:大衆や企業に不安や警告を与えるため、意志を持ち、建物や機械を破壊する行為」 映画冒頭より ヒッチコック監督の、イギリス時代でもかなり後半の作品。ヒッチコック作品は、当ブログでは他に4作品だけ記事にしているが、それらと比べると「なん…

【映画】「スーパーマンⅢ 電子の要塞(1983)」(驚)ロイス・レイン、ヒロインでなくなる

今回の映画の見どころは、決してクラークの浮気?ではなくて、もう一人の悪いスーパーマンが登場してしまうところ。そもそも今作の題名はⅠ、ⅡときてⅢに、ではなくて「スーパーマンvsスーパーマン」で、番外編みたいな企画だったらしい。

【映画】「ニューオーリンズ(1947)」音楽への愛にあふれた良作。ジャズ界の伝説的大御所たちが本人役で実演も。

新しい音楽には乗り越えなければならない壁がいくつもあった時代。ジャズ黎明期からジャズを愛しその普及に尽力する主人公と、その主人公を愛したオペラ歌手、そしてジャズ・ミュージシャンたちの姿が描かれる。 映画全編を通して、音楽への愛に満ちあふれて…

【映画】「荒野のガンマン(1961)」アクションではない西部劇~サム・ペキンパー監督デビュー作~

過去に傷つき過去に囚われている男と過去を持つ女が出会い、心を通わせていく物語。アクションというほどのシーンはなく、ちょっとした銃撃戦や殴りあうシーンがある程度。アパッチ族も出てくるが、白人側もアパッチ側も残虐行為は皆無。

【映画】「黒猫の怨霊(1962)」 エドガー・アラン・ポー原作・短編オムニバス映画3本立て

エドガー・アラン・ポー原作の映画をいくつか見たいと思って購入したもののひとつ。怖い映画が嫌いで全く見ないのだが、ポーが原作ならホラーと言ってもスプラッタとかではないはずだから大丈夫。 そうしたら当ブログ的に注目しているピーター・ローレが出て…

【本】ジュール・ヴェルヌ著「海底二万里」~映画版『海底2万マイル(1954)』の原作本

ディズニーで映画化もされた有名作。12年くらい前にヴェルヌ一気読みしたことがあるけど、あんまり印象に残っていなかった作品。今回、映画を見た流れで再読。改めて読んでみると前半こそ小説らしいとはいえ、途中からストーリーらしいストーリーがなくなる…

【映画】「スーパーマンⅡ 冒険編(1980)」 ロイス・レインといちゃいちゃする

シリーズ第二作目の見所はスーパーマンが、自分をスーパーならしめる能力を自ら捨てるくだりと、ロイス・レインとラブラブしちゃうところ。クラーク・ケントは割と簡単に超能力を捨てて、ロイスへの愛に生きていた。母ちゃん、「え、まじで、困惑~」みたい…

【映画】「ブラック・サンデー(1977)」 ハンニバル・レクター・シリーズの原作者トマス・ハリスのデビュー作

小説家トマス・ハリスといえば、1988年に出版されてジョディ・フォスター主演で映画化もされて大ヒットした『羊たちの沈黙』が非常に有名で、その後レクター博士初登場作である『レッド・ドラゴン』(1981年出版)も映画化されたし、後日譚である『ハンニバ…

【映画】「ショウ・ボート(1951)」 エヴァ・ガードナーが助演で力演

ミュージカル作品としては画期的に、黒人差別をさらっと扱っているところが特徴(解決は全くしないし、そのまま放置だけど)。黒人の血が一滴でも混じっていたらそれは黒人であり、白人との結婚も出来ないという、そういう時代。 映画冒頭、極彩色で華やかな…

【映画】「太陽は光り輝く(1953)」ジョン・フォード監督「プリースト判事(1934)」のセルフ・リメイク作品

ジョン・フォードが1934年に監督した作品『プリースト判事』のセルフ・リメイク作品だとのことで取り寄せて見てみた。オリジナルがお気に入りの私にとっては、監督のジョン・フォードが前作から20年を経て再度映画化したいと思ったのはなぜなんだろう、とい…

【映画】「アパートの鍵貸します(1960)」 ビリー・ワイルダー&ジャック・レモンの個性が光る

シャーリー・マクレーンがすごくかわいい、軽めのラブ・コメディの有名作。 そして超有名コメディアンで俳優のジャック・レモンが主役を演じている。彼をリスペクトしている日本の芸人や俳優は多いから、お笑いが好きならジャック・レモンは見ておいた方がい…

【本】「類猿人ターザン」バロウズ原作「ターザン」第一作・詳しいあらすじと感想【絶版】

この日本にいまさら絶版古書を探してまでして「ターザンを読もう」なんていう奇特な方はあまりいないと思うが、先日ジョニー・ワイズミュラー版の映画の感想を記事にしたし、興味を持つ方はいるかもしれないので詳しめにあらすじを記すことにする(本当は忘…

【映画】「デス・レース2000(1975)」 B級感あふれるバイオレンスの有名カルト映画

人類の半分が女だって? そんなこたあどうでもいい! 俺は撮りたい映画を撮るんだああ! 女の客なんざ相手にするかああ! ・・・と叫んだかどうかは知らないが、女の観客を全く当てにせずに作り上げた「清い」男の子向け映画。凡百の女どもなぞないがしろに…

【映画】「スーパーマン(1978)」 宇宙で一番孤独なヒーロー

別にスーパーマンが好きなわけじゃないんです。コスチュームも正直微妙だと思うし、クリストファー・リーヴが好きなわけでもない。元々アメコミ好きでもない。このシリーズのロイス・レインきらいだし。ぎすぎすと骨ばっていてシワっぽくて可愛くなくて、二…

【映画】「モンキー・ビジネス(1952)」 マリリン・モンローが出てるというだけの不発弾

ぜんぜん笑えなかったんですけどー(笑) なんだろう、まったく面白くなくて、それどころか不快に思うほどだった。 しかも私たぶんものすごく昔に見たことがあると思うんだなあ。見たことがあると思うのにはっきりと思いだせない。全く記憶の彼方に行っちゃっ…

【映画】「ナック(1965)」のちに生まれるミュージック・ビデオに大きな影響を与えた青春映画

とにかく女の子をモノにすることばかり考えている若者たちを、オフ・ビートな感覚で映画化した青春映画。ストーリーがどうとか、テーマがどうとかを語るタイプの映画ではなくて、感性とノリを楽しむ系の作風。ひと言で言うと「軽妙洒脱」という感じ。 監督は…

【映画】「類猿人ターザン(1932)」絶対に見た方がいいジョニー・ワイズミュラー版、第一作。

ええー、すごく面白かったんですけど。あんまり期待していなかったのは事実だけど、そのせいで面白く感じたというよりも、映画としてちゃんと面白かったし、驚きがあって良かった。一体どうやって撮影してるの? まずなにが凄かったって、とにかく主演のター…

【映画】「海底6万マイル(1916)」 ジュール・ヴェルヌ原作「海底2万里」の初本格映像化作品

ジュール・ヴェルヌの超有名作『海底2万マイル』の本格映像化第一弾。1916年制作なんて、そんな映画黎明期に海底や潜水艦が舞台のSF超大作に着手するなんて、昔の映画人はすごいなあ、志が高いなあ。超たのしみー (^◇^) ・・・って、か、か、かなりの脚…

【映画】「陽気な街(1937)」ゆるめのラブ・コメディ・ミュージカル

ミュージカル映画の始まりは、映画がトーキー化された後の『ブロードウェイ・メロディー(1929)』が最初で(未見)、その後40年代から50年代にかけて全盛期を迎え、60年代の半ばにはほぼ死ぬんだけど、この1937年公開の『陽気な街』はわりと最初の方の作品…

【映画】「救命艇(1944)」これも一種の密室劇。ヒッチコック監督作品。

大西洋上のボートの上だけでドラマが繰り広げられる一種の密室劇であり、サバイバル映画であり、サスペンス映画でもある。 最初は多少積んであった水やクラッカーなどの食料も大嵐に見舞われてすべて流されてしまうし、乗り合わせたドイツ軍人は敵国の兵士で…

【映画】「フリークス(1932)」この映画が問題作であることが問題

この冒頭の説明にある通り、おそらく二度と映画化されることはないだろう。実際に映画が公開された時はショックで流産した人がいたと言われるほどの騒ぎになり、監督は干され、イギリスでは30年間も上映禁止作品となった。 私は20代の頃に映画館でリバイバル…